見出し画像

エンジニア採用担当が越境してカンファレンスに向き合った話

こんにちは!弁護士ドットコムでエンジニア採用を担当している加藤(@kato_iwashi)です。
エンジニア採用 Advent Calendar 2023 の12/15(金)の記事です。

弁護士ドットコムに入社してから採用チームにてエンジニア・デザイナーの採用を担当していましたが、今年から技術広報としての役割も担うことになりました。技術広報という言葉を最近よく目にしましたが、その中で、採用文脈で人事が技術広報を担うケースも増えているかと思います。(私もその1人です。)

今回は、今年の技術広報の活動の中で、エンジニア採用担当の役割から越境してエンジニアカンファレンスへのスポンサーとして取り組んだことを振り返ります。
(その他やってきたことは、↓からぜひご覧ください)


🌱 はじめに

なぜカンファレンスに協賛するのか

エンジニアカンファレンスへの協賛の目的は、企業によって様々かと思います。
今期の弁護士ドットコムの方針としては、
①日々のサービス開発を行う上で支えてくれている技術への貢献やコミュニティを盛り上げる目的
②コミュニティ参加者に採用文脈での認知獲得のため

の2点に絞っています。(将来的には、サービス側の認知拡大などにも貢献していければと考えています。)

今回はこの結論に至るまでの経緯については割愛しますが、前提として①、②の目的が果たせるかが技術広報としてのミッションでした。

カンファレンスの大きな変化

上記の文脈がある中・・・今年の秋は、カンファレンスラッシュでした。

と大規模なカンファレンスへの協賛・出展が目白押しでした。かつ、大変ありがたいことにトップスポンサーとして協賛する機会にも恵まれました。(プレッシャー大)
何よりも、昨年までコロナの影響でオンライン開催だったカンファレンスがオフライン開催に切り替わり始めたことが、大きな変化でした。

大変だ!社内に何もノウハウが無い!

弊社としてのオフラインカンファレンスへの協賛・出展は、2年半ぶりでした。オンライン開催のカンファレンスへの協賛はコロナ禍でも継続していましたが、オフライン開催のカンファレンスについての社内の知見は、ほぼゼロ状態。
過去のSlackチャンネルを漁っても欲しい情報が無かったり、昔から在籍している社員と会話しても当時のことは忘却の彼方へ。そして、最近入社してきた社員はカンファレンスへの参加経験がないメンバーが多かったり。。。

そのため、「どうするよ、俺!?」という状況から始まったカンファレンスのプロジェクトでした。

🦾 向き合ったこと

と・・・前置きが長くなりましたが、ここからは実際の取り組みを通じて学んだ大事なポイントを3つにまとめました。

① 「カンファレンス is 何?」の解消
② コンセプトの言語化
③ 計測可能なきっかけに分解する

「カンファレンス is 何?」の解消

3つのカンファレンスのプロジェクトを進めるにあたり、社内関係者は約40名。しかし、前段でも書いた通り、私も含めほぼ全員が「エンジニアカンファレンス is 何?」状態でした。
大規模カンファレンスやビジネスサイドのカンファレンスをイメージされる方もいますし、そもそもイメージが無い方も多い状況だったため、全員の認識統一からスタートしました。

そのために取り組んだことは、

  • 社内の過去のSlackチャンネルの掘り起こし

  • 過去開催されたカンファレンスのレポート記事やXのポストのシェア

  • 自ら他のカンファレンスに足を運ぶ

  • アイディアボードの作成

全体を通して、最終的なアウトプットイメージを多く共有することにこだわりました。「多く」というのがポイントで、初期段階で提供する情報への偏りがあると、そのイメージが後々抜けにくくなってしまい、プロジェクトの軌道修正も難しくなります。そのため、あえて数多くのパターンを提示することを心がけました。

調査した内容を最終的にアイディアボードに情報を蓄積していき、カンファレンスとは?をこのボードを見ればイメージできるような状態にしました。

アイディアボード

人間は体験していないものを理解することは難しく、その状況での意見交換は空中戦になりがちです。そのため、過去の事例やカンファレンス情報を収集してFigJamにペタペタと貼っていきながらイメージを共有しつづけることで、解像度が上がりお互いの認識のズレを正すことができました。

プロジェクトの途中から参加するメンバーにも、ボードをさっと見ながら説明をすることで工数を割かずに認識を統一することができました。

コンセプトの言語化

企画当初は、エンジニア組織としてのカンファレンスにおけるアウトプットの方針が定まっていませんでした。やりたいことベースでのスタートも可能でしたが、方針が無い中で進めると、意思決定がぶれたり、最終的なアウトプットの一貫性がなくなる可能性があります。そのため、カンファレンスに協賛するにあたり、各事業でコンセプト決めを行いました。

ワークした時のボードを遠目から

実際にはデザイナーチームに手伝っていただき、主要メンバーを集めて数回のワークを実施しました。特に、カンファレンスを通じて伝えたいメッセージを決めるために、必要な情報を収集しながら、議論を重ねました。

□ 言語化のステップ
1. 来てほしいエンジニア像を出す
2. その人の働きたい環境/興味・関心を推測 
3. その人(世間?求人サイト)から見た自社組織
4. 実際の組織の強み・弱みを理解する
5. どれに注力すると1の人に刺さりそうか考える
6. カンファレンスでなにを伝える?どう思われたい?を言語化

このワークの結果、それぞれの事業でのコンセプトと方針が決まりました。

弁護士ドットコム:事業の社会貢献性と社会的価値の提供
クラウドサイン:変わる時代に、変えていく。
共通方針:コミュニティを盛り上げ、還元すること

加えて、当社の事業ドメインやイメージが堅いからこそ、エンジニア組織はあえて柔らかいイメージを出していこうというアウトプットの方向性も決まりました。
その結果、生まれたノベルティはこちらです。(生みの苦しみの話はまたどこかで書きたい。)

ポップでかわいく。キャラクターも活用。

結果的に、このプロセスに一番時間を使いましたが、出来上がったコンセプトが後々のブースデザインやノベルティ決め、企画づくりの軸になりました。何より悩んでいる時に立ち戻る場所として重宝しました。

今回作成したコンセプトは、今後もアップデートしていく予定ですし、何よりも採用活動の中でのペルソナの設定にも活用しています。

計測可能なアウトプットに分解する

企画する側の立場としての大きな目的としては、アウトプットを通じて「相手に行動や感情の変化を促せるか」が重要になります。例えば、「ノベルティのコーヒーは、参加者に〇〇と感じてもらいたい。」「ブースの企画は参加者にXXで楽しい気持ちになって欲しい」「ブースは、□□の反応を得たい」などなど。
しかし、エンジニアカンファレンスの特性上、本当に変化を促せたのかを証明するのは大変難しいです。

1分で作った雑な図①

例えば、採用の応募を一つのゴールとした時に、「カンファレンスに参加したから直接応募につながるのか?」を検証するには、間の変数があまりにも多く、果たして結果に繋がっているのかを証明するのは無理があります。
では、どうするか。を考えた時に、カンファレンスを通してのアウトプットをできる限り要素分解して計測可能な状況にすることを意識しました。

1分で作った雑な図②

カンファレンスでのアウトプットを最小単位かつ計測可能な状態にすることのメリットとして、明確な振り返りが可能になります。イベント関連は、どうしてもふわっとした指標や感覚のみでの振り返りになりがちですが、事前に計測可能なものを用意していくことにより、事前に設計していたズレに気がつくことができます。実際にどのような指標をおいて計測するかは、企業や状況によって変わるかと思いますが、それぞれのアウトプットが目的につながる可能性を持っているのか?は常に考えておく必要があります。

イメージ

最近は、複数のカンファレンスでの活動を通じて、じわじわではありますが結果に繋がっている実感を得られています。具体の計測方法や計測結果のお話について興味がある方はXで声かけていただけると嬉しいです!

📝 まとめ

採用担当として日々の業務に邁進していると、入ってくる情報の全てを採用領域の枠組みで処理しがちです。悪いことでは決して無いですが、視野がどうしても狭まってしまう感覚が自分の中でありました。
そんな中、「技術広報」として、採用の枠組みから外れた領域に越境してみた結果、自分の思い込みに気が付き、新たな発見も多くありました。何よりも、別領域から自身の領域を改めて眺めることにより、自身が取り組んできた業務への解像度も格段に上がり、役割を越境してみることの重要性を強く感じました。

最後になりますが、今日ご紹介した取り組みは、1人で実現できるわけもなく、協力してくれた多くの社内のメンバーには感謝しかありません!
技術広報としての活動がカンファレンスやコミュニティに少しでもプラスになればこれ以上の事は無いと思うので、今後も貢献できるよう頑張っていきます。

😁 おまけ

弁護士ドットコムでは多くのポジションで採用募集中です!カジュアル面談も大歓迎ですので、ご興味ある方は↓からぜひご覧ください!

Xもやっていますので、こちらでもぜひお声がけください!https://twitter.com/kato_iwashi


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?