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映画パーフェクトデイズは禅の世界

海外にいると日本の映画は少し遅れてやってきます

パーフェクトデイズは、カンヌで役所広司さんが男優賞を取った作品。

昨年の作品ですが

今回見る機会がありました

内容は深く知らずに、スローな映画なんだろうなとは思ってましたが

言葉も少ない作品で、すごく監督が日本を理解して作られてるなーと思いました

あらすじはここでは詳しくは書きませんが、ネタバレにはなるので、それをご了承ください

ウィキペディアによると

映画製作のきっかけは、渋谷区内17か所の公共トイレを刷新する日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」である。プロジェクトを主導した柳井康治ファーストリテイリング取締役[10])と、これに協力した高崎卓馬が、活動のPRを目的とした短編オムニバス映画を計画。その監督としてヴィム・ヴェンダースに白羽の矢が立てられた

だそうです。トイレがもともとあっての映画なんですね。

出てくるトイレには驚かされましたけど。

トイレ掃除を丁寧にされる平山さんという男性が主人公で描かれてますが、
丁寧な仕事ぶりは日本人の掃除をいう理念を表していると思いました。掃除をするということを私たちは日常で普通にしていますが、海外だとゴミのポイ捨ては結構普通にされてるし、日本に行った海外の人が一番驚くのが日本は綺麗だということです。みんないいます。特に東京に行くことが多いから、ゴミ箱がない!というのを言われます。

見えないところまでしっかり掃除をされてるのが印象的でした。
冒頭では、そんな平山さんに対して二日酔い?の人は掃除中の看板を蹴飛ばしたり、迷子の男の子のお母さんは、子供の手をウェットティッシュで拭くのは、子供と手を繋いでいた平山さんに対してそういう目で見ていること。
トイレ掃除と仕事をしている人をそういう目で見てしまう人たちがいるという現実ですね
平山さんが丁寧に仕事をしている人だということなど関係なく。

そして、一緒に仕事をしている若者の役をしている柄本さんの役のタカシは、今の若者を見せていました。最初の携帯見ながら掃除してるのはちょっと笑ってしまいましたね。仕事にきちんと向かい合うことができない。私の周りにも10代の子が仕事してますが、携帯を手元から離すことができない子がほとんどですから。そうして結局すぐに仕事を辞めてしまいますしね。お金に困っていたり、女の子のためにお金が必要だからと平山さんにお金を借りて返さなかったり。そうかというと、ダウン症の幼馴染のことを可愛がっているというところもあるし。悪気があるわけじゃないかもしれないけれど、自分のやっていることが見えていない感じ。タカシの後に仕事のできる女の子が来た時の嬉しそうな顔は、タカシがいなくなって困ったけれど、いなくなった結果いい方向に行ったんだってことですね。

毎日が同じルーチーンでも、朝ドアを開けて出てくる時に毎日違う天気を感じながら、それでもまた1日が始まる。同じような毎日でも毎日何か違うことが起こっている。小さなその変化が楽しいんだって顔を見せてくれてました。写真も同じ場所を同じようにとっても、毎回取れ方は違う。その一瞬一瞬を感じることが生きることなんだ。
フィルムで撮るのはその一瞬を切り取ることができるんでしょうね。シャッターを押す瞬間に。写真は白黒だし、寝ている時に見える朧げな映像も白黒。

これは何を意味してるのか?だけど。

こうやってちょっと考える場面の多い映画でもありましたね。役の背景も全く説明がないまま流れていくので。想像力が養われます。笑

平山は昔大きな会社でバリバリやってたんだろうっていうのは、娘を迎えにきた妹を見ればわかるようになってて、そこからなぜ今の生活になったのか。

きっと会社というものに振り回されて、それも親の元で振り回さえ、今やっと自分の時間と生活ができてることに満足できているのかな。

家族というものを捨てたのではないかと思えるシーンが出てきて。ただ、やっぱり家族に会うと、そのつながりを恋しく思わずにはいられなかったのが、あのハグだったんだろうな。

生きるということをテーマにされてると思うのですが

一瞬一瞬を生きることで、その中に幸せを見つけることはできるよと。

それを選ぶのは自分。

この世の中には、いろんな生き方があるし、自分の知らない世界もたくさんある。それでも、自分がいきたいところに進むべく、次は次。今じゃない。今は今の話をするべき。そうすることで、いきたい世界にいくことができる。

三浦友和が演じる友山との会話。バーのママの元夫である友山はがんで余命がない。命がなくなる前の彼との会話。

影が重なると濃くなる。

人と人が重なり合うこと

人と人の出会いが

人の生活を濃くするし

そこに生きる意味があると平山は思うからこそ

影が重なると濃くなるといい

友山は人とのつながりに意味を見出せてないせいか

影の色は変わらなくみえてしまう

最後のシーンで、

泣いたり、
笑ったり
困ったり

いろんな感情を表現していて

人はいろんな感情を経験するし

それが生きることなんだと

そう伝えてきてた

以上は

独断と偏見で映画の感想を書いてみました。

シンプルに

でも深く考えさせるように

白黒をうまくつかって

こちらにテーマをなげてくるような
そんな映画でした。

音楽も懐かしいものもあったし

しらないもありました

どの場面でどの音楽を使うのか

そのマッチングが

懐かしいような

なんかわかる世代で

この映画を若い人が見たらどう思うのか

ちょっと興味深いですね

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