【短編】 地下鉄とファーストフードと少女
地下鉄の電車の床には、「ここは地獄だ。言葉さえ通じない」というスプレーの落書き。
車内はゴミのような匂いがするし、生きているか死んでいるか分からない人が横たわっていてたしかに地獄だ。
しかし、言葉は通じるはずだと私は思って一メートル隣に座っていた男にハローと声をかけると、男にいきなり胸ぐらを掴まれた。
「俺はハローという言葉が世界で一番嫌いなんだ!」
私は声をかけたことを後悔した。
「ハローなんて、友達みたいに近寄ってきては相手を騙すだけの言葉だろ?」
今度あんたに