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秋もよう/手織りにするとしたら

写真の景色を見て手織り布を織るとしたら、こんな風に思考をふくらませて材料を選択して布にする。その過程を書いてみました。

* * *

私にとって飾るものより巻くものの方が想像しやすい。
だから最終的にはマフラーになった形を想像する。

たて糸に黄色を入れてしまうと全体を通してピーッと黄色い線が入ってしまう。けれどそれでは黄色の存在感が強いのでたて糸には入れない。

たて糸には暗めの色を使う。黒は強すぎるのでダークグレーをメインとして褐色系の糸を少し、明るいグレーをほんの少し入れる。

よこ糸にはたてに使ったものとわずかに違う濃さのグレーを使いたい。理想はふんわりヨリをかけられた太めの手つむぎの糸。ウールかカシミヤ。(メリノウールがいいかもしれない。カシミヤは厚いものだと魅力を充分引き出せない気がするし材料費が高くなりすぎる)

手つむぎのウールはいくつかの濃いグレーをランダムにブレンドしたのを軸としてわずかに薄い黄色を入れて糸にする。これが葉の色になる。織ったときに線として出にくいよう糸の時点では物足りないくらいの分量、面積にする。

全体に黄色のもようを入れるのではなく3分の1〜3分の2くらいに留める。固めるのではなく散らすかもしれない。織ってみて様子を見て決める。

陳腐になってしまうから写実的な表現は避ける。写真の景色を見て一瞬心に映った残像のようなものを織れたらいい。

あたたかいけど、クールで、少しかわいげのある、ざっくりしたマフラーのイメージ。イメージの引き出しは晩秋〜初冬だけど物としては厚手で真冬に適したものになりそう。



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