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みどり色

毎日の散歩コースには、田んぼがあります。

田植えが始まったなあ、と思っていたら、もう結構伸びています。
みどり色の面積がどんどん大きくなってきました。

夕暮れ時は、太陽が水面に映り柔らかく反射して、穏やかな景色を見せてくれるので、全く飽きません。

あぜ道には、可愛らしい小さな花が咲いています。
毎年見ているのに、名前が分からない。
それでもずっと咲いてくれています。

田んぼには、笑ってしまう思い出があります。

一番多いのは、田んぼの中に落ちたこと。
子どもの頃、あぜ道にある花を摘もうとして、泥の中にはまってしまいました。花を握りしめて泣いていたと、母が笑いながら言っていました。それが何度もあったそうです。

田んぼにいるタニシやザリガニを取ろうとして、落ちたこともありました。どうやら、何かを取ろうとした時に落ちるらしい......。

中学生になっても、時々落ちていました。

友達と歩いていて、ふざけた弾みにはまったり、自転車で追い抜こうとして落ちてしまったり。(自転車ごとはまるので、結構大変なのです。)

ずいぶん前の話ですが、みどり色とセットになって記憶されています。
おそらく、この時期に落ちていたのでしょう。

もっと稲が伸びてくれば、水面が見えなくなります。
一番泥だらけになる時に限って、なぜか落ちてしまう。
落ちたいとは思いませんが、懐かしい思い出です。

毎年変わらない風景があるのは、とても心強い。
何があっても、そこにあるという安心感。

私にとって、田んぼのみどり色は、穏やかな力強さの象徴です。

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