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原宿でTOMOSの実態を知る

先日、TOMOSというモペッドを見つけて心が揺れているエントリーを書きました。
郷愁を誘う70年代の雰囲気と、どこにでも停められる手軽さ。

TOMOS CLASSIC I

ぼくは動画撮影とバイクが趣味ですが、ぼくのバイクだとこの2つはあまり相性がよろしくない。
機材を積む積載能力がないのがまず一つ。
いつも最低限のカメラしか持って行けません。

そして都会にはバイクを停める場所がない。
バイクは存在感があるし重さだってある。移動には便利だけど、いざ撮影したい時には邪魔なんです。

バイクってどこにでも停められそうでしょ?実はそうでもないんです。
ここだ、と思った場所に駐車できるケースは稀です。
しかるべき場所に停めて戻ってきて撮影する手もあるけど手間がかかることこの上ない。
動画って気に入った映像の集合体なので、素材が集まらないとモチベーションが…

解決策としてスクーターを検討していました。

● Lambretta V125

LAMBRETTA V125

スクーターは積載量も多いしバイクに比べたら駐車のハードルもきっと低いかと思って。
加えてランブレッタはモッズの御用達。見た目もKISKAデザインでかっこいいしね。
そうです、スクーターを導入してバイクとは使い道を分けようと考えてたんです。

そんな時に見つけたのがモペッドのTOMOS。

TOMOSは半分自転車なので駐車の自由度はスクーターの比じゃないです。
混雑したアーケードだって押して歩けばすいすい通れます。
(車重は驚きの48キロ!スーパーカブ50の半分です)

今まで絶対にバイクで入って行かなかった場所に行ける、と思ったんです。
例えば蒲田の風景や人を撮りたいと思っても、あの雑踏にバイクで入って行きたくないですよ。

その点、TOMOSはドア・トゥ・ドアで目的地のすぐ側まで行ける。なんたって停めてある姿はまんま自転車ですから。
50cc+人力なので遠くへ行くことは苦手だけど、人が多い場所との親和性はダントツでTOMOSがいい。

あとここ大事なんですが、TOMOSはバイクと用途がまったく被らない。
スクーターもいい線行くと思ったけどTOMOSはもっと被りません。
用途が被る二台を持つのはものすごく抵抗があるんですよ・・・

にわかに興味津々となったTOMOS、先週末の日曜日に原宿のホノラリー(TOMOSの輸入元)に見に行ってきました。

モペッドのショップなんて初めて行きます。
そもそもはベスパの代理店みたいですね。ベスパが所狭しと置いてある。

そこで衝撃の事実を知ります。

「TOMOSの新車はもう存在しない」

不意打ちでしたが、輸入元が言ってるんだから間違いないと思います。

新車で買えないとは思ってもみなかった展開です。

うーん、ぼくの認識ではTOMOSの中古車はポンコツしかないです。
もともと高価なものじゃないし、若い層がガシガシ使い倒すガジェットですから。

どうしても新車が欲しい人には、極上の中古車に新品の外装を取り付けて「まるで新車」の状態で売ることは可能、でも従来の新車よりも高価になります。
とのことでした。

ちなみにぼくが欲しいTOMOSは「クラッシック」というモデル。
派生して別モデルになった近代的デザインのTOMOSにはまだ新車がある。
用途も性能も同じですが雰囲気がぜんぜん違う。ぼくはあの70年代風の姿に惚れたので近代的なやつはNGです。

さあ、どうしよう。

店長さん(ナイスガイ)にいろいろ教えてもらいました。
長い話に付き合っていただき感謝です。

店長さん曰く「まるで新車」を選ぶより「程度のいい中古車+時間をかけた整備」の方が絶対にいい。それだけの整備を自分がします、信頼してもらえれば責任をもってやります、と営業抜きの発言。

ベースになる車両はすでにあって、見せてもらいました。
モデルはTOMOSクラッシックII、程度は上々、色は限定色のショコラブラウン、左右のキャリアバッグが付いてました。

中古TOMOSってその多くは都会の若い人の間で流通します。
オークションサイトには一桁万円のガタガタの中古車が出回ってます。
ママチャリを買う感覚とほとんど同じなのでしょうね。

中古車としてあれを買ったらやばいです。
機械はちゃんと手を入れて一定の程度を保たないとダメになる。
ダメなっちゃったのはレストアするしかなくて、レストアなんて新車一台分以上の費用・手間がかかります。

若いユーザーもそれは分かってます。
5万円で買ったポンコツTOMOSを1万円かけてとりあえず走るようにして、壊れるまで引っ張ってまたオークションに出す、というサイクルなんでしょう。

それはそれでいいですよ、アメリカの安い中古車なんてほとんどそうですから。
単純な機械はそういう道を辿るのが運命です。

でもぼくは機械は100%の状態で動かないと我慢ができない質なので、そういった話を店長としました。

中古車の価値観に齟齬がないこと、さらに店長の言う「時間をかけた整備」の内容、その結果のお値段が一般的な中古TOMOSよりもかなり高額になること、などから信頼できそうだと感じました。

ここは根拠はなくて人柄と話の内容からそう感じたわけです。
中古車ですからもちろんリスクはありますけどね。
ぼくとしては実際に手を動かして整備をする人と話ができたのが大きな収穫です。

新車がディスコンで消耗部品が気になりますが、それも大丈夫らしい。
新車がなくなったことで、今まで多方面に販売していたTOMOS部品の売り先を車両購入者に限定する方針なんだそうです。

今の気持ちはもう「買い」ですね。
ショコラブラウンのTOMOS、なかなか気に入りました。

TOMOSはメインのバイクと用途が被らず、動画撮影のいいパートナーになってくれそうです。
なんといっても大都会の下町を自転車感覚で散策できるってステキです!

あとはバイクと違っていじる楽しみがあるのがいいな。
TOMOSは半分自転車だと言いましたが、機械の構成的にはほぼ自転車で、まあドンキで売ってる安いマウンテンバイクのレベルです。

ぼくは元々ロードバイク乗りなので、自転車の整備は徹底的に自分でやりたい人。
TOMOSは新車の状態でも欠点だらけ(失礼!)なのでアップグレードの余地しかない 笑。
なかなかやり甲斐のあるプロジェクトになりそうで。


ショコラ・ブラウンのTOMOS

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