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第十八候【牡丹華(ぼたんはなさく)】

『穀雨』の末候 4/30〜5/4頃

春の最後を務める花である、牡丹が咲く時期になりました。
牡丹は、中国から薬草として伝わり、平安時代には宮廷や寺院で観賞用として栽培されるようになりました。
甘く上品な香りと格調高い姿から、中国では国の代表花とされています。
花言葉は「王者の風格」
まさに、花の王様です。「富貴草」「百花王」「花王」「花神」などの別名もあります。

「唐獅子牡丹(からじしぼたん)」の図柄はよく知られています。
唐獅子は、魔除けの力をもつ聖獣で、すべての獣の中でもっとも強い百獣の王。
牡丹は、すべての花を代表する百花の王。
「百獣の王」と「百花の王」の組み合わせで、最強の守護と富貴を象徴する魔除けとして用いられてきました。
桃山時代に中国から伝来し、江戸後期には「勇気」の象徴として流行しました。
伝説によると、獅子は牡丹を好み、夜は牡丹の下で眠るといいます。強い獅子の唯一の弱点は、自分の体に住んでいる小さな虫。その虫は牡丹の夜露に当たることで死んでしまうのだそうです。
そう聞くと、獅子の姿が少し可愛らしく見えてきます。

平和と安寧の象徴である牡丹。
清らかに和する季節に咲く大輪の花は、見ているだけでもエネルギーをもらえます。


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