新田和義

国際政治学/外交史を専攻する一学徒です。 アウトプットする機会を作るべくnoteを執筆…

新田和義

国際政治学/外交史を専攻する一学徒です。 アウトプットする機会を作るべくnoteを執筆しています。

最近の記事

書評:ポール・G・ローレンら『軍事力と現代外交』

1.本書の内容 本書は3つの内容から国際政治のダイナミズムと外交政策に生かす上でのポイントを説明することを試みている。1つ目は歴史の章となりギリシア世界で生まれた外交の知見を出発点に2000年代までの外交史を概説している。ここでは、外交制度・主権概念・紛争や紛争を実行する主体としての統治機構の変化にテーマをスコープを絞って説明をしている。2つ目は理論の章で、外交交渉・抑止・強制外交・危機管理に関する外交政策の在り方についてケーススタディを用いて説明している。興味深い点は191

    • 書評「宮岡勲『入門講義 安全保障論』」

      本書は「安全保障」をテーマに国際政治学の中での理論的系譜の整理と安全保障を検討する上で重要なテーマの歴史的な整理の2つを提供している。前者は国際政治理論の中でも「国家安全保障」と「国際安全保障」にあたるテーマを基に学説史を再構築している。そのため、章立ては3つからなっており、リアリズムからのアプローチとリベラリズムからのアプローチ、そして戦略的アプローチの3つの系譜に分けて整理が行われているのはこれまでの安全保障論の教科書にはない点である。 これまでの安全保障論の教科書的な位

    書評:ポール・G・ローレンら『軍事力と現代外交』