見出し画像

大都市の早朝ライド

バイクの大敵ってなんでしょう?
色々あるけどみんなが大嫌いなのは渋滞じゃないでしょうか。

渋滞って各エリアで温度差がありますよね。
ぼくは東京と横浜に挟まれた川崎がベースなので、渋滞のやばさレベルは全方位「高め」です。

首都圏の渋滞は慢性的で車の数が多すぎるのが原因です。
同じ時間帯に同じ場所が同じように混んでる。
迂回路はなく(あってもそこも渋滞)事故や工事が原因じゃないので諦めるしかないやつです。

うんざりしながらもそこを通らないと目的地に行けない。
動かない車列から前を見ると無数の信号があり、それぞれの脇道から更に車が合流してくる光景が。もうくらくらします。

ところがこれ「自然渋滞」なので時間帯をずらせば驚くほど空いてたりするんです。
そう、みんなが活動しない時間帯なら空いてる。
例えば深夜から早朝にかけて。

混んでることがあまりにも当たり前だと空いてることが異常です。
いつも死ぬほど渋滞してる道を颯爽と駆け抜けるとそれはもうちょっとした異世界体験です。

すごくおもしろい。
このためだけに早起きして出かける価値があると思う。

バイクってほら、移動のためだけの道具じゃないですよね。
体験の道具でもある。だからわざわざバイクで旅をしたりするんですもんね。
この非日常体験は車よりもバイクの方が実感が大きいと思います。

ぼくの経験だと夜よりも朝の方が感動が大きい。
夜はやっぱり暗いから街の全容が見えない(ネオンはまた別の良さがありますが)し、明るいと目から入ってくる情報が圧倒的に多いですからね。

全面ガラスの巨大なビルに反射する朝日に目を細めたり、6車線道路の交差点の大きさに驚いたりしてます。
普段じっくり見ることってないから新鮮ですよね

渋谷のスクランブル交差点の信号待ちがたまたま自分一人だけだったりすると意味もなくぐっときます。
映画「バニラ・スカイ」でのワンシーンを思い出したりして。

首都圏に限らず、大都市にはこの体験を楽しいと知ってるライダーさんが多くいて、夏の間は「朝活」と称して街を走り回っていると思います。

これを書いている今、もう秋口なので夏の朝活の旬は過ぎちゃいました。
日の出から朝の車が混みだすまでが勝負なので、日が長い季節が動きやすいです。
それでもね、時間は短いけどルートを選べばまだまだ楽しめます。

夏の間は闇雲に都内を走り回って楽しんでました。
では日が短くなったらどうするか。

ぼくは横浜の観光地によく行きます。
昼間は死ぬほど混んでる赤レンガや大さん橋、山下公園なんかに日の出直後に合わせて行くのです。
今だったら朝6時ごろかな。

ガラガラに空いてる観光地をコンビニのコーヒーを飲みながらうろうろします。
もちろんお店はどこも開いてません。
でもそんなことはどうでもいいと思えてきます。
その後、中華街から桜木町、みなとみらいをバイクで走り抜けて第三京浜で帰ってくる。

ほんの一例ですがめちゃめちゃご機嫌です。
これは東京都内の異世界感とはまた少し違った非日常です。
人がいない横浜って想像できます?
うんざりする程沢山ある信号を青で連続通過って経験はなかなかの快感です。

地元に帰ってくるのが8時前、ちょうどその時間にオープンするカフェがあってそこに立ち寄るのが自分的にベストなパターンです。

その後はバイクを置いて昼飲みに出かけたりします。
一日に二度楽しいことがあるって素敵。

朝活はなにも都会だけの楽しみではありません。
朝ならではの景色はどこでも楽しめるし、真夏の間はライダーのオーバーヒートを防ぐ有効な手段でもあるし。

ただ、大都市にはこの時間帯にしか見られない街の表情があるのも確かです。
このおもしろさを大都市のライダーだけで専有するのは少しもったいない気がしています。

バイクでツーリングと言えばもっぱら山や海へ向かいます。
せっかくバイクに乗る時間を取るなら一日中遊べる目的地を選びたいですよね。

でもシーズンに一度ぐらいは早朝だけの大都市ツアーも悪くないと思いますよ。
巨大なビルが建ち並ぶ風景の中をただ一人で駆け抜ける。
BGMと合わせて映画のシーンみたく素敵な瞬間になると思うんですがいかがでしょう?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?