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マイフェイバリット・フィルムズ・オブ・2023


今年は映画館で、6本の映画を観た。
どの映画もとても良かったので、備忘録として一言感想とともに順位づけしてみた。
数十年後には、是枝裕和と宮崎駿の新作を同時に映画館で観られたなんてものすごい当たり年だった、と自分自身で回顧するかもしれない。

1位『怪物』(是枝裕和監督)

群像劇と伏線回収と人間洞察がピタリと嵌まり、鑑賞後も引きずって考えさせられる作品に出会えて、今年はもうこの一本で十分と思えてしまった。
鑑賞後にたまたま撮影地の上諏訪に立ち寄る機会があり、聖地巡礼もできた思い出深い作品。


2位『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)
3位『コンパートメントNO.6』(ユホ・クオスマネン監督)

「大人の映画」とはこういうこと。ストーリーは大して重要でなく、人物のバックグラウンドの説明も大してなされず、淡々と主人公に起こる小さな変化を見つめていくような、「余白」の多い小品映画。
音楽もセンスがいいし、映画内の物音も一つ一つが印象深い。むしろそういうディテールでずっと観せていけるのが本当の映画ではないかと考えさせられる。


4位『首』(北野武監督)
5位『君たちはどう生きるか』(宮﨑駿監督)

宮﨑駿の新作は、今年最大の問題作ではないかと思う。NHK「プロフェッショナル」の密着ドキュメンタリーを見て、完全に宮﨑監督にとっての「私はどう生きるか」という話だったのかと驚愕する。

『首』は、「人間なんて所詮しょうもない」と言わんばかりの厭世観が通底し、可笑しみに転じている独創性が見事。合戦シーンもとてもいい。


6位『ゴジラ -1.0』(山崎貴監督)

大衆娯楽大作「ゴジラ」の精神をきちんと継承し、今の時代に楽しめる形に提示する手腕が素晴らしかった。
そしてゴジラのテーマ曲は偉大。これが鳴り響くだけで、凡百の怪獣映画と一線を画してしまう。


来年もいい映画に出会えることを祈りつつ。

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