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テレビを手放したら、テレビがより楽しめるようになった話

私の家にはテレビがない。

正確には、今年のはじめに手放した。元々そこまでテレビっ子ではなかったのだけれど、テレビを手放したことで、思わぬ収穫があった。

ことの発端は、テレビをPCモニター代わりに使い始めたことだった。2021年11月にライター業を始めてすぐ、生産性アップのためにはデュアルディスプレイが必要だと考えた。けれど当時休職中でお金がなかったので、ひとまずテレビにHDMIを繋げてモニター代わりに使っていた。

ラジオ大好き人間なこともあり、テレビが観られなくても一切困らなかったので、PC用の専用モニターを購入した後、そのまま手放すことに。そして、私がテレビを観る機会は、2週間に1回ほど行くサウナか、銭湯の待合室、実家にほとんど限定された。

自宅のテレビを手放してしばらくたったころ、サウナ室に設置してあるテレビを観ていたら、あることに気づいた。

「テレビ、めちゃめちゃ面白いじゃん!」

その時は確かクイズ番組が放送されていたのだけれど、無意識のうちにクイズをめちゃくちゃ真剣に考えて、間違えたら悔しがって、次の出題を楽しみにしている自分がいた。番組を心から楽しんで、面白さを100%受け取ろうとしていた。

自宅でテレビをぼんやり観ていたころは、正直あまりそんなことはなかった。楽しむでもなく、ただ垂れ流している感じだろうか。特に大人になってから、テレビを「面白い!」と思ったことはなかった。当たり前にいつでも観られる環境だったからかもしれない。番組をつくる側からしてみれば残念な視聴者である。

けれどテレビから少し距離を取ったら、放送されている内容がとても新鮮で、ワクワクして、限られた時間の中で楽しもうと無意識に努力した。

テレビに限らず、スマホやSNS、毎日食べているものにも言える話なのではないだろうか。当たり前に必要だと信じて疑わないことやモノも、あえて一旦離れてみることで、新鮮さを取り戻せたり、改めて素晴らしさに気づけるのかもしれない。

日常をちょっと面白くする方法のひとつとして「一旦離れてみること」が加わった。テレビを手放したことで、意外なライフハックが得られた。

ちなみに、今後も自宅にテレビを置く予定はない。テレビをもっと楽しむために。


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