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「おい、君は探偵ごっこでもしているつもりか?」 ずっと後を付けてくる子どもの腕を掴んで、私はそう問いただした。 「あたしは、自分の父さんを探してるだけよ!」 そう言うと子どもは、ポケットから一枚の写真を出して私に見せた。 「ほらこの写真の人、あんたにそっくりでしょ?」 確かに、顔や背格好は似ていたが、写真の中の人物は自分の知らないコートを着ていた。 念のために母親の名前を確認したが、まったく身に覚えがなかった。 「悪いけど、この人は私じゃないし、私は君の父さんじゃない