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ジジじゆう研究

 珍しく父が缶コーヒーを飲んでいました。コンビニコーヒーが発売されてから、普段は、そちらを愛飲しているのです。
 
 ふと、子どもの頃の光景を思い出しました。
 まだ父が古巣の鉄工所で働いていたころ、夏休みに遊びに来てもよいと言われたのでウキウキ父親参観に行きました。
 3時になり缶コーヒーとタバコで休憩するオジジ達。分煙なんて概念もありませんから煙で輪っかを作ってもらったり、ジュースをもらったりして、かまってもらっていました。
 ジュースを飲み終わると「来てごらん。」と父にゴミ箱のところに呼ばれました。
 「缶をここに入れて。」と言われ、機械にに空き缶を入れました。どうやら油圧の部品を使って試みに空き缶潰し器を作ったようなのです。空き缶はゆっくりと、ものの見事にぺちゃんこになりました。
 オーーと歓声を上げると、後から来たオジジが「遅くってなぁ。」と言いながら缶をゴミ箱に捨てて行きました。捨てる前に缶を素手でグイっと潰してから。飲んでいたのはコーヒー。鉄缶です。
 よく見れば、ゴミ箱の中は人為的に潰された不揃いの鉄缶に満たされています。握力・・(汗)。

 みんな、まだ若かったから力持ちだったねぇと父に話しかけると、父の手には潰れた空き缶が・・。だから握力・・・(汗)。

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夏の思い出

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