クラウドファンディング
尾崎世界観さんのこちらの小説を読ませてもらった。
内容としては、ぜひ上のサイトで読んでもらいたいが、ネタバレすると...
クラウドファンディングにハマっている「私」が、近所の高齢者、西岡さんのためにクラウドファンディングを勝手に立ち上げる。
そのクラウドファンディングは成功を収めて、集めたお金を西岡さんのところに持っていったのだが...。
西岡さんはなんか浮かない顔をしている。
そしてこんな言葉を放つのであった。
私はこの言葉にびくりときた。
「そうかあ、良かれてと思ってしたことも、そうなるんだよな」
とか
「高齢者と若者では考えにギャップがあるのだな、西岡さんの気持ちもわかる気がするなあ」
「私もそういう余計なお世話をしているのかも」
と色々考えていた。
しかし、尾崎世界観さんの小説はそれでは終わらなかった。
なんと「私」は、怒りを西岡さんに抱きながらまた別のクラウドファンディングを立ち上げるのであった...。
この小説の終わり方は、私だったら「自分が悪かった、自分はダメダメ人間だ、反省して次に活かそう」と終わらせるところを、そういう終わり方にしていないところが、さすが才能のある尾崎世界観さんだなと思った。
そのような終わり方をしてもらったことで、何かとても色々考えさせられた...。
言葉にはできないし、ここには書けないことも色々考えた。
私は最近、寄付をしたけれど、それも「私」と同じような気持ちでやったんじゃないか?
もらった側は西岡さんみたいな気持ちになったんじゃないか?
色々考えさせられた。
文章とはこうでないといけない気がした。
何か、人の心に、ギーッと爪痕を残さないといけないんだ。
ライターとして反省した小説であった。
皆さんは、この小説を読んで何を感じましたか?
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