精神障がいのある私の推し
引きこもりの時、私はずっとずっと映画を観ていた。
当時はAmazon Prime VideoとかNetflixとかなかったから、とにかくTSUTAYAとかGEOに行って、1本100円のDVDを借りまくってもうずっと観ていた。
全部で100本は観たんじゃないかな。
でもぜーんぶあらすじも題名さえも、もうとにかく全部忘れてしまった。
ただ不思議なことになんだか美しいシーンとかじーんときたシーンとかは鮮明に覚えていて、あとはあの映画は好き、でもこの映画はいまいちとかそういうのも覚えている。
で、そういう映画のひとつひとつのシーンとかさりげない仕草とか綺麗なセリフとかそういうのは結構今の文章を書くお仕事に繋がっているからおもしろい。
無駄なことなんてなかったのかな。
そんなことを思ったりする。
この記事の本題は映画のことじゃない。
私がなぜ引きこもりの時に映画をたくさん観ていたのか...なぜもう何かに追い立てられるように観ていたのか、それは美輪明宏さんのおかげだ。
美輪明宏さんが自身の著書で「映画をたくさん観なさい」とおっしゃっていて、また「引きこもっている時は内面を磨く時よ」みたいなことをおっしゃっていて、それで観るようになった。
美輪明宏さんとの出会いは、私が不登校だった10年前に遡る。
図書館の片隅に美輪明宏さんの人生相談の本が置いてあって、興味本位で読んだというのに思わず引き込まれていた。
美輪明宏さんといったらみんなやっぱりスピリチュアルのイメージがあると思う。
だから「美輪明宏さんを尊敬している」というと周囲の知り合いたちはみんな「ああスピリチュアル好きなんだね」とか言われてなんだか辛かった。
そうじゃない。
私は美輪さんの生き様とか愛の深さとかそういうのが本当に本当に大好きで、私は美輪さんを観ていたり、美輪さんの言葉を読むだけで、「ああ、頑張るぞ」って思えたのだ。
美輪さんのおかげで私の人生は華やかになった。
「おしゃれをしなさい」
と言われておしゃれも頑張った。
そうしたらみんな優しくしてくれて嬉しかった。
「微笑みなさい」
と言われて微笑んでいたらみんながよって来てくれた。
「人に優しくしなさい」
そう言われて人に優しくしてみたらやっぱりいい気持ちになって感謝されて嬉しかった。
どれもひとつひとつは単純で簡単なことなのかもしれない。
でも私にとっては美輪さんの言葉ひとつひとつが本当に癒しになっていて治療になっていた。
美輪さんのコンサートにも何度か行った。
19歳の時。
短大の帰りに、精神的に病んで、身も心もボロボロになって泣きそうな体を引きずってそれでも「美輪さんに会いたい」と思った。
怒鳴られながら稼いだアルバイト代で行くことにした。
その直前に、「美輪さんのコンサートに行く」と言ったら短大のクラスのみんなに爆笑された。
私は理解されなくても構わなかったけれども、やっぱりなんだか悲しくてたまらなかった。
福岡市民会館に駆けつけて、たったひとりで美輪さんのコンサートを観劇した。
初めてみる美輪さんはすごく素敵で『愛の讃歌』や『ヨイトマケの唄』を聴いて私は涙を流した。
泣きながら「ああ、もう誰になんて言われようが私はこの人が好きだ」と思ってさっき笑われたことなんか吹っ飛んだ。
愛の讃歌なんか美輪さんが歌うとわーって花吹雪が散ってとっても綺麗だった。
夢のようだった。
私はロマンを美輪さんから買って、そうやってあの辛い毎日を生きていた。
美輪さんは私の人生の礎を作ってくれたそんな人だ。
私は美輪さんが大好きで、これからもずっとずっと尊敬している。
私はこんな偉大な尊敬できる推しに出会えて嬉しいし幸せ者だと思っている。
誰がなんと言おうと、これからもずっと好き。
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