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エラスムス交換留学をすすめる3つの理由と応募動機書を公開!

こんにちは! エラスムスという交換留学制度を使って、ベルギーのブリュッセル自由大学(VUB)からスウェーデン王立工科大学(KTH)のマスターに留学中のアニゼ亜紀子です。

このすばらしい制度の恩恵を受ける人が増えたら良いなと思い、どんな制度でどんな利点があるのか、そして希望の大学に行くためのアドバイスを共有したいと思います。

エラスムス制度とは

制度について説明しいてるオンライン記事はすでに多く存在するのでさらっと行きます。エラスムス (ERASMUS) とは European Region Action Scheme for the Mobility of University Studentsの略で、ヨーロッパ圏内にある大学が連携している、世界最大規模の交換留学制度です。学生の交流を盛んにし、複数の大学で学び、都市で暮らす体験を提供してくれます。エラスムスプラスという制度では、ヨーロッパ圏外の大学とも提携していて、日本の大学からも使うことができるらしいです。同制度に参加しているのは学部生だけでなく、大学院生でも2年間のコースであれば、2年目に活用するチャンスがあります。

仏映画『スパニッシュ・アパートメント』をご覧になった方もいるかもしれませんが、あれはフランスの学生がエラスムス制度を使って、スペインのバルセロナに留学し、青春を繰り広げるストーリーです。大学院生は年齢がやや上でそこまでパーティピープルしてませんが、といってもヨーロッパでは学部を卒業してそのままマスターに進む、または1,2年のギャップイヤーをしてから進む学生が多いので、私の分析では22歳〜29歳の20代の子が中心です。私のように社会人を5年以上してから再び学生に戻るアラサーの学生は稀です(ザンネン!!)。

どこに行けるのか? 行き先の大学は、送り出してくれる大学で登録しているプログラムと類似した内容があるかどうかでリストが変わります。私の送り出してくれるブリュッセル自由大学(VUB)が2019年11月時点で提携していたのはこの地図に示されている27都市にある29大学でした。

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都市のリスト:Aachen, Aalto, Amsterdam, Barcelona, Bern, Bordeaux, Budapest, Frankfurt am Main, Gdańsk, Göteborg, Hamburg, Lausanne, Lille, Lund, Luxembourg, Malmö, Milan, Oslo, Paris, Prague, Stockholm, Tartu, Trondheim, Utrecht, Vienna, Warsaw, Weimar

VUBのコースではどれくらいの割合でこの制度が使われているかというと、同期の学生は30人くらいですが、実際に応募したのは10人ほどで、コロナの影響で交換留学生の受入れをキャンセルした大学、全てのプログラムをオンラインにした大学もあるため、実際に渡航して授業に参加した学生は、わたし含め5人程度で意外と少ないです。

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Master of Urban Studiesの同期集合写真。女子が多め。

エラスムスの良いところ1:お金です。

さて、この制度の良いところはなんといってもお金の面です。

まずは学費。自分を送り出してくれる大学に学費をおさめればよく、追加の学費はかかりません。そのため、学費がより低い大学から高い大学にエラスムスで行くとお得に授業を受けることができます。私の場合、VUBのマスターコース(Master of Urban Studies)に半年間で約10万円の学費を納めていますが、KTHのマスターコース(Sustainable Urban Planning and Design)は半年間で約75万円かかります。実に約7倍以上です! エラスムスを使えばこの差額を払わずに、より"高い"授業を受けることが可能になるのです。

そして生活費サポート。留学期間中、"返済不要"の生活費をエラスムス基金からもらえます。金額は月279ユーロ〜379ユーロで、行き先の国の物価によって決まり、スウェーデンは最も物価の高い国グループなので、月379ユーロが支給されます。食費やインターネット、生活必需品の買い物代はこれで賄えるので、自費で払うのは家賃と渡航費、あとは旅費が主になります。
なので、行った方がお得ということです!

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サポートで家賃まではまかなえませんが、アイス代にはなります;)

エラスムスの良いところ2:授業の幅が広がる

新らしい大学に移ることによって、とれる授業の幅が広がります。たとえば、VUBでとるべき必修&自由選択の授業は、地理学や社会学が多かったのですが、KTHでは、サステナブル都市計画とデザイン、環境正義などを学ぶことができます。大学の選択によっては、自分のより興味がある学びを深めることが可能になるのです。

ここだけの話ですが、VUBではすでに1年目に興味のあるものは全て取り終わっていて、2年目には評判の悪い授業が待ち受けていたので、それを避けたいというのも留学に行くモチベーションになりました。笑 

エラスムスの良いところ3:新しい文化を体験できる

交換留学を取り入れれば、2年間で二つの異なる都市に暮らすことができます。もちろん、一つの都市でじっくりと足場を築くという手もあります。わたしはベルギーの暮らしが好きですが、北欧に暮らしてみたいという夢があったので、今回応募しました。新しい土地に来ると慣れないこともありますが、新鮮な気持ちで暮らしをはじめることができ、また新たな出会いがあります。半年間という長さは、新たな都市に暮らすのに短すぎず長すぎず、ちょうど良いです。

旅行に行きやすい国も異なるので、旅行先の幅も広がります。たとえばベルギーからだと、オランダ、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、イギリスに週末旅、少し足を伸ばしてスペイン、ポルトガル、イタリアなどが行きやすく、スウェーデンからであれば週末にフィンランド、デンマーク、ノルウェー、エストニア、少し足を伸ばしてラトヴィア、リトアニア、ロシアなどに行くことができます。

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まだ夏の暑さが残るリスボンへ。

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クリスマスシーズンにアムステルダムに。

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360度の雪景色をインスブルックで。

いつ、どう応募するのか

ブリュッセル大学の場合、11月に制度に関する説明があり、応募の締め切りは翌年の3月1日でした。必要な書類は、1ページのモチベーションレター1通のみで、応募自体にかかる労力は大したことありません。希望の行き先を2つ選び、両方にレターを用意します。同じ大学に行けるのは最大二人までで、第一希望に通らなければ第二希望には行けるような仕組みになっています。わたしはストックホルムのKTHを第一希望にし、第二希望はスウェーデンのルンド大学にしました。KTHには応募が集中していたらしいのですが、幸い受け入れが決まりました。

希望の大学に行くためにおさえるべきポイント

希望大学に行くために重要だったのは、ずばり授業の成績だと思います。説明会のときには成績を基準にするなど選考を担当するコーディネーターの先生は何も言っていませんでしたが、実際にKTHに受け入れが決まった生徒は、全ての授業のテストを平均点以上でパスしており、追試はありませんでした。それに加え、わたしはモチベーションレターも熱意を込めて書き、英語ネイティブの友人にレビューしてもらってから提出しました。判断材料はスコアとこのレターになるので、できればちゃんと書いた方がプラスにつながるでしょう。

こちらが実際に提出したレターです。なぜ、なにをKTHで学びたいのか、自分が行くことにどんな付加価値があるのかをわかりやすく伝えることを意識して書きました。参考になれば嬉しいです:)

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スウェーデンのKTHを留学先にして良かった点

最後に、実際にKTHに来てみて良かったと思う理由を紹介します。他の大学に交換留学に行ったことはないのですが、KTHは交換留学生の受け入れ体制がとてもしっかりしていると感じています。

コミュニケーション面:留学生担当の部署があり、誰に何を聞けば良いかコミュニケーションラインがとても明確です。ビザ関連の必要書類などの受け渡しは迅速で、質問にはすぐにメールの返信がきますし、とにかくスムーズに進みました。

ロジスティクス面:留学生用のウェルカムデイズが設けられており、その期間に渡航した学生には空港からの無料送迎バス、寮に入る手続きのためのブースが設置され、スムーズに引越しができました。

ソーシャライジング面:最初の1ヶ月間は、友達を作り、この土地に馴染むために学生団体主宰のさまざまなイベントが用意されています。カラオケ、ボリウッドダンス、Fika、ハイキング、カヤック、パブ巡り、町歩きなどなど。バディグループ制度というのもあり、すでに通っている年次上の学生がフェイスブック経由で10人程度のグループを作ってくれ、その中でハイキングや飲み会などを開催してくれます。

ヨーロッパに留学する方は、この制度の恩恵を受けることをおすすめします!それでは、また:)!!


私の発信が、何かの役に立てたら嬉しいな。「心の声に耳を傾け、自然体で生きていく。」よりナチュラルで自分らしい暮らしに興味のある方に、今後も日々発見したことを共有していきたいと思います!