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【読書録】『星の子』

こんばんは。
お読みいただきありがとうございます。

小説を読むことはここ数年めっきり減りましたが、
備忘録として残しておきたいと思います。

あと、ちょっと考えさせられる内容だったので、
スッキリさせてから、眠りにつきたい。笑

林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。
紹介文より

kindle unlimitedで、
無料で読むことができました。

睡眠時間が何より大切な私は、
仕事復帰してからは本当にゆっくりゆっくりしか本を読めていないのだけど。

あっという間に読んでしまいました。

分量的にはサラリと読めたけど、
心にはずっしりとくるものがありました。

読みながらずっと思っていたことは、
読む時期を、ちょっと間違えたかな、ということ。
安倍元首相の銃撃事件が、読みながら、どうしてもチラチラと頭をよぎる。

実際に、物語全体が危うい雰囲気で包まれているような印象は受けます。

綱渡りをしているような。

でも、物語のちひろちゃんは、
(傍目には歪んでいるとしか思えない、でも本人的にはいたって純粋な)両親の愛情も、
両親に対する、まわりの冷ややかな目も、
まっすぐに受け止めた上で、

思春期という、微妙な年齢を、
繊細に、でもしっかりと生きています。

両親のことも、今、親となった立場で読むと、
責められないな〜と。。

*****

これ、映画化されているのですね。
ほぼ全てのキャスティングに、うんうん、なるほどと思いながら、
映画紹介のHPを見ていました。

ちひろちゃん役をする芦田愛菜ちゃんは、
この作品を演じるにあたり、
「信じる」ということについて、深く考えたそうです。

*****

「親が子どもを信じる」
これは、親の心がけの問題だと思います。

でも、子どもが親と一緒にいるのは
「信じている」からではないというか、
逆らうことのできない、巡り合わせというか。

その偶然の巡り合わせの連続の中で、
「自分」という人間の土台を作る。

それが、大きくなって(物語のちひろちゃんは中三)、
自分自身で「信じるもの」を選んでいけるようになったとき。
ちひろちゃんは、何を選ぶのだろう。
切り捨てるものは、あるのだろうか。

ちひろちゃんは中三のままで物語が終わっているので、
どんな大人になるのか、わからないまま。

だからこそ、芦田愛菜ちゃんの言う通り、
「信じる」って何だろう?と、考えさせられる内容になっています。

*****

私は無宗教ですが、
日本人が古来より持っている
八百万の神
という考え方が、好きです。

森羅万象、あらゆるものの中に神様がいる。
山にも。海にも。土にも。ご先祖さまにも。

あちこちに神様がいる。
見えないけど、「信じて」もいいかな、と思っていることです。

*****

「信じる」こと、
「信じているものがあること」が、
強さや、豊かさや、幸せへと繋がるものであってほしい。

道を踏み外させるものではなく、
踏み外しそうになったときに、元の居場所へと戻してくれるものであってほしい。

そして、信じるものを見極める目は、
養っておきたい。

そんなことを考えました。

*****

まとまっていないけれど。
今日は、これでおしまい。睡眠時間、大切。
お読みいただきありがとうございました。



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