【シンガポール 14日間ホテル軟禁日記】#07_体温を1日に5回測る生活が始まった篇

2020年8月17日、シンガポールに5ヶ月ぶりに入国。

入国後14日間はシンガポール政府指定ホテルでの滞在が義務付けられている。その14日間+前後数日で、起きたこと、思ったこと、考えたことの記録。

※誤った情報が含まれる可能性、個人の思い込みや考えが多分に含まれていることはご容赦ください。

【Day 2 ~ Day 3】~こまめな検温とスマホチェックを繰り返す暮らし

ホテルに入って初めての朝、前日初めての体験が多すぎてそれなりに疲れていたみたいで、バタッと倒れたように寝たのですが、朝は6:00には目が覚めました。

理由は、毎日決められた時間に体温の報告をしないといけないし、労働省なのか厚生省なのかから、朝から電話がかかってくるかもしれないから。

・入国前の労働省(MOM : Ministry of Manpower)からのメール

・空港での入国管理局(ICA : Immigration & Checkpoints Authority)からの指導

・ホテルで渡された厚生省(MOH : Ministry of Health)と観光省(STB : Singapore Tourism Board)からの書類

これまでで少なくとも4つの管轄部門から自粛生活(シンガポールではSHN : Stay Home Noticeと呼びます)についていろいろ言われてますが、冒頭文言の主旨はすべて同じ。

「ルールに従わなかったら、まじでぶっ飛ばす」
(ビザ剥奪・国外送還・罰金・懲役、など)

■Day 2まで : スマホチェックとホテルへの体温報告

この緊張感から、文字通り「ガバッ」と起きて、起きた瞬間、スマホに見落としがないかチェック。

事前に読んでいたウェブ上の情報だと、結構早い時間からSMSがきてレスポンスいないといけない、というのもあったので、着歴・SMS・メール・Whatsapp(シンガポールで主流のチャットアプリ、LINE的なもの)をくまなくチェック。

そして朝の9:00〜11:00はホテルに体温を送らないといけない時間。

ホテルからの案内が書かれたこの用紙のQRコードを読み取ると、部屋番号・名前・体温・検温時間を入れるGoogleフォームに遷移します。

画像1

遷移先はいたって普通のGoogleフォーム↓

画像2

この検温は、朝の9:00-11:00と19:00-21:00の2回。

■Day 3 : アプリでの監視生活が始まる

Day 3になると、MOM(労働省)から「このアプリをインストールしなさい」というSMSが届き、このアプリ上で1日に3回、体温などを報告することになります。

インストールを指示されるアプリ↓

画像3

ネットでこのアプリが必要なことを事前に読んでいたので、僕はこのアプリを既にインストールはしていました。

アプリにログインするための電話番号入力を、この日までに数回試していましたがすべてエラーになっていたので、おそらく管理のフローとしては、

①労働省に僕の入国情報が共有される

②労働省のアプリ管理者が僕の電話番号を登録

③登録が終わるとアプリにログインできるようになる

④管理者が僕にSMSでインストール指示のメールを送信

という仕組みなんだと思います。

電話番号を入力するとSMSにワンタイムパスが飛んできて、それを入れることで先に進めます。次の画面では、以下の設定を求められました。

・ステイ中のホテルの郵便番号の入力

このアプリの最大の目的は「同じ場所にいるかの把握」で、この先ずっと位置情報が常にトレースされる仕組みになっています。

なので、まず郵便番号を入力させてステイ先を確定させ、その後は検出する位置情報と突合しているのだと思います。

(この翌々日の労働省からの電話で、郵便番号とホテル名を聞かれるシーンがあり、ホテル名を何度か聞き直されたので、電話口の担当者はどうも僕のホテル名を把握していなかったように思います。

ということは、誰がどこに収容されたのかに恣意性はなく、郵便番号とその後の電話ヒアリングで、誰がどこに収容されたのかは最終把握しているのかもしれません。

つまり、ホテルの振り分けは完全に無作為で、タイミング運次第なのかな、と推測しています)

・スマホ側のアプリ制御機能をすべて解除

郵便番号を入れるとYouTubeのエンベッド画面が登場。再生ボタンを押さないと先に進めない仕様になってました。

YouTubeでは、以下の機能をOFFにする方法が説明され、このアプリがいかなる時も起動状態を保てるよう、スマホが設定されます。

①バッテリー最適化機能
②アプリ起動の自動制御機能
③パワーセーブモード

↓スマホ設定ガイドラインYouTube動画

そして最後に、いつまで経っても慣れないあの口調で、最後の指示をされてアプリの設定が終わります。

・絶対に、このアプリの起動を落とさないこと

・絶対に、スマートフォンの電源を落とさないこと

・絶対に、電波接続を切らしたり、フライトモードにしたりしないこと

・守らなかったら、まじでぶっ飛ばす
 (ビザ剥奪・国外送還・罰金・懲役、など)

■よく働くアプリの稼働

この設定が完了して以降は、ホテルの検温とは別に1日3回、こちらのアプリで検温を始め体調を申請していくことになります。

残りの滞在期間などが表示されているHOME画面で「Submit Report」を押すと、

画像4

インカメラが起動して自撮りを要求される、

画像7

そして、体温など登録して、Submitを押せば完了。

画像6

こいつは常に起動しておくように指示されていて、常時僕の居場所を検知します。(間違ってアプリを落とすと、すぐに通知が来るらしい。怖くて試すことはできませんが)

↓「位置情報、ずっと見てるからなー」とアプリが教えてくれている

画像7

このアプリの登録が完了した後に、労働省から居場所確認の電話がかかってきたり、滞在費の請求がきたりしたので、アプリ登録が労働省のデータベースへの個人登録が確定する、という運用フローなんじゃないかと思います。

というわけで、Day 3以降はホテルに2回・アプリで3回の合計5回、体温を誰かに報告するという生活を送っています。

たいてい36.2℃、コーヒーを飲んだ後だと36.4℃、冷房を強めすぎると36.0℃になる、という身体であることがわかってきました。

そして、起床後・シャワー後、など少しでもスマホから離れるタイミングがあろうものならもちろんのこと、定期的にあらゆるコンタクトツールを総ざらいにチェックする、という生活が続きます。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?