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【桃始笑(ももはじめてさく)】

二十四節気 『啓蟄』の中候 3/10〜3/14

桃は「兆し」を持つ木とされ、桃の実を割って未来を予知し、吉凶を占ったことから「兆」の字がある。「前兆」「予兆」「挑む」「眺める」など様々な言葉になっている。

『桃始笑』は「笑う」と書いて「さく」と読ませていることが許み深い。
花は「ほころぶ」と表現することもある。「ほころぶ」や「笑む」という言葉は、内側に隠されていたものが突然外に顕れることをさしている。
「春はほころぶ」「山は笑う」とも表現する。
日本語の細やかで美しい表現だなと観じる。

「花笑み(はなえみ)」は、花が咲くことだけではなく、人が微笑んでいる様子や、花が咲いたような笑顔を意味す言葉。ゲラゲラと笑うのではなくて、内側からにっこりするような柔らかい笑顔。
桃の花は心の底から自然に湧いてくるような笑みを誘ってくれる。

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