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【シンガポール 14日間ホテル軟禁日記】#19_食事について③ ~ぜんぶ並べてみて分かること篇

2020年8月17日、シンガポールに5ヶ月ぶりに入国。

入国後14日間はシンガポール政府指定ホテルでの滞在が義務付けられている。その14日間+前後数日で、起きたこと、思ったこと、考えたことの記録。

※誤った情報が含まれる可能性、個人の思い込みや考えが多分に含まれていることはご容赦ください。


【Day 14】 ~最後の夜

この生活終了まで、残り12時間を切りました。明日の12:00過ぎ、ホテルから指示があり次第チェックアウト作業に入るよう、今日も念押しの連絡がフロントから入りました。(もちろん、トリップアドバイザーにレビューを書くことも入念に念押しされます)

思い返せば14日前は、労働省からの「ミスったらタダじゃおかないからな」のオンパレードに怯え、パスポート有効期限切れという超初歩的なミスを犯しながらも巨漢職員の豪快さでシンガポールに入国し、日本で購入した超ガーリー入浴剤が無意味である現実を突きつけられた1日でした。あの日は誇張なしにはるか遠い昔に感じます。

↓入国した時の話

↓入浴剤の話

ただ、間違いなく14日という時間が経過したのでしょう。

毎食配布され、ほぼ毎食飲むことなくテーブルの上に溜まっていったMARIGOLDがその日数を僕に教えてくれます。

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「45%シュガーカット」の記載がありながらも感じる容赦ない人工的な甘さが、僕のMARIGOLD蓄積速度をより加速させました。

「MARIGOLDってこんなに種類あったんだ」という学びは、この14日間の学びの中でも印象的な一つです。

■全食事を並べてみた ~一覧性についての先人の教え

これだけのMARIGOLDが手元にあるということは、「それだけの数の食事を提供してもらった」ということの証でもあります。

初日の夕食から今日の夕食まで、初日1食(夕食のみ)+3食×13日=ちょうど40食がこれまで僕の手元に提供された食事の数です。

スマホを見返すと、12日目の朝食だけ写真を撮り忘れてしまっていたようなのですが、それ以外はすべてを写真に納めていました。

一覧で見られるよう、ずらっと全てを並べてみました。

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広告代理店に入社して間もない頃、上司・先輩から「一覧性の担保はクライアントへのホスピタリティ以上に、気付きを得るプロセスとして自分のためになる。だから面倒がらずにすべてを並べて、穴が開くくらい俯瞰で凝視しろ」と言われて、夜な夜な広告事例を並べ続けたことを思い出します。

当時は並べてる途中で力尽き、気付きを得るところまで至れなかったことをここに懺悔しますが、時を経て今日やっとそこまで行けそうです。(ちなみに当時は、並べた紙の上でつっぷして寝てしまい起きたら紙に穴が空いていたので「穴を開ける」というゴールだけは意図せず達成していたことを付け加えておきます)

気付きは書き始めたらキリがないのですが、3つほどご紹介して、今回は終わりにしたいと思います。

気付き1 : 定期的な「朝食のあり方」への迷い

基本的に「油を全力投球する」というコンセプトはブレることなく、一貫してブラウン系に統一されたトンマナですが、朝食の列だけは迷いが垣間見られます。

「さすがに朝から油ブラウンで飛ばしすぎなんじゃないか…」という迷いが3日に2日程度のペースで訪れ、卵を炭水化物に見立てるランボー的アプローチ、いつもより余白を大胆に使うアート的アプローチ、などが見受けられます。

気付き2 : ディムサム埋め込み手法

ぱっと見は「炭水化物エリア」+「おかず3品」の構成に見えますが、実はすべての炭水化物エリアに「ディムサム(Dim Sum : 点心のこと)」もしくは「練り物(Fish-Ballなど/Day2の夕飯の白い細長い物体やDay13の朝昼の黒い物体も魚の練り物です)」が埋まっています。

↓Day13の黒い練り物アップ

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調子が良いと油の全力投球がこの埋め込みディムサムエリアまで及び、フライが埋め込まれているケースもあります。(例:Day 7の夕食↓)

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炭水化物はたくさん食べてもらいたいけれど、その分おかずも少しでも増やしたい…!というケータリング会社の優しさと、レイアウトの無駄を一切排除したアートディレクション能力の融合ともいえるこの手法は、iPhoneの内臓部品や内側に一切の隙間を許さなかったスティーブ・ジョブズのこだわりに相通じるものを感じます。

気付き3 : まだ見ぬ炭水化物の世界の奥深さ

炭水化物エリアを見ていただくと、とにかくそのバリエーションに驚かれると思います。

東南アジアのローカルフード的なものは、シンガポールに移住してからの2年で結構食べてきたつもりで、日本以上に炭水化物をしっかり摂取する料理であり、それが故に数多の米と麺の種類があることは理解しているつもりでしたが、まさかこんなに種類があるとは思いませんでした。

Day1の夕飯の「赤い玄米」に始まり、Day7ランチの「グリーンのご飯(原料は謎。若干オイルっぽくて甘い)」などは初めて見たものでした。

Day3やDay10では「マカロニ」的な洋風炭水化物も織り交ぜてきています。

また、Day8の昼食・夕飯で赤い玄米を連続で登場させ「さすがにもうバリエーションないか」と思わせてからの、Day9朝食で見たことない形の炭水化物を投入してくるサプライズも特筆に値します。

↓Day9の炭水化物の寄り(原料は、謎です)

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そして今日のランチの炭水化物エリアは「ラザニア(的なもの)」でした。最終日に、これまでにまったくなかった文脈の炭水化物を投げ込んでくる余裕っぷり。もはや不気味さすら感じます。


いかがだったでしょうか。

眺めてれば眺めてるだけ気付きが出てきそうな気もしますが、力尽きて今度はPCに穴を開けてしまうと困るので、今日はこの辺で。

明日からシャバに出ることになりますが、この軟禁生活を振り返って、思うこと・考えることを書いていこうと思います。

つづく

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