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パーマからストレートに。

一昨年から髪を伸ばし始めた。
5年間くらいワンレンのショートカットで、うなじはバリカンで剃っているほど短かった。
伸ばし始めた理由は、石原さとみみたいなパーマをかけたいと思ったからだ。
石原さとみ……あの人はどんな髪型だって似合うし、憧れるのもおこがましいほどの美人なことはわかっている。
私だって、石原さとみになりたいわけじゃない。なれるとなんて思ってもない。
でも、SNSで見たゆるふわパーマの石原さとみが可愛くて仕方なかった。私の髪はかなりしっかりとした質感で、ゆるふわとは無縁だしパーマもかけたことはない。カラーは何回かしているけど、ここ数年はカラーもしていなかった。短い髪型はラクで似合っていてちょうどいいんだけど、ちょうど飽きたところでもあった。

いつも行っている美容院で石原さとみの写真を見せた。こんな感じでパーマをかけたいんですけど・・・と相談すると、一年くらい伸ばせばいい感じにパーマかけれると思うよと言われた。
それならば!伸ばします!と私は美容院で宣言した。

髪はどんどん伸びていき、会う人会う人に伸びたね〜〜と言われた。ワンレンだった前髪を切ったりして、伸ばしている期間も少しの変化を楽しんだ。
そして、2023年の8月ついにパーマをかけた。
美容院でセットしてもらい、鏡を見るとゆるふわの私がいた。これだ!!と思った。私が行く美容院はいつも私の思った通りにしてくれる。大好き・・・あなたの技術を信じています・・・と改めて思った。

パーマをかけて、ルンルン気分で帰宅した。何度も洗面台の鏡を見て、ニヤニヤした。次の日職場で、パーマを褒められた。いい感じだねと言われて、またニヤニヤした。
その次の日、自分でセットしてみた。すると、あれ?こんな感じだっけ?となる。
あれ?もっとくるくるしてなかったっけ?
あれ?と思いながら職場に行く。
職場の人にも「あれ?」と言われる。「あれ?パーマ取れちゃった?」
え!!取れてないです!!・・・取れてないはずです。
仕事中、トイレに行って鏡を見るたびに、こんなだっけ?と思う。それから、私の検索履歴は「パーマ セットの仕方」で埋め尽くされる。ムースをつけたり、オイルをつけたり、セットのために朝に髪を洗うようになったり、顔にいろいろつけた髪がくっつくのが嫌でイライラしたり。
お金も時間もかけてパーマをかけたのに、思った通りにいかない。パーマのことを考えるとちょっと落ち込むような毎日になった。

パーマをかけて2ヶ月後、妹が東京から遊びに来た。パーマに悩み、パーマのために朝シャワーを浴びる私を見て「パーマに振り回されてるじゃん」と言われた。
その通り過ぎて私は笑い転げた。ほんとそう!!ヒーヒーしながら笑った。

それから、あまりパーマのことを考えないようになった。職場では髪を結び、遊びに行くときはちょっとムースをつけるけど「もうパーマ落ちてきちゃったんだよね〜〜」という言い訳をマスターした。

そして、2024年2月、私は縮毛矯正をかけた。
もともと髪に癖はあまりないので、ボリュームを抑えて、艶を出したいとオーダーした。髪質改善などいろんな方法があるけど、いつも行っている美容院でできることは縮毛矯正だった。
縮毛矯正の中ではかなり軽くかけてくれたんだと思う。結果、自然な感じでボリュームがおさまって艶が出たので大満足している。
カットも20センチくらいした。頭が軽くなる。朝起きで髪があっちこっち動いてることがない。アウターを着ても邪魔にならない。ラクだ、ラクで仕方ない。

ストレートをかけるまで、葛藤があった。
母や妹にすすめられて、でもそれが嫌で(今の髪型が似合ってないってこと?!てなり)もやもやした。
インスタを見ていてかわいいなと思うのは、ふわふわのくるくるパーマだった。本当はまだくるくるに未練がある。なんで私は、私のなりたい容姿になれないのだろうと28歳にもなって落ち込む。パーマをかけて嬉しかった日、全然セットできなくてショックだった日、今のゆるいパーマも可愛いけどねと友達の言葉に励まされた日。いろいろと思い出す。経験したからわかったことだなと思う。私はチャレンジしたんだ!と前を向きたい。

結局ストレートになって、ラクになって、今の私にはこれでよいのだろうなと落ち着いた。

好きな髪型、似合う髪型、ラクな髪型、流行りの髪型。いろいろある。服もメイクも一緒、たくさんある。
気分で決めればいいだけだし、どれも楽しめれば1番だ。でも、好きと似合うが一致しない時どうしたらいいのだろう。今でもわからない、似合うが何かもわかっていない。
パーソナルカラー、骨格診断、自分を解析するものはたくさんある。それらは全て客観視だなと思う。他者からどう見えるかを知る術だ。でも、それを「自分を知る」とは言いたくない。おしゃれは自分を知るところから?なんだそりゃ。
自分を知ることは、自分の内面と向き合うことだ。私は何が欲しい?何を着たい?どんな髪型がいい?それと向き合うことだ。客観的に見て、私はこの型で、これが似合うから〜〜は自分を知るなんかじゃない。他者評価にずっと振り回されてるだけだ。パーソナルカラーと骨格診断の話をされるといつも思うし、いつも謎の怒りが出てくる。そんなものに決められてたまるか、とけっこう本気で思う。

似合うか似合わないかわからないけれど、日々を生きる中ですこしでも楽しい気持ちになる服や髪型を身にまといたい。
石原さとみのゆるふわに憧れた私も私だし、ラクな方がいいと思う私も私だ。

今日の私も!いい感じじゃん!と自分を励ましていきたい。


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