“推し本”を発信して!! 人となりが伝わる社内図書スペースをつくりたい
こんにちは! 株式会社アカツキ、オフィス担当の田中秀明と申します。
このnoteではオフィスの図書スペースに関するご紹介と、メンバーのおすすめの本を展示するシェア型本棚の取り組みについてお話します!
アカツキのオフィスは本がいっぱい
アカツキ・グループでは、"豊かな知識、トレンドをインプットする”を目的として、社内3つのフロアにまたがって、かなり膨大な図書スペースが設置されてます。
ざっくりでも何冊あるんだろうか?
と思って数え始めてみたのですが、あまりの量の多さにあきらめました!!!!
そして本は1度に何冊まで、という制限なく、自由に借りられます。ありがたい。本好きにはたまらん空間です。
そして今年、図書スペースの区画整理・リニューアルが行われ、CourtGardenに新しい本棚が追加されました。
今回、CourtGardenにできた新しい本棚の一角をボックスで区切って、社内のメンバーが個人で所有する自分のオススメの本を紹介できるスペースを新設しました。
その名もブックマンション。
近ごろ注目を集めているシェア型の本屋さんから発想を得て、棚をマンションに見立ててます。なぜそんな仕掛けを始めたのか? その経緯をお話していきます。
アイデアの源泉となった考え方
生産性の高いオフィスをつくるにはどうしたらいいか?
日々、情報収集するなかでこんな記事に出会いました。
『さあ、才能に目覚めよう』の著者、マーカス・バッキンガム氏は、『従業員が仕事に愛情を持てる職場をつくる』という記事で
と語ってます。
どういうことかというと、好きな活動をしているとき脳内ではオキシトシン、ドーパミン、アナンダミドのような化学物質が分泌されます。人はこれらの愛情化学物質の刺激を受けると、大脳新皮質の制御機能を弱め、自分の精神を開放できるようになります。
すると視野が広がって受容性が高まり、感動しやすくなる。感動するとより記憶に刻まれるので、認知機能が高くなり、より早く、巧みに作業ができる。
作業スピードが高くなると楽観、誠実、寛容といった傾向が高まり、「やってみよう」という気持ちが増える。仕事のパフォーマンスを向上させるには、好きな活動をして愛情を持っているのが理想ということなのです。
他にもZappos(アメリカの靴のネット通販会社)の取り組みにも感化されてます。
Zapposでは、「社員が本来の自分でいられるときに一番自分の力が発揮される」という考え方から、自分のデスクだけでなく、チームの共有部分、会議室なども自由にデコレートしていて、社員が手作りの飾り付けをしてオフィスのパーソナライズに取り組んでいるそうです。
人となりが場に組み込まれることで、遊び心ある場を自分たちでつくる気持ちが育まれている印象です。ものづくりをする職場としては、オフィスにワクワクする、心が躍る空間があるのは、良いことだと思ってます。
今回、本棚のパーソナライズに取り組んだのも、これらの考えと全国にシェア型書店が広がっているトレンドを社内にも再現したいと考えたからです。
自分の棚をどんな店名にして、どんな手作りのPOPを飾るかも自由。しかもその選書にはユーザーの個性が反映されていて、思いがけない本との出会いや、小さなスペースだとしても本屋になれる体験ができることで人気を得ています。
本の街、神保町でも『猫の本棚』、『PASSAGE』というお店ができるなど関心が高まっています。余談ですが、趣味の本屋さんめぐりで『猫の本棚』さんに伺った際は、怪獣絵師である開田裕治さんの本棚もあり、直筆ミニキャンバスまで購入できて、内心ホクホクして帰ってきました。ゴジラ、ウルトラ怪獣、ガンプラのパッケージ、直撃している世代なので興奮しました。家宝です(完全に脱線したw)。
2022年グッドデザイン賞のなかにも、シェア型図書館(本と暮らしのあるところ だいかい文庫)が選ばれてます。本はテーマに共感した人がカテゴリーに関係なく集まれるうえ、地域で孤独を解消するためのデザインとして、ケアの場所としての機能を評価されての受賞でした。地元医師が立ち上げたシェア型書店は、人を引きつける場として機能しているんです。
愛情を持てる空間。
本来の自分を感じられる空間。
コミュニティとして機能するシェア型本棚。
3つの考え方のエッセンスから、アカツキのブックマンションは誕生しました。
こっそり期待している4つの効果
というわけで、パーソナライズするオフィス空間として、本棚の一部が開放されることになりました。
この仕掛けを通じて、こうなったら理想だなと期待している効果があります。
欲張りました。欲張っている自覚があります。
コロナ禍で不足した部署を超えたつながり
アカツキの場合、メンバーのオフィスへの出社率はおよそ20%ほどで推移しています。部署を超えた人の接点は、まだまだ伸びしろです。選書から棚主になってもらったメンバーの新しい一面がちら見えして、気になって本棚を見たメンバーに声をかけてもらう、そんなきっかけに。直接、仕事で接する仲間以外のゆるーい繋がりが生まれてほしい。
個人で創作活動しているメンバーの社内でのファンづくり支援
アカツキでは個人で創作活動をしているメンバーも在籍してます。そんな方の作品を展示する機会になればいいなと思います。棚の一部をギャラリーにして、社内にファンが増えたらいいな、と淡い希望をよせてます。
本棚づくりへの参加からオフィス環境自体への関心を育む
オフィスは自分たちのものという意識を持っているメンバーを増やしていきたい、密かな野望です。誰かがやってくれる、自分の思い通りにはならない、と思っている場所からはきっと離れていってしまう。
そんな危機感があり、本棚という小さなスペースですが、自分のパーソナライズできる場所ができたことをきっかけに愛着を持って、共有スペースなどにも関心を持ち、いろいろ意見がでやすくなればいいな、としたたかに思ってます。
自分の好きを発信できて、受け入れてもらえるオープンマインドな感覚の体験
好きな熱量ってすさまじいですよね。情熱のマグマ、好きっていう気持ちが、他のメンバーにガンガンと刺激を与える。推しを祀る神棚(?)ができてもいい。そんな場所になってほしい。
今まで本棚に並ばなかった種類の本が並ぶことで本のバリエーションが広がっていくのも楽しみです。遊び心ある場所と感じてもらう一方、小難しい本も置いてもらって、メンバー同士で学び合う機会の創出にもつながってほしい気持ちもあります。
アカツキのブックマンションとは?
棚に配置したボックスの内寸は、縦30センチ×横20センチ×奥行き24センチ。
ブックマンションの作成手順は、①選書、②設置/飾り付け、③プロフィールカードの作成です。
オススメする本を選ぶテーマは自由ですが……なにかアイデアがあればというのでしたら、こういうのはどうでしょう?
「自分をつくった5冊の本」、「思い出の本/雑誌」。試しに101号室、102号室の飾り付けを自分がやってみました。どや。
自分の本棚がオフィスに再現されている!? 不思議な感覚です。どんな人が見てくれるのか、気になってちょこちょこ本棚の前に来ていますw
さっそく休憩に来た方が、ちらほら足を止めてくださってます。いや、ちょっと、だいぶ恥ずかしい。でもうれしい!!
せっかくなので103号室、104号室に入居される方もご紹介です。
小能さんは「天才でも秀才でもない方に贈る本」、和田さんは「新しい世界に、ちょこっと足を踏み出すそんな多種多様な本たち」をテーマに選書していただきました。
思いがけない人・本との出会いを
ブックマンションの取り組みは、オフィスの業務の中では本来、果たすべきクリティカルな業務ではありません。でも自分はこの空間が、緊急ではないが重要なことを実施しているオフィス空間だと感じられるんです。
アカツキのブックマンションは、「本当に好きなものを周囲の人に『好き』と声に出して言える場」、「自分をさらけ出しても安心できる場や信用できるコミュニティ」を体感できるスペースを目指して立ち上げました。少しでも問題なく、長く続いてほしい、そんな気持ちです。
自分が好きな本を貸したりできる"シェア本棚”
2022年12月19日、本格OPEN!!!!
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この記事は、『アカツキ人事が自由気ままに書く Advent Calendar 2022』 の 19日目の記事です。 前回は株式会社ジザイラボ代表の江畑さん の、「Willがない人は「1匹の羊」を探せ」でした。