【詩】伝言
プロパンガスのネズミ色
油で黒光った大きな鉄板
一日限りの出店の焼きそば
こんな住宅街の裏道で
文化祭なんてあるわけないのに
夕暮れの
外の空気はただよう
ぎこちない秋のリクルートメイク
あなたのこういうとこが好き
わたしは伝えたいことを恥ずかしげもなく口にする
それがわたしにはあたりまえのことだった
よくはずかしくないね
いえいえ、あなたが言葉少ななだけ
歩けば歩くほど
こんこんと
多彩な味の言葉が湧く
もしもわたしがあなたなら
きっとこれだけは口にしただろう
どうかナルシストにならないで
ロマンチストのままでいて
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