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中小企業診断士の収入、年収

中小企業診断士の資格を取ったら、次に気になるのはやっぱり独立診断士の収入とか年収のことですよね。

何度もセミナーなどで話はしていますが、
WEB上にはプロコンでやっている人の情報がほとんどないので、リアルな診断士の年収について、説明します。

診断協会が発表している統計の数字

診断協会が実施した年収のアンケート結果は以下となっています。

図表:コンサルティング業務の年間売上(稼働100日以上)
出典:(一社)中小企業診断協会HP「https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf」より抜粋

一番のボリュームゾーンは501~800万円です。
二つ目のボリュームゾーンが1001万円~1500万円です。
三つ目のボリュームゾーンが300万円以内です。

三つのピークがあるのはプロコンで現場にいると、非常に納得できます。

診断士の稼ぎはこの数字の通りだと思ってもらって間違いないです。ただ、稼ぎに合わせて働き方が違うということを理解してもらうとわかりやすいです。

中小企業診断士(独立)の収入の仕組み

中小企業診断士は基本的に自分が動くことになります。補助者に仕事をさせることは中々難しいです。経営コンサルは模倣が難しいですし。

そのため、収入は自分の時間単価×時間数になります。

一般的な日本人の勤務時間は大体2000時間です。
時間単価5000円なら1000万円、時間単価1万円なら2000万円となります。

ただ、独立して一人でやる場合は営業活動もしなければいけませんし、お付き合いの時間ももちろんあります。事務作業ももちろん自分です。

収入を得られる時間数はどんどん減っていくので、稼ぎももちろん削られていきます。

中小企業診断士の労働時間

実際に独立している人が2000時間しか働いていないかというとそんなことはなくて、私で多分2500~3000時間は働いていると思います。

窓口支援とも呼ばれる、公的機関などに勤務すると1日8時間などで勤務することになります。窓口だけやっていると働く時間は少なくなりますけど、コンサル業務を増やしていくと青天井で仕事時間が伸びていきます。

繁忙期には夜中2時まで仕事をするというのも普通にありますし。

独立しちゃうと仕事と遊びの境がなくなるので、働いている時間というのも意識していないのが実際のところですが。

ボリュームゾーン1(501万円~800万円)の働き方

このゾーンは窓口支援を中心にしている人です。

窓口支援は基本的に時間単価が3,000円~4,000円です。中には6,500円ぐらいの高単価のものもありますけど。

一日の稼ぎが25,000円~30,000円で200日~250日稼働なので、大体500万円~800万円になるという形です。

窓口支援の人材は都会では奪い合いですが、地方だと引く手あまただと聞いています。
最近は中小企業診断士が増えてきたので、競争は出ているでしょうけど。

一つの支援機関で働くのは週2~3回が一般的ではありますが、複数の支援機関から委嘱を受けて週4~5回働いているという人も一杯います。

ボリュームゾーン2(1001万円~1500万円)の働き方

このゾーンはコンサル業務を中心にしている人が多いです。

コンサル業務は時間単価が10,000円~20,000円の人が一番多いです。
顧問料だと月額100,000円程度ですね。

1回(1日)の稼ぎが50,000円~80,000円ぐらいになると思います。
ただ、準備や移動時間などもあるので、単価はそこまで上がりません。

また、毎日コンサルをするというのは準備時間もあるので、かなり難しいです。月間10回~15回が適切なラインです。これを超えると土日も働くしかなくなってきます。

加えて、コンサル業務は1社との付き合いが長くなりやすいですが、永遠に続くわけではないので、営業活動に時間を割く必要もあります。
プロジェクト型の支援をしていると、期間で終わりが見えますし。

モデルケース的には
100,000円×10回/月=1,000,000円→年収1200万円になります。
(顧問10社は相当大変ですけど。)

他にも売れっ子セミナー講師なんかもこのゾーンに入ってきます。
1回のセミナー料金10万円~20万円で年間100回以上する人もいます。

エージェントと契約して、セミナー商品を作っている人ですね。

30代~50代で本気で頑張っている人はここのゾーンは目指せる部分です。

ボリュームゾーン3(300万円以内)の働き方

このゾーンは年金診断士、定年独立の方がほとんどです。

100日稼働すると普通は300万円以下にはならないです。
コンサルティング日数のとらえ方が違うかもしれません。
定年して年金をもらっている方はそこまで稼ぐ必要もないですし。

定年してから独立される方の傾向として
全般的な経営コンサルティング能力は比較的弱くて、
サラリーマン時代に培った能力の特化型の方が多いです。
窓口支援などで力を発揮される方もいらっしゃいます。

ただ、特化型になるとピンポイントで合う仕事になってくるので、仕事の数は多くないのもあって、年収としては上がりにくいのだと思います。

中小企業診断士の年収の壁

800万円の壁

窓口を主体で仕事をしていると、800万円の壁は超えにくいです。土日祝があるので、年間の稼働は230日が限界になってきます。

230日×30,000円だと690万円、スポットの業務をいくつか実施しても、平日が潰れているので、営業活動が困難ですし、稼働にも制限が出るので、100万円程度足すのが精一杯です。

1500万円の壁

コンサル業務中心でも1500万円は非常に大きい壁になります。
稼働時間に限界がありますし、1社あたりのフィーも10万円を超えるのはハードルになることが多いです。

時間単価10,000円で1500時間稼働は相当大変です。
10,000円の価値を提供するというのもプレッシャーですし。

そもそも1500時間のコンサルティング業務は超ハードです。本気でやっていると2時間の会議でも、資料作成でもクタクタになります。
それに、案件獲得のための時間もかかりますし。

壁を超えるために

壁を越えている人は単価を上げている方や補助者を使っている方が多いです。補助者を使うのは難しいなぁと常に思っていますが、上手にできているんだと思います。

それと補助金支援をたくさんしている人は1500万円の壁を悠々超えていると聞いています。効率性と案件によっては時間単価が50,000円を超えることも珍しくないようです。補助者も使いやすいみたいですし。

じゃぁ、お前はどうかと言われると・・・1500万円の壁は強く感じています。という回答でとどめておきます。実名で書いていますし、やっぱりWEBですしね。

収入があればいいか?

収入があっても、あんまり忙しいのは良くないと私は感じています。800万円が幸福の限界点というのも分かる気がします。

もちろん、稼げるのはうれしいですが、新しい仕事をしたいというのが最近感じていることですね。
独立するような人は飽き性なところが強かったりしますし。

そして収入に関しても、診断士は普通の生活者の目線を持っていることや、ケチな感覚が仕事で必要なので、濡れ手で粟は良くないと思っているところもありますけど。

まとめ

中小企業診断士の収入について理解が深まったでしょうか。
(よかったらスキを押していってもらえると嬉しいです。)

診断士は稼げる仕事(士業)ではあると思います。

それでも、弁護士さん、税理士さんに比べると天井が低いので、大儲けしたい人には向かないかもしれません。

そして、決まった形がないので、能力差がとんでもないですし、経営環境が変わり続けるので、勉強が常に必要になります。楽には稼げないです。

それでも中小企業診断士の仕事が面白そうという人は、企業支援の仲間になってもらえると嬉しいです。

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