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引越し

新潟から、引越し業者に頼んでいた荷物が届いた。
ベッドや衣装ケース、机、イス、小物や本が入った段ボールが数個。2階の私の部屋までお兄さんがヒョイヒョイ運んでくれる。
積み込みの時も、下ろす時も、ベテランなのだろうな〜という二人組だった。少ない言葉で役割分担をして、テキパキ動いていた。30分ほどで作業は終わる。母がお茶でも飲んでくださいと千円札を封筒に入れて渡すも、お客様!いけません!ときっぱり断られた。お茶にすればよかったねと反省をした。

私の部屋は、高校生まで使っていた部屋ではなく、隣の少し広い方になった。小さい頃は家族みんなんの寝室だったり、両親の寝室になったり、最近は週末単身赴任先から帰ってくる父の寝室になったりしている部屋だ。一人の部屋になるにはなんだか広く、見慣れた実家の部屋のはずなのにまだ慣れていない。ベッドを父が組み立ててくれて、そこからは一人で荷解きをした。新潟の一人暮らしの部屋にあった物が、実家になるのはなんだか面白く不思議な気持ちになった。
服をクローゼットに入れて、衣装ケースの配置に悩んだ。使いづらかったらまた変えればいいやと思い、途中で諦めた。
窓側に机と椅子を置いた。机の隣には、今までキッチンで使っていたローラーのついた台を並べた。机と台の高さが同じでちょっと嬉しくなる。
電池を抜いていた電波時計に電池を入れ直すと、勝手に針が動く。秒針が一周すると長い針たちが時刻のところでピタッと止まる。
本棚は全て捨ててしまったので、本はまだ段ボールの中だ。風を通した方がいいのかな、明日には段ボールから出してみようか。
全身鏡をクローゼットの隣に置く。ついでに綺麗に拭いてみる。
長く使っている家具は、ベッドと全身鏡くらいになった。実家から持っていった学習机、本棚などは無くなった。
いろいろ落ち着いたらIKEAにでも行って、本棚とラグ、照明が欲しい。友達と行こうかと思ったけど、母がまだIKEAに行った事がないというので、一緒に仙台まで行こうと話をした。

部屋どうするか考えるのはあまり得意じゃないけど楽しいものだ。今は広いと感じる部屋も一年も経てば物がいっぱいになるだろう。同時に、実家にはどれくらいいるのだろうかと考える。もう一人暮らしはいいやと思ってるけど、案外一年後にはまた一人暮らしを選んでいるかもしれない。わからないことばっかりだ。


次の日、役場に住民票を移す手続きに行った。銀行と警察署(免許の住所を変えるため)も回って、マイナンバーのおかけですぐに終わった。
母が風邪でダウンしていたため一人で休んだ方が気軽だろうなと思い、一人で買い物に行くことにした。地元の大きなイオン。地方あるあるの通り、本当にでかい。平日だけどそれなりに人がいて、あ〜春休みかと気がつく。

車の中で、聞きそびれていたラジオを聴いていた。ポッドキャスト「となりの雑談」を聞きながら、これから先「人生ってさ…」と気軽に?話せるような友達が近くにできるだろうかと考えた。新潟にはそんな話が日常的にできる人がたくさんいて、むしろそんな話しかしていないような時があったけど、岩手ではどうだろうか。すぐにはできないだろうけど、とりあえず私には「となりの雑談」があるから大丈夫だろうと思った。そんな話がしたくなったら新潟の友達に連絡すればいい。すぐに連絡が取れる時代に万歳だというところに終着した。

美容院の予約をした。どこに行けばいいのかわからないと母に嘆いていたけど、買い物に行く時に良さそうな美容院を見かけた。調べてみたら、コンセプトも価格帯も良さそうだったので予約した。4月になる前に、少し軽くしてもらおう。


さまざまな手続きをしたり、新しい美容院を探したり、引越しらしいことをしている。引越したんだね〜と私が私に言う。曇り空に、岩手山が浮かんでいる。





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