見出し画像

教員の退職ラッシュとこれからの学校教育界

こんにちは。越境先生という団体をやってる前田です。
自分自身も中学教員→小学校非常勤&個人事業主→it企業社員&任意団体とキャリアチェンジしていまして、絶賛自分自身で教員の越境の実験中です。

さて、この3月にはSNS等で著名な実践家の学校の先生たちが次々に退職を表明されました。
年々流れが加速しているように思います。

有能で行動力のある先生方の退職ラッシュは教育界に何をもたらすのか、どのようにすればこの流れを前向きなものとできるのか、考察と今後の対策を論じたいと思います。

退職した先生たち

SNSで退職表明した先生たちをまとめてみます

坂本良晶先生
葛原祥太先生
樋口万太郎先生
小泉しのぶ先生

他にもあげきれませんがたくさんの先生が退職なされています。
退職後の進路は様々ですが、共通して「教育をもっと良くしたい」と考えておられる方々ばかりだと思います。

仮にこの先生方が同じ自治体にいたとしたら

仮にこの先生方が全員同じ自治体に勤めていたとしたら、、、

その自治体は大幅な戦力ダウンになりますよね。
人材は組織にとって財産ですので。
行動力も実践力も、また発信力もある先生方が抜けるのは非常に打撃が大きい。
幸いこの先生方はそれぞれ別々の職場です。しかし日本全国の学校現場から上記の先生方が抜けていったことは間違いがないわけで。
もっというとこの先生方は氷山の一角だと容易に想像できるわけですから、どこでも通用するような有能な先生から順に外に出て行く状況は全国の様々な自治体で起こっているわけです。

人材の流動化は止まらない

この流れはいつ止まるのか、ということですが緩まることはないでしょう。
必要採用数が落ち着いてきたころに見かけ上緩まることはあるかもしれませんが、人材の出入りが活発化することは恐らくもう止められない。

理由は色々ありますが、大きくは昔より情報が民主化したことが大きいでしょう。
SNSやインターネットで他の人の人生に簡単にアクセスできるようになったので、今自分がくすぶっていると感じる機会や「もっと他にできることがあるのでは?」と考える機会は増えているように思います。

他にも、日本社会全体として終身雇用がもう当たり前でなくなったことは共通認識としてありますから、その風潮も手伝って教員からの転職は当たり前のものになっていきます。

逆に言うと、今までの50年くらいの日本社会が特殊だったともいえるでしょう。余談ですが私の祖父は戦後教師になりましたがしばらく勤めたのちに保険会社に転職しました。当時から「でもしか教師」という言葉はあったそうで「教師でもするか」と教職に就いた後に転職する人は珍しくなかったのかもしれませんね。

この流れを前向きなものにするためには

能力のある人がどんどん出て行くこの流れを何とかするにはどうしたらいいのでしょうか。
先ほども述べましたが出て行く流れそのものはもう変えられません。だから発想を変え、出て行くことを前提とした設計をしていくことが重要です。
民間でも人材の獲得競争は熾烈で、人は移動するものとしたうえで設計を整える企業も増えてきました。

パナソニックでは退職した人のコミュニティを作り、復帰したいと思ったときに復帰しやすくする仕組みを整えるようです。

他の企業でもアルムナイ採用(卒業した元社員の再採用)は増えてきており、企業を卒業して転職していった人がまた戻ってくることを可能としている組織が増えています。
採用のコストを抑えられますし、戦力になるとわかっている人材を獲得できるしで、とても合理的な仕組みですよね。

今学校にアルムナイ採用の芽はあるか

完全にアルムナイ採用に当てはまっている例というわけではありませんが、似たような制度が存在する自治体もあります。

ここから先は

1,296字

スタンダードプラン

¥500 / 月
初月無料 あと92人募集中
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?