見出し画像

産経賞オールカマー

秋を感じるレースのはずが、今年は暑くてそう思えない。
残暑の中山で行われる、誰にでも開かれた別定戦。

中山競馬場 芝2200m (外)

はじめに

今年のオールカマーもいいメンバーが揃った。実力伯仲の強豪揃いだ。しかし、この豪華なメンバーのなかでもひと際目を引く馬がいる。タイトルホルダーである。春天の故障からの復帰戦であり、名馬の復活を誰もが待ち望んでいる。競馬ファンとして目を離せない大事な一戦となるだろう。

レース予想

レース予想においてもタイトルホルダーをどう見るかがやはり鍵となる。
タイトルホルダーが好走するのであれば、彼がラップを刻み作り出すタフな持久戦に耐えられる馬が来るだろう。彼の圧力をもろに受ける先行勢はよほどに持久力がないと残れず、差し馬が有利となるか。
一方で、タイトルホルダーが凡走するのであれば、彼のことをマークしていた差し馬勢も一緒になって踏み遅れ、先行勢が残る展開となるだろう。

かなり悩ましい選択だ…がしかし、心の内では結論は決まっている。

タイトルホルダーは「好走」する

もちろんこの決断に、競馬ファンとしての思いが含まれるのは否めない。
しかし、ここでは彼の精神面を評価し、彼を推したいと思う。

ここで、調教における馬なりでのラップに着目したい。

【日経賞最終追い切り】81.9-64.1-49.9-36.0-23.1-11.2 (一杯)
【オールカマー一週前】83.0-65.9-50.7-36.5-23.1-11.3 (馬なり)
【オールカマー最終追】85.5-66.4-51.3-37.6-23.9-11.5 (馬なり)

一週前、最終追い共に馬なりでも、日経賞前の追い切りに迫るほどのスピードで、後半しっかり急加速できており、彼の闘争心は健在であることが確認できる。

名馬がターフを去るのは闘争心を失った時だ

競走馬は能力さえあればレースに勝てるわけではない。レースの要素に含まれるものは、展開や適性、ジョッキーや時の運など挙げればきりがないが、その中でも馬のキモチも重要なものとして含まれている。
私は、かの華麗なる一族、ダイイチルビーの話が記憶に残っている。
彼女は安田記念に続くスプリンターズS制覇の後、その偉大なる勝利によって既に燃え尽きていた。その後は、惨敗を続け彼女はターフを去っていったのである。

詳細はリンク先の列伝を読んで頂きたいが、競走馬にとって闘争心なくてはならないものだ。

ダイイチルビーの例とは対照的なもので、闘争心が注目をあつめた事例がある。
ケンタッキーダービー2022を20番人気で勝利したリッチストライクは、ゴール直後、誘導馬とその騎手に噛みつき、競馬界に衝撃が走った。
闘争心にみなぎったこの時のリッチストライクは、当時の言葉を借りればまさしく“キラーモード”であり、トラック上の全ての馬を追い越そうとしていた。

闘争心は20番人気のブービー馬をダービー馬とするほどの力がある。

軸馬の決定

闘争心はタイトルホルダーの中に煌々と宿り続けていると私は信じている。

彼のフィジカル面は、彼を管理する一級の厩務員がこのレースに送り出していることから信頼してよいだろう。そもそも、ドゥラメンテ亡き今、種牡馬としても価値の高いこの馬が現役を続行するのであればなおさらである。

彼の復活を確信し本レースの◎本命を打ちたいと思う。

軸が決まれば他は自然と決まるが丁寧に

レース展開を握るタイトルホルダーの評価が決まり、方針ははっきりしているので決めやすい。ただし、1番人気に◎を打っているので馬券的にはここからが重要だ。

対抗〇には強引な体力とパワーで走るキタサンブラック産駒馬のガイアフォースを選んだ。
タイトルホルダーに追走するにはやはり体力が必要不可欠だ。また、内にもまれるのが苦手なこの馬にとって、4枠7番は悪くなく、タイトルホルダーの逃げによって予想される縦長のレース展開とも相性が良いだろう。菊花賞時のようにならないだろう。
また、血統的にも、非根幹距離+タイトルホルダーによる特殊なレース展開は反主流条件であり十分合うだろう。また、牡馬の距離延長でこの条件に挑めるのもデータ的に信頼できる。

単穴▲にはルーラーシップ産駒母父ディープのエヒトを選んだ。
上に同じく揉まれ弱いルーラーシップ産駒。縦長展開は彼にとっても追い風となるだろう。
また、彼は大阪杯のHペースを早め3番手でじっと我慢し、最後までばてずにくらいついていた。これは、今回の「タフな流れ」にも十分通用するものであると評価したい。
また、母父ディープで闘争心やキレが強化されていることも考慮したい。
通常、闘争心を表さず淡々と走り2、3着を取ることが多いルーラーシップ産駒は「複勝種牡馬」と呼ばれるほどだが、母父ディープの影響を反映し、1着も期待した買い目にしたい。

紐△には、夏も使い調子上々であり、得意とする延長ローテのローシャムパーク、金曜の雨を考慮し荒れた馬場に向くノースブリッジ、内枠を存分に活用し勝負どころの一瞬の隙をつく一発を横山典弘ジョッキーに期待してマテンロウレオを選びたい。

人気馬のジェラルディーナは叩き良化型であり、ローテーションがすこぶる悪い。この人気なら馬券内からも腹をくくり外した方が良いだろう。

ゼッフィーロは、ディープインパクト産駒であることや彼の脚質からして、タイトルホルダーが凡走したときに走る馬の筆頭であり、今回は明確に区別し、買い目から外していきたい。

タイトルホルダー
ガイアフォース
エヒト
ローシャムパーク
ノースブリッジ
マテンロウレオ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?