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刺さずに撫でる 芝蘭@神楽坂

いやあ、都心部のさ、こういう坂って良いよね。

この近く、新宿区払方町は引越し先の最終候補3つのうちの1つだったんだよなあ。場所は文句なしだったが、建物が散文的だった。私は現在の住居であるpoeticな建物を選んだ。都心でpoeticな建物だと、私には家賃が払えない。しかしあらためてこの界隈を歩いていると、ちょっともったいなかったかなとも思う。払方町の方が、実は家賃が4000円ほど安かった。

しかし神楽坂とは見事なところだ。起伏も隘路の入り組み具合も絶妙だな。そしてどの店も美味そうに見える。


「芝蘭」に入り、「頂点麻婆豆腐」を注文したら、「一番辛いものですね」と店員の方に確認され、え?聞いていない、と思った。メニューにはそんなことは書いていない。ただ頂点とあるだけだ。


辛いのは困るんですよね。何回か言っているが、量が多いのは別に構わない。完食が無理なら自分の意思で途中で降りることも可能だ。だが辛いのは、一口目でいきなりgive upだって考えられる。ううむ、しかし今更訂正できない。


実際には確かに辛いが、私が恐れていた下卑てsadisticな辛さでは全然なかった。店を出たあとも、飯田橋駅まで数分の道のりの口中で心地よく後を惹き、総武線で新宿駅にたどり着く前には未練を残さず消えてしまうような、全く爽やかな辛さであった。全然刺さらない、むしろ撫でられているような辛さ。

辛さを感じぬうちにと急いで食べてしまったのは良くなったな。次はもっとゆっくりしようか。

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