72/144時間トランジットビザ免除と似たものだろうと思いがちですが、実は似て非なるものです。これが分かると様々な疑問が解けます。

Q.北京では24時間以内のトランジットで入国拒否が起きるけど、上海で聞かないのはなぜ？

Q.24時間トランジットビザ免除の臨時入国許可には滞在可能地域が空欄なのはなぜ？

Q.アモイ航空のトランジットサービスがいたせり尽せりで有名ですが、福州でもサービスを提供してるのはなぜ？福州はトランジットビザ免除適用外では？

Q.東京→上海→成都→カトマンズみたいな乗り継ぎをトランジットビザ免除でしている人を見たが、なぜそれが可能なの？

72/144時間トランジットビザ免除制度では考えられないものばかりです。一言でいうと全て24時間トランジットビザ免除のルールを適用されているからです。

A国→中国→B国のルールは同じです。

では、何が違うのでしょうか？国家移民局の公式サイトには『外国人は座席が確定された乗り継ぎ航空券を所持して国際航空便に搭乗し、直接中国を経由し、且つ経由地での滞在が24時間を超えず、また空港を出ない場合には通過ビザ（トランジットビザ）が免除されます。臨時に空港を離れる必要がある場合には、空港のイミグレーションで臨時入国許可の手続きをする必要があります。』

注目すべきは中国を経由しとしか書かれていません。つまり、72/144時間トランジットビザ免除と違い、エリアが中国全土なんです！！24時間トランジットビザ免除の臨時入国許可は滞在可能地域が空欄になっている理由です。結構見逃しがちな大事な点です。72/144時間トランジットビザ免除は適用空港や滞在可能地域が細かく決められていますが、24時間トランジットビザ免除にはありません。

144時間トランジットビザ免除に滞在可能地域があるが、24時間トランジットビザ免除にはそのような制限は無い。

つまり、福州空港でもどこでも中国全土で適用されるのです。さらに、適用は中国全土ですから、A国→中国→B国と移動するなら、中国の入国と出国の空港はどこでも良いのです。一般的には上海浦東と上海虹橋などを想像しますが、上海浦東と成都天府空港、北京首都空港と深圳宝安空港などのように遠くに国内移動しても24時間以内なら構わないのです。

　
ビザセンターのサイトにも『民間航空便を利用して中国国内の2都市以上を24時間以内に乗り継ぎする外国人は乗り継ぎビザが免除されるが、イミグレに臨時入国許可を申請する必要がある。』（試訳）としっかり書かれています。

72/144時間トランジットビザ免除とごっちゃになってしまい、東京→上海→成都→カトマンズみたいなチケットは上海で入国するから、滞在可能地域外の成都には行けないみたいな勘違いをしてしまいますが、24時間トランジットビザ免除にはそのような滞在可能地域の制限はありません。成都→カトマンズのチケットさえ持っていれば臨時入国でき、上海から成都へ移動し24時間以内であれば乗り継ぎできます。

では、北京で24時間以内のトランジットで入国拒否される例が多いのと、このことがどう関係するのでしょうか？『臨時に空港を離れる必要がある場合は』の部分です。例えば空港が変わる、ターミナルが変わる、スルーバゲージが利用できず手荷物を受け取る必要がある、などが空港を離れる(入国する)必要がある場合と認められます。入国しないと乗り継げない場合ですね。北京ではそれが厳格に適用されているようです。入国しないと乗り継げないのに、入国できなかったという話は聞かないのでご安心ください。上海で起きないのは一旦入国しないと乗り継げないためです。つまり、乗り継ぎ客は全員入国する必要があると認められます。

中国での国内移動を伴う乗り継ぎチケットも、24時間以内であれば問題なくできることが、ご理解頂けたと思います。