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コミュニティマネージャーの私がMBAに挑戦する理由

こんにちは。2022年あけましておめでとうございます。

私は、Asanaという、シリコンバレーに本社があるSaaSベンダーの日本法人でCommunity Marketing Program Managerをやっています。平たく言えば、ITツールのユーザーコミュニティのコミュニティマネージャーです。Asanaを使ってくださるユーザーの皆さんが、コミュニティ(オンラインのイベントや、フォーラム、Slackなどのチャネル)を通じて生産性を上げ、自身のやりたいことや、企業変革を実現できるように後押しをする、という仕事をしています。

今年2022年の4月から、早稲田大学ビジネススクール(早稲田大学 大学院経営管理研究科 、通称WBS)で夜間MBAのコース(夜間主総合)に通うことになりました。フルタイムで働きつつ、2年間、夜間と土曜日の授業を通じてMBA取得を目指します。

MBAとは一見無縁なように見える、コミュニティマネージャーである私がなぜMBAを志望したのか?

少し長くなりますが、ご興味のある方はお付き合いいただき、こんなストーリーもあるのかと思っていただけたら嬉しいです。

Asanaのコミュニティが順調である理由

コロナ禍の2020年8月に、日本のユーザーコミュニティの立ち上げのためにAsanaにジョインしてからはや1年半近くが経ちました。これまで私がAsanaのコミュニティでやってきたことについては、もしご興味があればこれらのnoteを読んでいただければと思います。

これまでのキャリアの中で、他のSaaSベンダーでも何度かユーザーコミュニティの立ち上げを行った経験があったため、私はコミュニティの立ち上げを行う際に何をやるべきかという点はおおよそ頭の中にイメージができている状態で入社しました。ですが、実際に入ってみてとても驚いた点がありました。それは、Asanaではコミュニティについての経営層からの圧倒的な理解と支援があるという点です。たとえば、AsanaのCMOのDave Kingは社外向けのポッドキャストで自らコミュニティへの理解と支援を表明しています。

「そもそもコミュニティとは何なのか」「なぜコミュニティをやるべきか」「どの組織上の目的に向かってコミュニティをやるのか」「どんなリソースや支援が必要か」といった類の社内説明や社内ステークホルダーの説得は、コミュニティを始める際の「土台づくり」に当たる部分です。実際には、始めるに当たってこれが一番大きなハードルであることも多いのですが、Asanaではすでに土台が整っていたため、必要ありませんでした。

そこには、コミュニティの形をデザインして行動を開始するという、コアな業務そのものにいきなり着手して専念できる恵まれた環境がありました。入社して職場(ほぼバーチャルでしたが)や仕事の仕方に慣れ、ビジョンを描いてコミュニティを立ち上げて型を作るまでの、「山登り」的なしんどさとプレッシャーはありましたが、本来やるべきことにきちんと自分の力を注げているという充実感を持って、私はコミュニティマネージャーとしての仕事をスタートすることになります。

スタートダッシュを切ることが出来たおかげで、私は短期間で日本のコミュニティを順調に立ち上げ、成長軌道に乗せることが出来ました。その成果を評価され、入社8ヶ月目にして、グローバル全体のビジネス部門の社員約500人のうち一人目の受賞者として”Business Velocity Award”という社内表彰を受けることになりました。

私が感じていたもやもや

同時に、いやむしろ順調な滑り出しを切れたからこそ、私がここに至るまでの数年の間に直面してきたコミュニティ立ち上げ時の社内のさまざまな障害について、改めてふつふつと頭の中に沸き上がってくるものがありました。また、他社でユーザーコミュニティに関わる方々の話を聞く中でも、もやもやを感じることがありました。

それは、企業活動としてのコミュニティの意義や実態が、いまだにメインストリームに認知されず、経営者をはじめとする意思決定者に圧倒的に理解されていないということです。誤解を恐れず言うと、軽視されていると感じることもあります。その意味で、Asanaにおける経営者の理解は非常に稀で幸運なケースだと感じます。

私自身の経験をいくつかお話しさせてください。

以前いた職場でユーザーコミュニティを立ち上げることになり、試行錯誤しながらイベントを何回か行い、ユーザーサイドも巻き込みながら、なんとかコミュニティの形が整ってきました。メンバーの熱も高まってきて、製品にとってなくてはならない存在になってきた、と感じていた矢先に社長が交代し、コミュニティ施策が認められずにストップせざるを得ない状況になったことがありました。

また別の職場でも、オーディエンスごとに複数のコミュニティを立ち上げ、ユーザー会のリーダーも決まって、イベントの回数も重ねて順調にコミュニティが成長してきたと感じていた矢先に、自身のチームがほぼ解散という状態になり、コミュニティは停止、私自身も職を失うという経験をしました。

いずれのケースも、ユーザーのエンゲージメントは高い状態にあり、事前に上司と握っていたKPIは達成していました。社内や社外からもコミュニティに関してポジティブな声が聞こえてきていました。つまり、客観的に言って、うまくいっていた状況における出来事です。うまく行っていないからやめるのであればまだ納得ができましたが、思い描いていた通りに進み始めて、さあこれからという状況になってから、活動を停止し、手放さなければならないという状況に、正直なところとても悔しい思いをしました。また、私自身だけのことならともかく、すでにユーザーを巻き込んで始めてしまっていたので、とても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

また、他社のコミュニティマネージャーから相談をいただくことも多くありますが、「会社にコミュニティの意義を伝えレポートし、成果を認めてもらうにはどうしたらいいか」という悩みは非常に多いと感じます。

コミュニティの価値とは何か

私はこの5-6年ほど企業のユーザーコミュニティの立ち上げに関わる中で、コミュニティが生み出す価値を実感し、パワーに圧倒されてきました。コミュニティという場でユーザー同士が情報交換することで生まれる熱が、さまざまな口コミやアウトプットを生み出し、企業の社内変革を後押しし、顧客の離反を防ぎ、思いがけない企業案件の獲得に結びついたり、製品を変える力になったり、個人のキャリアを左右するほどのインパクトになったり・・・という経験を何度となくしてきました。

「マーケティングの神様」と呼ばれるフィリップ・コトラーは、著書『コトラーのマーケティング4.0』(2017)の中で、ブランドからの一方的なメッセージが届きづらくなっている今、コミュニティの力を借りて、口コミによる顧客への影響を強化するべきだと述べています。

マーケターは今日、従来の広告で顧客に到達しようとすると大きな障害に直面する。顧客が広告を必ずしも信用していないからだ。彼らは広告よりも、友人や家族にブランドに関する率直な意見を聞くほうがよいと思っている。ブランドによる主張を耳にするとき、顧客は自分のコミュニティの信頼できる仲間と話をすることで、その主張が事実かどうか確かめるのだ。

コンテンツが本当に本物なら、クチコミやソーシャル・メディアのシェア機能を通じておのずと広がっていくだろう。(中略)このためにブランドは、ソーシャル・メディア・マーケティングに加えてコミュニティ・マーケティングも積極的に行う必要がある。

『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』(2017年)

私自身も、BtoB領域のSaaSビジネスにおいてコミュニティを擁することは、コトラーが書いているような口コミによる新規顧客獲得への効果はもちろん、活用促進や解約率の低下など、マーケティングとカスタマーサクセスの広い領域において競合優位性を保つ重要な要素となることを経験から実感してきました。

コミュニティに関わる方であれば、誰しも似たような経験をしたことがあるのではないかと思います。ですが、こういった現場の温度感や効果、必要性を上司やマネジメント層が同じように感じ、理解しているかというと、そこは多くの場合にNOと言わざるを得ないと感じます。

コミュニティの価値を経営層に理解してもらうにはどうしたら良いのか?

私はここで、かつての職場への恨みを述べたいわけではなく、経営者の多くがコミュニティを理解しないことを非難したいわけでも全くありません。また、私自身の力不足が大いにあったことも事実ですが、それをここで回顧しようとしている訳でもありません。伝えたいのは、そもそもコミュニティというものは、中にいる人(運営側であれ参加者であれ)はその価値を大いに感じる反面、外側にいる人に価値が伝わりづらいのだということです。

たとえば、「草の根活動」という言葉がありますが、これは社会運動の領域でコミュニティ的な活動を示す言葉として使われています。つまり水面下の目に見えないところで密かに行われている活動だと思われているということです。その伝わりづらさゆえに、経営者や意思決定層がコミュニティの意義を理解しない、あるいは非常に簡単に成功し、いつでも簡単に始めたりやめたりできるものだと勘違いしてしまうということが起きていると思います。

また、企業活動としても新しい手法であるため、一部のスタートアップが多い業界やIT業界以外では、コミュニティが企業の戦略の一つになりうるということ、ビジネスにとって有効であるという自体があまり知られていない状況にあります。ここ数年はコミュニティという言葉を色々な場所でずいぶん聞くようになった印象がありますが、あまりに広く一般的な言葉なので、それをビジネスと結びつけて考える方はまだまだ多くないというのが実情ではないでしょうか。コミュニティというビジネスに効く手法、競合他社と差別化して企業の価値を高める方法があることを、他の業界の経営者が知ったら、もっと市場で勝てるようになるかもしれない。

どうやったら、コミュニティがビジネスに有効であり、成長戦略や競争戦略上必須であること(Nice to haveではなく)、そして成功しているコミュニティは何にも代え難い重要な企業価値であることを経営者に理解してもらい、継続的に支援してもらえるのだろう?

この点が、私がMBAを目指すことになったスタート地点の課題意識でした。

なぜMBAを目指そうと思ったのか

上記のような課題意識を明確に感じ始めたのは、ちょうど1年前、2021年の初めの頃でした。

コミュニティのビジネス上の価値を明らかにするにはどうすれば良いのか?という問いを立て、何名かの方に壁打ちをしてもらいながら、コミュニティのビジネスインパクトについての研究を個人的な研究として行ってレポートとして発表するという企画を思いつきました。企画書までは落としてみたものの、個人研究をやるにしても、私はどんな立場でそれをやって、発表するのか? 果たしてやりきれるのか?誰のどんなお墨付きをもらえば世の中に認めてもらえるのか?など、いまいちしっくりこない点がいくつかあり、現実の活動としてスタートできずにいるまま、季節は巡り、夏に。

そんな時、会社の同僚でMBAコースに進学する人がたまたま同時期に相次ぐということがありました。そのうち一人の話を聞いた時に、私が考えていたことがふっと頭の中でつながりました。コミュニティがビジネスに有効であることとその成功要因を研究するなら、大学院で正しい研究手法や経営学を学びながら、論文を書いてアカデミックな裏付けを得るのが、一番説得力があるのではないか?そう思い至り、「大学院でコミュニティを研究する」というアイデアがパズルのピースのように自分の中でぴったりとハマったのです。

また私自身も、いずれはコミュニティを支援する側に行きたいという気持ちがあり、そこに行く前にきちんと経営の勉強をしたいという気持ちをぼんやりと持っていました。でないと、今まで実践者としての経験を積む中で貯めてきたノウハウを切り売りするだけになってしまい、サステイナブルでないと考えていたからです。

(※もちろん、実践者としての経験を元にアドバイザリーやコンサルティングを行って成功している方はたくさんいらっしゃいますので、その方々を否定するつもりは全くありません。私の場合は、今の自分の延長では自信を持って支援する側に回れないように感じていたということです)

そこで、同僚の話をきっかけにMBA進学を決意した私は、8月から急ピッチでMBA受験の準備を始めて行きました。

志望校選び

さてここからは一般的なMBAの受験体験談になります。

※このnoteを読んでいらっしゃる方が、どちらの文脈(コミュニティかMBAか)からいらっしゃったかどうか次第で、興味がなければ読み飛ばしてもらって構わないところですw
MBA受験を考えていらっしゃる方にはもしかしたら参考になるかと思い、記録として残しておきます。

MBAに行くと決めたので、次は志望校を選ぶというステップになります。どの学校に行くかを決めるに当たって、私が考えた条件はこのようなものでした。

  1. 働きながら通えるパートタイムMBA

    • キャリアチェンジが目的ではないので、会社をやめてフルタイムで通うということは考えませんでした。また、経済的にも働き続ける必要がありました。

  2. 日本にキャンパスがあり、主に日本語で学べる(→海外オンラインMBAが選択肢から外れる)

    • 今は日本にいながらオンラインで学べる海外のパートタイムMBAプログラムもあります。ですが、英語だとどうしても理解の深さが限られること、オンラインのグローバルの繋がりより、やはり日本で仲間がほしいと考えました。

    • 英語や海外との繋がりに関しては、業務で十分カバーできる(グローバルのチームに所属し、英語を日常的に使用している)と考えました。

  3. 修士論文が必須である

    • 大きな目的の一つが「コミュニティについての研究を行い、論文を書いて世の中に出す」(ゆくゆくは書籍化を目指したい)だったので、修士号取得の条件が論文であるところを選びました。

    • 海外MBAでは修士論文は基本的になく、国内MBAでも修士論文が必須のMBAはあまり多くはないようです。

  4. 学生や教授のバックグラウンドが幅広く、アカデミックと実務のバランスが取れている

    • 大企業の幹部候補育成のようなMBAや、アカデミック寄りすぎる大学院もあったりするので、そこはフィットしないと考えて選択肢から外しました。

  5. できればスタートアップやテック系に強いところ

    • 学校によって色々特色があります。WBSはスタートアップの授業があったり、ITの業界にも強い先生やいらっしゃいます。

そこで最終的に私が選んだのが、日本最大規模のMBAプログラムである早稲田大学ビジネススクール(早稲田大学 大学院経営管理研究科 、通称WBS)の夜間主総合コースです。

余談ですが、私は大学も早稲田(第一文学部卒)なのですが、母校だから強い思い入れがあって選んだかというと、そういうわけでもありません。が、学部卒の場合、大学院の入学金が免除されるというのはちょっとしたメリットになりました。ありがたいことです。

また、実際にWBSを卒業された方のお話も聞きました。
お話をうかがった佐藤さんは、WBS卒業後にゼミの同級生の方々と一緒に起業されたという方。私は事例取材ばりに記事が書けそうなくらい前のめりで色々聞いてしまい、めちゃくちゃ参考になりました、特に、「実際に起業して意思決定をするとき、理論的な正解をMBAで学んで知っていたのが自信になった」という言葉にはとても感銘を受けました。

受験対策

決意してから実際の受験まで、スケジュールとしてはこんな感じで進めていきました。

8月:同僚の話を聞いてMBA進学を思い立ち、そこから大学院主催の説明会や模擬授業などに参加して情報収集し、志望校を決定。同時に経営学や研究テーマに関連する書籍を読んだり、過去の文献なども調査開始。

9月:エッセイ、研究計画書を書いてブラッシュアップしつつ、出願書類を準備

10月:秋募集に出願(10/6締め切り)

11月:二次試験の面接(11月末)

12月:合格発表(12月頭)、入学手続き

思い立ってから合格までが4ヶ月弱と、一般的な準備期間よりはおそらく短かったのではないかと思います。

私の場合は、最初からMBAが行き先として頭にあったわけではなく、やりたいこと(コミュニティのビジネスにおける有効性をアカデミックに立証すること)が先にあったので、Why MBA?や研究計画書を書くのがわりとスムーだったのが、短期間で準備できた理由かなと思います。また、MBA自体は昔から興味はあったので、ある程度知っていたという状態でもありました。

もう一点、受験準備期間が短く済んだ理由の一つとして、WBSが昨年に続いてコロナ対応のため小論文試験がなく、一次選考が書類選考のみだったので、小論文対策をする必要がなかったという点もあったと思います。この点はラッキーでした。なお、それもあってか年々受験者が増える傾向にあり、倍率が上がっているようです。夜間主総合は、秋入試だけ見てもこの5年間で合格率が50%→21%に低下しているという試算も。

Why MBA?については、出願書類の一番大事なポイントになるので、早い段階でドラフトを書き始め、知り合いにも見てもらってブラッシュアップして行きました。これまでの自分のキャリアの棚卸しと将来目指すところを繋げる作業は楽しくもあり、また脳を使って自分と向き合う、苦しくも貴重な時間でもありました。ここを自分の中でも納得いくまで、そして他の人から見ても客観的に妥当だと感じられるレベルまで掘り下げることができたのが良かったと思います。この本この本などがとても参考になりました。

ちなみに、何度でも推敲して納得いくまで書き上げられるエッセイや研究計画書と違い、二次試験の面接は一発勝負なので、めちゃめちゃ緊張しました。想定問答を元に何度も一人で喋る練習をしましたが、当日実際に聞かれたのは予想外の質問ばかりだったので、練習しすぎもよくない(予想外のことが起きると混乱する)というのが私の感想です(苦笑)

結果が出てから振り返った面接の印象としては、出願書類(これまでのキャリア、志望理由、研究計画書)でほぼ合否が決まっていたのかな、と感じるような面接でした。当然、面接の最中にはそんなの分かりませんが。

定番のグロービスのMBAシリーズを読んだり、好きな色の文房具で気分上げたり、ノートに大好きなAsanaユニコーンのキラキラステッカー貼ったりしてました。
やってることは中学受験の娘と一緒w

最後に

最後に、今回コミュニティについての課題意識を持ち始めた時点から、MBA受験の準備までたくさんの方々に助けていただきました。

私のモヤモヤした思考に伴走していただき、企画に落とせるまで付き合ってくださった紫乃ママ、コミュニティの研究の企画の相談に乗ってくださった小島さん、MBA受験に当たって様々なアドバイスをくださった萩原さん、WBSのお話を聞かせてくださった佐藤さん、そしてインスピレーションをくださった同僚のAkiraさん。皆さんのお力なしでは、このような道に進むことはできませんでした。改めてお礼申し上げます。

また今回、テクノロジースタートアップに勤めるコミュニティマネージャーである私がMBAを目指すという宣言をしたことで、他のスタートアップ界隈の皆さんや、悩めるコミュニティマネージャーの皆さんにとっても、そんな選択肢もあるんだという点が何かの刺激になれば嬉しいです。

もし私の話を聞いてMBAに興味を持った人がいたら、ぜひ一緒に目指しましょう。なお学ぶには先立つものが必要ですが、専門実践教育訓練給付金という素晴らしい制度が始まっており、認定を受けた日本の大学院で学ぶのであれば、ざっくり300万かかる学費(私学の場合)のうち112万が2年間で戻ってきます。それを利用しない手はありません。(戻ってくる金額は全体の額によって違います。ちなみに国公立の大学院はもっと学費安いです)

さて、私自身の整理と宣言のためにこのnoteをしたためましたが、もちろんこれはあくまでスタートです。2022年の春からどんな想像を超える旅が待っているかと思うと、とてもワクワクします。

人間は自分の知らないことは知り得ないので、新しいことに触れても自分の理解の範囲でしか体得できないことが、成長の一つの限界になってしまいます。特に、経験を重ねて自分の一定の勝ちパターンを身につけていくと、残念ながらその傾向は高まってしまうように感じます。私の場合は、元来思い込みが強く「これ」と決めたらそこしか見えなくなってしまう性格なので、これまで自分がIT業界/B2B SaaSプロダクト/マーケティングとカスタマーサクセス 、という狭い領域を深めてきたことで、自分の理解してきた世界が全てだと思い込んでしまう恐れがあると感じていました。MBAでの学びは、これまでの経験にない視点を得たり、違う価値観や知らないことに気づいて自分の枠を広げる良い機会にもなると信じています。

これから2年間は業務と学業の二足のわらじを履くことになるので、気分は出家した尼僧です。ハレの場にはあまり出てこなくなるかもしれませんが、「コミュニティの価値を経営者に理解してもらう」という課題を背負って将来コミュニティという業界に対して恩返しをしたいと思っていますので、どうか忘れずに待っていただければと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。それでは、皆さんにとっても2022年がよい年になりますように!

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