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自分のやりたいことに集中特化 - KBOYさん

エンジニアの生き様についてのインタビュー記事を載せていくマガジン、エンジニアの「歩き方」第二弾。今回はYouTuberとしても活躍している@KBOYさんにインタビューしてみました。iOSエンジニア繋がりで知り合って、Facebook見たら2017年からの知り合いでした。

通常なら予告→公開のフローなんですが、KBOYさんがYouTubeで私に、私がnoteでKBOYさんに取材するという流れになったので、予告なしの掲載になります。

インタビュー日:2020年1月27日

プロフィール

iOSアプリエンジニア歴4年。早稲田大学創造理工学部を卒業後、アプリ開発ディレクターを経験し、その後プログラマーに転向。報道系ベンチャーでニュースアプリのiOSアプリ開発を経験。副業や個人プロジェクトでもアプリとしてのアウトプット多数行う。その後ARベンチャーでリードエンジニアとして活躍。大人気アプリ「ペチャバト」をリリース。個人の発信力を高めたいと考え2019年2月に独立しフリーランスエンジニアとなる。

Twitterアカウント:https://twitter.com/kboy_silvergym
YouTubeチャンネル:天才プログラマーKBOY, 凡才プログラマーKBOY

経歴

ーー経歴を教えてください。

大学時代

大学は早稲田大学の創造理工学部機械工学科です。宇宙開発がやってみたくて機械系に進みましたが、学んでいくうちに「難しいし道のりがハード」ということに気づき、別の道を考えるようになりました。そこで元々好きだった「ものづくり」が思い当たりました。

就職活動

「クリエイティブなことをしたい」と思いつつもプログラミングの経験はほぼなかったので、企画職として中古車検索サイトを作っている会社に入りました。

1社目(1年半在籍 / Android / iOS)

最初は新規事業開発室に配属されて、バイクパーツに特化したフリマアプリを企画することになりました。企画作業が終わったら画面仕様書を書いたりディレクター業務をやっていたんですが、「1年目でいっちょ前にディレクションをやってるのが申し訳ない」「自分の手で作ってみたい」という思いから、一緒に働いていたエンジニアに「自分も開発やりたいです」と言ったら「お、いいじゃん」と言ってもらえて。最初は文言変更などの簡単なタスクから始めたんですが、だんだん「これ楽しいな」「極めがいがあるな」と思うようになりました。正直ディレクション業務は成長している感があまりなかったんですが、エンジニアはわかりやすくて良かったです。

結局最初の会社は1年半在籍しました。初心者を脱したところで次はベンチャー企業にエンジニアとして入ろうと思いました。

2社目(1年半在籍 / iOS)

ニュースアプリの会社にエンジニアとして入りました。分野は、書きやすく、面白いと感じたiOSを極めていこうと決めて頑張っていました。

3社目(1年ちょっと在籍 / iOS)

サービスの立ち上げをやってみたいと思い、ARのベンチャー企業に入りました。いいアプリは作れたと思うものの、ビジネスとしてスケールするところまでもっていけなかったという感覚があり、スタートアップの現実を知りました。

この頃ちょうど「YouTubeに興味が出てきてもっと自由に発言したいと思った」「フリーランスに興味があった」という理由からフリーランスになりました。今はフリーランスになってから1年くらい経ちます。

ーー学んだものと仕事として実際に使うものが違うじゃないですか。それに対して抵抗とかもったいないと思う気持ちはなかったですか?

大学2年生くらいから「これは違うな」と思ってたのでそういう気持ちはなかったですね。就活の時は「クリエイティブなことがしたい」と思ってました。

ーーちょっと私と似てるなと思いました。私は図書館司書になりたくて図書館情報学の学科に行ったんですが、途中で「なんか違うな」「司書として働いている姿が思い浮かばないな」と思って。特にこれと言ってなりたい職業があったわけではないんですが、最終的に「ものづくりが好き」という理由でエンジニアになりました。

エンジニア初期の勉強法

ーー何を使って勉強しました?

読んだのは『Java入門』みたいな基礎本だけです。あとは仮説を立てつつ考えて、どうしてもわかんなかったらエンジニアの人に聞いてました。今思うと最初から実務のコードを見られたのは良かったかもしれません。動いているコードを見て、真似たりアレンジしたりできるのは勉強になりました。

ーーもし目の前に「未経験だけどエンジニアになりたい」という人がいたら、すでにあるチームに飛び込んで開発することをおすすめします?

早い段階で飛び込むべきだとは思いますが、僕みたいに恵まれた環境はそんなにないと思います。Udemyなどの動画を元に手を動かして、流れを体感するのが良いかもしれないですね。それができたらちょっとずつアレンジしてみたり。ただ、このアドバイスを実際に何人かにしてみたものの、これで進められる人はそもそも自分でできる人でした。

会社選び

ーー今までスタートアップを選んできてますが、大企業は考えなかったんですか?

ないですね。大学生の時に起業への憧れがあったので、大企業で歯車になるよりは新しいものを自分の力で作る方が向いているなと思ってました。

ーーさっき「ビジネスをスケールさせるところまで持っていけなかった」という話をしていましたが、それは起業という視点を持っていたからなんですね。

そうですね。先程の話の時はエンジニアとしてジョインしてますが、単純に技術を極めたいというよりは人に使われるものを作りたいタイプなので、ビジネスになるプロダクトを作れるかは意識してました。

YouTube

ーーYouTuberになったきっかけを教えてください。

勝又さんを、YouTuberになる前から知ってたんです。正直技術の内容を配信しても伸びるわけないと思ってました。が、実際は伸びたんですよね。こんなに需要があったんだというのは衝撃的でした。この時「もっと面白いものを自分は作れるのでは?」と思ったんです。

ーー苦労したことはあります?

最初、思ったより面白いものが作れない、伸びないという壁に当たりました。動画は未開拓の分野だったのでスキル、センス、経験が足りない状態で、2019年1月に始めてからずっと試行錯誤してました。コンテンツもARからエンジニア初心者向けのコンテンツにしてみたり。でもこのままだと勝又さんの二番煎じになってしまうので独自性を出そうと思った結果、今のスタイルになりました。

天才プログラマーKBOY」はハッカーを意識してます。Tinderで自動スワイプするとか、みんなが使っているアプリを使ってちょっとズルしてみる。そうすることで若い人たちに驚いてもらったり、興味を持ってもらえることを期待してます。よくわからないものをわかりやすく見せるのはやりがいがあるし、同じことをやっている人はあまりいなかったので、この道で行けるなという感覚があります。

ーー驚かせたい、興味を持ってもらいたいと思うのはなんでですか?

中学生や高校生に「プログラミング」という選択肢に早く気づいてもらいたいんですよね。自分は就職してからプログラミングが楽しいということに気づいたんですが、もっと早く知りたかったなという気持ちがあります。

ーーちなみにマーケティングってどうやってます?

まあ試行錯誤しながらですね。去年ほぼ創業当時からスタートアップにいた関係で、「どのマーケットにどんな需要があって、どんなプロダクトを投入するべきか」を意識するようになりました。YouTubeでも「誰がターゲットか」「本当に需要があるのか」「どれくらいパイがあるのか」「スケールできるのか」を考えながらやっています。

ーーYouTuberをやって良かったことは何ですか?

YouTubeきっかけで今まで会ったことがないタイプの人に会う機会ができたことです。エンジニアだけやってたらこの人とこうやって飲みに行くことないんだろうなと思うことが増えました。

あと、アプリを作って反響を得たときも嬉しいですが、動画を作って反響を得たときも同じように嬉しいです。動画の方がアプリ開発よりも早く作って出せるので、すぐに反応が得られるのは良いですね。

アウトプット

ーーARのサンプルを公開したり登壇していた時期もあったと思いますが、アウトプットのモチベーションって何ですか?

何かの分野でポジションを取ってエンジニアとしてのし上がろうと思ったんですよね。その時ARの会社にいたこともあって、iOSのAR分野で存在感を出そうという考えに至りました。結局まあまあ成果は出たんですが、突き抜けられるほどじゃありませんでした。しかもずっとやりたいほどARが好きってわけでもなかったので、今はやめてしまいました。

ーーAppleはARに力を入れている感はあって、今ARを極めておいても損はない気はしますけどね。あと、AR分野を半ば捨ててしまって「もったいない感」がないか気になります。

もったいない感はないですね。実はARそんなに流行ってないです。技術の進化スピード落ちてますし仕事もそんなにないですし。なので今ここに張るのは違うなと思いました。まあ書いたQiitaの記事は生き残り続けていて資産になっているので、徹底的にやった1年間があったのは良かったなと思ってます。

選択と集中

ーー聞いているとわりと選択と集中をやっている気がするんですが、何か基準ってありますか?

やりたいか、楽しいかが基準です。その次にお金ですかね。戦略に引っ張られてやりたくないことでお金もらうのは微妙なので。

ーー大学で、機械系を学んでたけどエンジニアを選んだっていうのと似てますね。

そうですね。今まで積んできたものがあったとしてもやりたいことじゃないと情熱注いで取り組めないので、サンクコストには縛られない方がいいと思ってます。

僕は名声を得たいと思ってるんですが、その時に人と同じことをやっていたら出し抜けないし、個性ある「KBOY」になれないので、集中特化でパワーアップしておこうという考えもあります。

エンジニア的キャリア戦略

ーーエンジニアとしてはこれからどうしていきたいですか?

今現在はフリーランスとして案件を受託していることが多いですが、減らしていきたいと思っています。その分自分のアプリ作りに時間をかけて、そっちでお金が稼げるようになりたいです。特にYouTubeにつながる開発をしたいと思ってます。例えば他のYouTuberのファンクラブアプリを作ったら、自分のYouTubeで紹介できていい流れができそうとか。できるだけ自分の技術だけを切り売りする仕事を減らして、「YouTuberのKBOY」としての活動を増やしたいと思ってます。今は技術で有名になる必要はなくて、「○○を作っているKBOYさん」と認識されるようにしたいです。

技術面の話でいうと、Webでもネイティブでもフロントは網羅しておきたいと思ってます。なので最近はAngularをやってたり、仕事でFlutterをやってたりします。

ーーどの技術に投資、集中するかは結構重要な判断だと思うんですが、どうやって見極めてます?

明確にこれ、っていうのは言いづらいですけど、Flutterに関しては信頼しているGoogleが力を入れているので、React Nativeより大きくなっていきそうという感覚はあります。

これからの「KBOY」

ーーこれから先のKBOYさんの展望を教えてください。

10年後は「KBOY」という存在が有名になってほしいと思ってます。テレビのコメンテーターに登場してるイメージです。エンジニアとしては受託というより自分のプロダクトを作っている状態でいたいなと思ってます。あと子育てとかもしてたいですね。

ーー子供にはエンジニアを勧めますか?

うーんエンジニアじゃなくてもいいですね。どちらかといえばYouTuberを勧めるかも。少なくとも何か自分の好きな分野で発信できるようSNSは積極的にやることを勧めます。

インタビュー後記

自分がやりたいと思ったことに対して適切に選択と集中を繰り返しているなと感じました。サンクコストに縛られないということは大事だなと改めて感じました。

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このシリーズ2回目になり、ちょっとずつ何かが掴めてきているような気がするんですがまだまだ。質問力に関する叱咤激励、その他感想等々お待ちしてます。感想付きツイートしてくれると嬉しいな…。

次回予告

次回は前の記事でも紹介した通り、@EihireJapanさんのインタビュー記事になります。もうインタビューは終わっており、あとは自分が書くだけのフェーズです。頑張れ自分。

インタビュイー募集

現在20件弱のインタビュイー候補がいて、実際のインタビューが先になりそうな雰囲気はかなりしてるんですが、随時インタビュイーを募集しています。インタビューされても良い方、軽い気持ちで応募してみてください。

サポートの扱い

サポートをいただいたら私とインタビュイーで半々に分けようと思います。一応Kyash IDも置いておこう。ID: akatsuki174

最後に

記事の更新がわかるよう、↓こちらのマガジンのフォローや、私のTwitterのフォロー等々よろしくお願いします。

おわり。

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