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【不妊治療】第1章『不妊症』の宣告【長い夜の始まり 2】

長い夜の始まり 2

私は、毎週のように通院し幾度となく内診台にのり、検査が始まった。

毎月、毎週・・・。

色々な不妊に関する本や雑誌を読みあさった。
たいていの本には『不妊の原因は男女半々にある』と始めに書かれている。

しかし、≪盲腸の傷の癒着??≫から始まった≪不妊症≫への原因追求は、当然私にあると考えられ、どんどん私の検査が進んで行った。
毎週のように仕事を休まなければならなかったり、周囲の心無い言動や、プレッシャーに心を痛める日々が続いた。

毎朝、基礎体温を測り、≪フーナーテスト≫と言う検査を受ける事に・・・≪フーナーテスト≫とは、通院指定日の前夜、夫婦生活をして、子宮頚管という子宮の一歩手前にある管の中に精子が活動しているかを調べるものだ。その検査自体は、たいした事は無い、内診が少し伸びるくらいの事。

でも、医師から夫婦生活を行う日を指定されたり、それを報告すると言うなんとも屈辱的な検査に、閉口させられた。

だが、その屈辱的とも思える検査で分かった事は、私の子宮頚管内に、主人の精子が見つからなかったと言う事実だった。

『まさか?!』『偶然、たまたま!!』と言う気持ちだったし、S医師も、何度か行ってみないと分からないと言ってたので、ほんとに、気楽に、その事実を主人に告げた。『いるべきはずのところに、精子がいないんだって・・・!』と。そんな事から、主人の検査も必要ではないかとS医師進められ、同じT病院の泌尿器科で、主人の検査をする事になった。


その頃、私の検査は次の段階へと進んだ。
子宮卵管造影検査≫だ。

造影剤を注入して、子宮内部と、卵管内部、卵管出口の腹膜の様子を、レントゲンで撮影して、調べるもので、卵管が詰まっていないか、卵巣の位置などがわかるらしい。この検査にも2日間の時間を要した。

検査結果が出て、レントゲンを見ながら、S医師の説明を聞く。

子宮などを写したレントゲン写真は、良く医学的な本や、イラストなどで見る子宮をはじめとした、卵管や卵巣とは、全く違うもののように見えた。
卵管は思った以上に細く、とても長く複雑で、左右対称ではなく、子宮も思った以上に小さく感じた。
『こんな細い管の中を、精子は通って行くんだ!』と、正直マジに大変なことだと思った。

そして検査の結果分かった事は二つ。
癒着の可能性があること』と、『子宮後屈』であると言う事。
子宮後屈とは、昔なら不妊の原因とされ、手術をしなければならないと考えられていたが、今はその必要はない。単に、普通なら前(腹部側)に傾いている子宮が、後(背中側)に傾いていると言う事だ。

だが、通常の夫婦生活では妊娠しにくいと言う事も事実だそうだ。なぜなら、精子が子宮内に流入しにくい形状になっているからだそうだ。

それから、しばらく・・・主人の検査の日がきた


次回・・・長い夜の始まり 3 を、お届けします


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