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あるあるだから、気にしなさんな。

 買い物をしていたら、空いていた手を何かに握られました。
 驚いたのですが、感触で小さな手だとわかったので、そっと振り替えると驚愕の顔をした幼稚園児くらいの男の子でした。
 ごめん、私は君のお母さんではないぞ…。男の子の驚きは、みるみる不安へ変わったようで、涙が決壊寸前です。こうなったら声をかけるのも笑顔を見せるのも決壊を促すことにしかなりません。
 木石になるべく息をころしていると、お母さんが通りがかったようで、男の子はダッシュでお母さんのところへ行き、おしりにパンチをしていました。おーい、お母さんは悪くないぞー。
 お母さんは慣れているのか、そのまま商品を選んでいます。
 なんだか、かわいくて、おかしくて、誰かに聞いてほしくなってしまいまして。
 小さい手の感触、ちょっと嬉しいお福分けをもらった気分です。「おすそわけ」とか「つまらないものですが」とか、気にならぬ方なのですが、あれは正に「お福」でした。

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