「諦めの悪さ」を教えてくれた物語
「もう無理」
生きていると、こう思うときがある。直近で私の心が折れたのは、コンテストに応募した小説が落選したときだ。半年もの時間をかけて書き上げた小説が無に帰すのは、ショックが大きい。子どもの頃から追いかけ続けている作家になるという夢を、私はもう諦めるべきなんだろうか……。
落ち込んだ私の心を支えてくれるのは、いつも『テニスの王子様(以下テニプリ)』だった。テニプリは、中学校のテニス部を舞台にしたスポーツ漫画だ。試合に負けた選手が這い上がっていく様が描かれているから、何度