見出し画像

色無地に囲まれたら、初めて色無地っていいなと思えた

お茶を始めてから、本格的に着物のことを考えるようになりました。

元々普段使いの小紋を持っていて、これを着倒すつもりだったんですよね。
「お茶のために着物を着たい」という動機だったので、必要とする分だけの着物があればいいなという気持ちだったんです。管理しきれない自信があったし…。

ただこの小紋は若い頃お茶をするとは全く考えずに仕立てたものだったので、細いうえに前巾に余裕がない。
結果、お点前をしていると少しずつ長襦袢が見えてくるんです。
落ち着いてお稽古できないので、ちょうど良いサイズのものを用意したほうが良いなあというのが少しずつわかってきました。

ということで、今の小紋を仕立て直すか新しく仕立てるか…ということを考えていたときに方々から言われたのが「色無地がいいよ」。

正直、言われてからしばらくは全く心が惹かれませんでした。いくら地紋があるものを選べるとは言え地味じゃない?と思えて。
参考に、と思って何度か色無地の生地を見に行ったりしてたんですが、どーーーしても気持ちが動かない。安いものではないし手がかかるものなので、納得せずに買うことはしたくない。見ているだけで嬉しくなるような、そういう物でなければ買いたくない、と思って1年ほど先延ばしに…。

それでしばらくは小紋でお稽古に行っていたのですが、今年の初釜でガラッと価値観が変わりました。
たまたまベテランの方ばかりと一緒になったのですが、美しく色無地を着こなされた方の中に自分が入ったとき、「居心地が悪い」と思ったのです。
端的に言うと、自分の着物の柄が目にうるさかった。

その時着ていた小紋は決して派手なものではなかったのですが、それでも控えめに空間を彩る色無地の中にいるとどうしても目立つように思えたのです。※他の方が小紋を着ることに眉を顰めるつもりはなく、単純に自分が周りと異質なのが嫌だな、と感じたのです
それと同時に、今この空間に自分が色無地を着ているところを想像して、「そういう空間は好き…私も色無地が欲しい!」と心から思えるようになりました。

これから気に入る生地が見つかるかという問題もありますが、来年の袷の時期には自分の色無地が用意できるといいなあと思ってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?