見出し画像

ハスクバーナの新型401

先日、ハスクバーナ世田谷店で新しくなった401シリーズを見てきました。

VITPILEN 401

従兄弟モデルであるKTM 390 DUKEがフルモデルチェンジしたので、そろそろ出ることは分かっていたし、先行してスパイフォトも出回ってたので特に新しい驚きはありません。

試乗車はなく、跨って左右に振ってみたり、細かいところまで見ただけです。
仮に試乗車があっても、お店の周りを法定速度で走ったって音ぐらいしか分からないので得るものはあまり変わらないかもしれません。

ぼくは旧型Vitpilen 401のオーナーだったので、この車種に対しては大きな関心を持ってます。
いくつか思ったことなど感想を書いていきたいと思います。

その前に前提としてVIT/SVART 401はKTMの390 DUKEとコンポーネントが共通だと理解して下さい。
フレーム・フォーク・エンジン、バイクが動く上で大事なところはDUKEと同じ、主に外装を変えて別のキャラクターを持たせてます。

新旧、最大の違いはフレームです。

KTMのスモールDUKEシリーズは2011年に125ccで始まりました。
当時は200も390もありません。
125のフレームに後から200(2012年)390(2014年)と大きくなったエンジンを載せたんですね。

それが良いとか悪いとかではなくそういう進化をしてきたということです。

125cc用のフレームに載せた400と、最初から400を前提に設計した最新のフレームの違い、これは大きいと勝手に期待してます。
今回初めて390は890シリーズと同じく独立した世界観を持つんだなとも思いました。

これはDUKEとフレームを共通にするVIT/SVART 401も同様です。
旧型でよくベストバランスだと言われたのはSvartpilen 250で、やっぱりそういう事なのかなあと思ったりします。

前述の通り走らせていないので想像するしかありません。
でもKTMの最新のフレームが13年前の旧型より良くないってことはないと思っていて、ここは今回のモデルチェンジで最も期待の大きなところです。

細かいデザインの部分は個人的な好みなのであまり言うことはありません。
製品のマーケティング視点で言えば、新型のターゲットは常に「旧型を買わなかった人」ですからいわゆる正常進化なんでしょう。

ただぼくが気になるのはVIT/SVARTの立ち位置です。

DUKEをファミリーの中央に据えながら、VIT/SVARTを選ぶ人達は「DUKEじゃないもの」を求めています。
旧型はそこに強烈な個性がありました。

ぼくが旧型Vitpilen 401を買った時の印象はこうです。

  • 軽くて

  • 速くて

  • オシャレで

  • お値段優しめ

この「オシャレで」の部分が実は幅広く意味を持っていて、平たく言うと他の人が乗ってるバイクとは違うと言う満足感なんです。

好きなファッションや行きつけのカフェを選ぶのと同じで、自分のライフスタイルを主張する道具としての存在感。
それが主張できる珍しいタイプのバイクがVIT/SVARTだったと思ってます。
ただ優れたバイクならDUKEでいいわけですからね。

その意味の存在感は旧型より薄まった気がします。
自分を彩るアクセサリー的な存在ではなく、もっとバイクバイクした感じが強いというか。

旧型のVIT/SVARTが出た当時はライフスタイルを主張するバイクって自分でカスタムしたカフェレーサーやスクランブラーだったりしました。

もちろん普通の人がバイクを鬼カスタムするのは大変な労力です。
だからVIT/SVARTの存在ってすごくスタンドアウトして見えたんですね。

細かい部分一つ一つではなく、その存在意義がカッコよかった。
別にストリートファイター風が悪いとは言わないけど、ちょっと立ち位置は変わっちゃったかなという感じ。

ここ最近、色んな海外メーカーが125/250クラスに「センスと言う名の付加価値」を引っ提げて参入してます。馬力どうこうじゃなくカッコいいでしょ?と。

ぼくはこの分野の先駆者はVIT/SVARTだと思ってるので、路線を変えちゃうと勿体ない気がします。

余談ですがデザインというのは不思議なもので「慣れ」の要素が実は大きい。
毎日新旧を並べて見ているお店の人に聞いてみると、最初は「ん?」と思ったけどもう慣れちゃって「これでいい」と思ってる、とのこと。

こうして並べてみると旧型にはちょっと懐かしさを感じますね。
人間の心理には色んなバイアスが働くものです。

さて、眺めて跨って触ってみて。

● 軽いか?
軽いですね、旧型と乗り比べて左右に振っても軽いと思う。

● 速いか?
不明。
乗った店員に訊くと全域で旧型よりも速いそうです。
ただし特定の回転域でのパンチは旧型の方が感じるんだとか。

● カッコいいか?
普通にカッコいいと思いますが、カスタムバイク感が薄れましたね。

● 欲しいか?
停める場所があれば欲しいですね。
新型はパイロンコースで速そうな予感がビンビンします。ポジションでわかる。

● 乗り換えるか?
それはないです。もうじき出てくる801の方が興味あります。

● VITかSVARTか?
ぼくならVITです。ロードタイヤとキャストホイールが決め手。あと色。
グラベルを考えるならKTMのNEW 390 Enduroに心が動きます。

バイク免許取り立ての人に相談された時、ぼくはずっとSvartpilen 250を推めてました。
素性が優れたバイクだと思うからです。
401を推めないのは高回転型エンジンだからで、おもしろいけど遊び尽くすには腕も経験も要りますから。

なんでも新型の401は低回転がいいらしいですよ。
旧型は発進時のエンストがよく取り沙汰された(意外!)そうですが、新型はそれがないんだとか。
回るシングルなのに低回転がいいってどういう感じ?
うーん、箱根のバイパラ辺りで試乗会してくれませんかねえ。
あの辺を30分ほど監視なしで走らせてくれたら知りたいことが全部分かるのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?