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中小企業診断士と弁理士

私と弁理士さんとの関わり

私は協会で他士業連携を担当している中で、飛び飛びですが、合計4年ぐらい絡んでいます。

日本弁理士会さんと診断協会が平成26年に連携協定をしており、その流れで何かしようということの対応をしていました。

初回の2年はお互いの仕事を知ることに費やしたというのが正直なところです。
次の2年では、正直、連携といっても難しいので、共同論文を作ろうということで動くことになりました。

お互いにとって面白いテーマになるところということで、『地域ブランド活用支援』というものでした。

でき上がった論文は弁理士さんの雑誌:月間パテントというのにも載せて頂いています。(無料でご覧いただけます。)

https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4102

また、上記の論文のネタを使って、弁理士会さんの研修で1時間程度お話をさせて頂いたこともあります。

それ以外にも行政の補助関係のことで、関わったこともあったりします。

中小企業診断士と弁理士は全然違う

検索してみると

中小企業診断士と弁理士で検索するとサジェストで「中小企業診断士 弁理士 どっち」というのが一番最初に出てきます。

資格取得を目指している人が、検索するんだと思いますが、全く違う仕事なので、比較対象にもならないと思うのが現場の感覚です。

まぁ、どっちと検索されるぐらい診断士の注目度が上がっているんだなということはプラスに考えます。

お客さんが違う・話す相手が違う

弁理士さんのお客さんは9割が大企業です。そのため、お話しするのも知財部だったり、開発部だったりという感じで、従業員の方が中心になります。

診断士のお客さんは9割が中小企業です。お話しするのは基本、経営者です。経理担当だったりすることはありますけど、役員の場合が多いです。

範囲が違う・作るものが違う

弁理士さんは知財専門なので、知財に特化しています。特許とか商標ですね。最終的な成果物も出願という手続きなので、ゴールも明確です。

診断士は範囲が決まっていません。経営なので、何から何まで、つまり全部です。知財をどう活用するかということだって、診断士にとっては仕事の範疇です。最終的な成果物の形も全く決まっていません。

実際に商標の出願をしたいという相談を受けて、関係の中で知り合った弁理士さんを紹介したこともありますし。

物事への考え方が違う

弁理士さんの考え方はやはり特許・商標が中心にあります。加えて、どう取得したかという手続きだったり、権利の部分がメインになります。

診断士は人によって違います。私なんかはどう儲けるか、お客さんはどう思うか、他の会社はどう使っているか、というようなマーケティングよりの考えが主になってしまいます。他の診断士はまた違いますしね。

これは論文作成の調査時に集めてくる情報だったり、ヒアリングのポイントが全然違ったことでよくわかります。

バックグラウンドが違う

弁理士さんは理系の研究職・開発職だったという方が非常に多いです。それも製造業の大企業で勤められている方ばかりです。化学とか機械とか分野の違いはありますけど。あと、学歴も非常に高いです。

診断士はバックグラウンドが全くそろいません。業種も、規模も、学歴も様々です。「製造業出身者もいますよ。」程度の話です。

弁理士さんはすごいけど・・・

弁理士さんはやっぱり慣れているのもあるのか、一緒にさせて頂いた方が優れているのかわかりませんが、論文をきれいに整えて頂けて、すごいと尊敬しています。

皆さん理論派ですし、話をしていても頭の良さを強く感じます。

ただ、業界的には厳しい状況のようで、志願者数も右肩下がりが続いているみたいです。(直近は下げ止まっていますが・・・)

メーカーも社内に弁理士を雇っているので、価格のたたき合いで昔ほどは稼げないと聞きました。ただ、昔の稼ぎはすごかったみたいです。

規制緩和で人数が増えたことも稼げなくなった理由の一つのようで、小泉政権が悪いというのを聞くたびに、独占業務があっても大変だよなぁと感じていました。

この記事を書いた理由

士業比較の記事は書きたいと思っていて、思い出して書きました。facebookで名前を見ただけなんですが・・・

診断士と弁理士は士業というくくりでも、一番遠い存在な気がします。それでも弁理士と診断士のダブルライセンスを取っている人もいたりします。

診断士と弁理士のお互いがもっと知り合えるきっかけが増えればいいとは思いますが、正直なところ、コラボはかなり難しいと感じています。

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