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傷まみれの過去からの脱皮

 2ヶ月半ぶりに、某美容室へ。

 いつも混雑している午前中を避けて、お昼過ぎに伺ったのだけど、立て付けのあまりよくない扉を開けると(コラ。笑)もう座る椅子もないくらい、お客さまでいっぱいいっぱい!
 でも、美容師先生が

「あー。入って待っとり。すぐに終わる」

 とおっしゃるので、とりあえず「切っていただける権利」はゲット。この美容室、混雑状況によっては門前払いを食らうこともあるので(この日も5人くらい食らってた。悲)まずこの時点でラッキー。

 ほどなく、シャンプー台に座っていた、いかにも聡明といった風情の美しい女性が、先生に何やらリクエストを始めた。しかし私には、そのリクエストの意味が全くわからない。キーワードは「蛇の抜け殻」「脱皮」・・・うーん、なんぞ?

 とりま、指定の紙に自分の名前を書いておけば、あとでなんかイイことがあるらしい(笑)とゆー、すげーざっくりとした理解だけで名前を書かせていただいた。

 その後、いきなり美容師先生がハサミを置き、今からまとめて、みんな書いたる! とかおっしゃる。なになに、何が始まるの?

 ここからは、私の曖昧な記憶からの説明。違ってることもあるかもだけど、ご容赦を。

 人間は、生まれてから今まで、いろいろな経験をして、また決断を繰り返し、現在に至っている。本人は覚えてないかもだけど、その時の傷や要らないものを、いっぱい身にまとっている。
 それを全部あぶり出して、蛇のように脱皮したら、人生が変わる。生まれ変わることができる。
 辛いこと、キツイことも見なければならなくなるけど、それも全部脱皮してしまえば好転するから。

 ・・・先生はお客さま方が書いた名前の紙を床に置き、這いつくばって、一人一人に「蛇の抜け殻」のような文字を書き続けた。神文字というものらしい。今、この文字を書けるのは、世界中でこの先生しかいないとか。
 そして、その文字について説明をしてくださるのだけど、これがもうえげつなかった。
 私の場合は、

「・・歳で一度切れとる。なんか切ったな」

(母親が死んだので、アル中DVの父親を捨てての家出を決意)

「・・歳でも切れとる」

(離婚した。笑)

「・・歳で、なんかウダウダと悩んで・・・」

(30年近く勤めた会社を辞めた! 怖!)

 ちなみに個人的に一番ツボったのは、

「アンタ、意外に頑固やろ!」

 へっへー、その通りでおま。巳年生まれだしなw
 でも、そんなことはもうどうでもいいのだ。先生にこの文字を書いていただいた瞬間、傷まみれの過去から脱皮したのだから。

 ちなみにこの日、本当はあと1時間くらい遅れて、この美容室を訪れる予定だった。
 1時間遅れてたら、この「脱皮」には遭遇できなかった。運命に感謝しかない。

無題19-20221022112713

 今朝起床したら、もう9時を過ぎていた。夢も見ずに爆睡。さらに、まだまだ眠くてお昼寝敢行。だからこの記事も、こんな時間にようやく書いているという次第。

 自慢じゃないが(笑)精神的に本当に苦痛しかないような人生を、主に前半に送ってしまってるので(今は極楽♪)脱皮にもエネルギーが必要だったんだろな、と思う。

 もう一晩しっかり眠ったら、きっと通常運転だ。そして明日は、とても楽しみな予定があるのだ。このタイミングにも、やはり感謝しかない。

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