なぜ『天気の子』は、全ての「選択」を「祝福」するのか?

【『天気の子』/新海誠監督】

3年前、僕が『君の名は。』を観て泣いた理由は、大きく2つある。

1つは、あの作品が放つ肯定のメッセージだ。

《運命は、運命を変えられる。》

運命は、単に受け入れるだけのものではない。「運命の赤い糸」をテーマにした恋愛映画は数あれど、こんなにも力強い確信を誇る作品に、それまで出会ったことがなかった。僕が受け取ったこのメッセージは、公開から何年経っても色褪せること

もっとみる
最後までお読み頂きありがとうございます。とても励みになります!
6

7月の井の頭公園

7月中旬の井の頭公園をエモさに導びかれるままぶらつきなどしていると、ふいに懐かしさを伴って感慨が溢れ出てくる。

例えば、自分は本当に後悔していないのかなど。

高校生の頃、初めての彼女ができた。自分が部長をやっていた部活の、彼女は副部長だった。少し変わった部活で、運動部と文化部の間を取ったような活動内容に加え、顧問の先生はミーティングや大会など重要ごとにしか顔を出さず、普段のメニューはほどんど部

もっとみる

旅先の京都で彼女と大喧嘩をして持て余したので仕方が無くナンパをした

連休を利用して祇園祭りへと京都へ脚を運んだ。
長距離運転が苦にならない僕にとってもう一つ楽しみとして、
クルマのタイヤをブリジストンのポテンザからミシュランのパイロットスポーツに履き替えたばかりで走りを試すにも絶好の機会だ。

2日目の夜。
食事を済ませて河原町から五条のホテルまでの帰り道、
気の強い彼女といつものように口論になる。
合理的なことは良いと思うが時にそれが過ぎるというか、実も蓋も

もっとみる

ジャマイカのタクシー運転手

夏が来ると、ふとジャマイカで乗ったタクシーの運転手を思い出すことがある。以前仕事でジャマイカに行ったときの話だ。ジャマイカにはボブ・マーリーゆかりのスタジオがあるのだが、ミュージシャンの知り合いがそこを使ってレコーディングをするというので、取材を兼ねて同行した。仕事のフリをした南国の旅を決め込んだわけだ。

レコーディングは予定より早めに終了して、数日の予備日はせっかくだからリゾート気分を満喫しよ

もっとみる

令和の夏に、昭和の浴衣。

昨日は こどもたち二人とも
保育園での夏まつりの日だった。

先週、わたしと3人で
お祭りに行ったときは
浴衣を着せてあげられなかったから

今日は二人とも、浴衣での参加。

また お気に入りの この鉄道を使って。

昭和感の漂う 駅と
昭和感の漂う 浴衣。

まさか、
今が 平成の次の令和だとは
思えない 写真だ。

そう。
この浴衣は わたしと弟が
小さい頃に着ていた 浴衣だ。

母が大事にと

もっとみる

雨の降る中、自転車飛ばして君に会いに行った

昨晩、珍しく息子が机に向かっていた。宿題なんてするわけがない。何をしているのか、何となくすぐに分かった。

「手紙書いてるの?」

そう尋ねると、息子は「なんで分かったの?」という顔をしながら頷いた。

終業式の日、隣の席の女の子から手紙をもらったという。ピンク色の封筒の中、ピカチュウのかわいい便せんに、大きくて拙い字で息子に宛てた言葉が並んでいた。夏休みに遊べる日にちと時間、そして、「もし遊べた

もっとみる

好きだった人にいっそ嫌いと言ってもらいたい

今更わかったこと。今更わかったところで、わからなかったに等しいのに。

中学時代の同級生と7年ぶりに集った。
集ったメンバーの中には、高校の頃に付き合っていた彼もいた。
成人式にも少し会ったのだけど、その時はちゃんと話せず、
この時にやっと久しぶりに昔みたいに話せた。

私の中にはずっと解けない謎があって、何で彼と別れてしまったのか、両片思いで結構長いあいだ思いあい続けてきたのに、何で付き合ってか

もっとみる

『サマーウォーズ』が描く「未来」は、なぜ「懐かしい」のか?

夏を題材にした映画は多いけれど、スクリーンから「夏の匂い」を感じさせる映画は稀である。

そして、その数少ない「夏映画」の一つが、細田守監督の初の長編オリジナル作品『サマーウォーズ』だ。

「日常」のささやかな尊さと、

「非日常」のドラマチックな躍動感。

運命的な共同体としての「家族」の絆。

否応もなく訪れる「死」と、

その哀しみを乗り越えていく「祝祭」の儀。

隠し切れない戸惑い、振り絞

もっとみる
最後までお読み頂きありがとうございます。とても励みになります!
18

夏はまだ

今年の夏はどうやらぼやぼやしてるみたいで、

紫陽花は枯れかけているし、

せっかくの恋バナだって盛り上がらないし、

あの人と行く花火だって、気にするのは天気ばかり。
どうせなら、向日葵の柄か金魚の柄にするかで悩ませてよ。

僕らが待ち望む、

夏はまだ。

written by : 美波すみれ

※ここに書いてある文章はフィクションです。

もっとみる