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3日米修好通商条約締結とその影響

第3回目の授業では,1856年にアメリカ総領事ハリスが下田に着任し幕府に自由貿易の開始を要求してから,1858年に日米修好通商条約が結ばれるまでのことを学びました。ペリーが通商と開国を要求したときには幕府はそれを拒否したのにもかかわらず,今回はなぜ通商条約を締結することを決断したのか,ということが最初の問いとして浮かびます。また中学校で勉強したように日米修好通商条約は不平等条約とされるのですが,どのような点が不平等だったのかを再確認する必要があります。最後に本時の問いである「自由貿易の開始は日本の経済や社会にどのような影響を与えたのか。」について考えます。

なぜ通商条約締結を決断したのか

このことについては,まず幕府内部で日本の発展のために貿易をすることが必要だという意見が高まったということを確認しました。しかし,通商の開始は本格的な開国であるとの反対論があったことが幕府の悩みでもありました。そこで,天皇の許可=勅許を得ることで反対派を押さえようと考えたのです。しかし,幕府側の説得もむなしく天皇は勅許を与えませんでした。幕府はなぜそこまでして通商条約の締結を急いだのでしょう。その理由としてアロー戦争との関係を考えてもらいました。

安政の五カ国条約はなぜ不平等条約とされたのか

結局幕府は勅許を得ないまま日米修好通商条約を締結します。その内容には3つのポイントがありました。1つは制限された自由貿易であること,2つめは領事裁判権が片務的に認められていたこと,2つめは関税自主権がないことです。このときに関税を課す目的は何かについて,周りの人と確認しました。自分の言葉で説明できますか?

自由貿易を開始したことが経済にどのような影響を与えたのか

貿易開始が経済に与えた影響については,生産面・流通面・物価と3つの側面から考えてみました。生糸が西洋にたくさん輸出されたこと,そして綿織物が輸入されたことが,生産面でどのような影響を与えたかについて考えてもらいました。次に流通面では,五品江戸廻送令が出されたことを例に国内の流通に与えた影響を考えました。そして最後に万延貨幣改鋳という金貨の大量発行を行ったことが物価上昇をもたらしたことを確認しました。生産者が受けた影響,流通が混乱したこと,物価が上昇したことなど,自由貿易の開始が経済に与えた影響は大きいです。では,人びとはそれをどのように受け止めたのか,それが社会に与えた影響と考えることができます。ちょっと今日は語りすぎましたか?

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