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夏祭りで裏方の仕事に魅せられた少女が、クリエイティブディレクターを目指すワケ

秋田を拠点に、企画・広報の仕事をしている あすさん。

NEON ACADEMYの同期として出会った彼女は、オンラインの画面上でも、見ているこちらがほんわかしてしまうような、やわらかい空気をまとっています。

企画制作の会社でディレクターをしている あすさんが、どうやって「好きな人と、好きな場所で、好きな仕事をする」を叶えてきたのか。「裏方が好き」という言葉にこめられた想いは何なのか。NEON ACADEMYに入った経緯とともに、お伺いしました。

〈聞き手:Akiko(NEON ACADEMY1期生)〉


あすさんのプロフィールと経歴

毎年、大好きな和歌山でみかん狩りをする あすさん

【プロフィール】
名前:あす
出身地:和歌山生まれ、5才より兵庫育ち
血液型:A型
職業:会社員(企画制作の会社にてディレクターとして勤務)
好き:ドーナツ、渓流釣り、フィルムカメラ、ローカルチェーン店 など

【経歴】
2016年: 大学進学のため上京

2017年〜2021年:やりたいことを欲張り自由気ままな学生生活を送る
・バックパッカー・PEACE BOAT乗船
・キャンピングカーでアメリカ横断・タイ チェンマイのゲストハウスでフリアコ・インド ニューデリーにて日本食レストラン/ホテルでのインターン
・ホノルルマラソン完走・ダイビング アドバンス資格 取得・リゾートバイト・ゼミの研究も全力!・イベント制作会社での学生インターン

2021年4月:学生時代のインターンを経て、都内のイベント制作会社へ入社

2022年1月:パートナーを追いかけ、拠点を秋田県東成瀬村に移す
(引き続き仕事は継続)

2024年現在:平日は会社員 休日はパートナーが営むドーナツ屋さんのお手伝い

原体験は夏祭り。遊ぶより大人のお手伝いが楽しかった

あすさんの育った伊丹は、毎月マルシェが開催される楽しい街

ーーイベントの裏方をするのが好きだと聞きましたが、いつから好きなんですか?

あす:初めて裏方を経験したのは、小学校1年生の夏祭りでした。子ども会で企画や運営のお手伝いをしたんです。まだ子どもなので、お祭り当日になるとみんな遊びに行ってしまうんですけど、私は残って大人のお手伝いをするのが好きでした。

ーーそんなに幼いころからですか!小学1年生だったら、お祭りで遊びたいのが普通ですよね。お手伝いをしたい子がいるなんてびっくりです。何が楽しかったですか?

あす:小さいころなので具体的に覚えているわけではないですけど、大人のお手伝いをしながら、ゲストではなく裏方でいることが楽しかったです。いま思うと原体験だったのかもしれません。

地元の音楽フェスで、ボランティアの運営スタッフに手を挙げる

あすさんの地元、兵庫県伊丹市では、2014年に無料音楽フェスITAMI GREENJAMが始まりました。プロをほとんど介入させずに、地域手作りの文化祭形式で作り上げる事を最大のコンセプトとしているフェスティバルです。あすさんは2015年に運営スタッフとして参加しています。

ーー立ち上げたばかりのイベントで大変だったのではと思いますけど、運営スタッフになったのは あすさんが何才のときですか?

あす:高校3年生でした。地元でボランティアの運営スタッフを募集しているのを知り、応募しました。

ーー高校3年生!その年齢で学校外のイベント運営スタッフに興味を持つなんてすごいです。

あす:年上の方ばかりだったので、かわいがってもらいました。ゴミを拾ったり、物を運んだり、困っているお客さんがいたら報告したり、何でもするお手伝いです。手が空いているときはフェスを見ることもできました。大変だけど楽しかったし、お客さんにも喜んでもらえて、イベントの運営っていいな!と思いました。

イベントの企画運営に明け暮れた大学時代 ピースボートとインターン

BackpackFESTAを準備するTABIPPO学生支部のメンバー

ーー大学1年生でTABIPPO学生支部に入ったそうですね。学生支部って具体的に何をするんですか?

あす:毎年開催されているBackpackFESTAという、旅行に興味がある若者向けの旅イベントの運営です。全国の大学生がボランティアの運営スタッフになり、前の年の7月くらいから毎週のようにミーティングを重ねて準備します。大学1年生のわりには全力で取り組みました。

ーー青春ですね!終わったら号泣しそう…。あすさんの年には何をやったか覚えてますか?

あす:私が参加した年は、SHINEというイベントを初開催しました。簡単に言うとミスコンの旅する女子バージョンです。たしか当時はSNSや広報を担当したと思います。

ーーさすが大学生、裏方の内容も、より具体的になってきましたね。裏方にも色々なポジションがあると思うんですけど、あすさんはどんなタイプですか?

あす:私はみんなを盛り上げたり先導するようなタイプではなくて、黒子に徹するのが好きです。プランを立てて、コツコツと達成していくのが面白い。かといって1人で黙々という感じでもなく、やっぱりチームで動くのが好きですね。文化祭とかも張り切るタイプでした。

ーーイベント運営の熱が高まっているタイミングで、大学2年生から休学したそうですね。何かやりたいことがあったんですか?

あす:ピースボートで世界一周の船旅に出るためでした。TABIPPOの学生支部には旅好きが集まるので、世界一周という言葉もわりと身近だったんです。でもいきなりバックパックで1人旅をする勇気はなかったので、まずはピースボートで世界一周してみることにしました。ビラを貼ることで参加費が安くなるので、3000~4000枚くらいのビラを貼って無料で参加しました。

ーーピースボートではどんな思い出がありますか?

あす:日々の生活が楽しかったです。和太鼓にも熱中しました。あとは、企画チームに入って船でお化け屋敷を開催しました。お化けになるわけではなく、運営の方です。

ーーまさか世界一周中も船の上で企画・運営をしていたとは!本当に好きなんですね。

あす:休学している時間をムダにしたくなかったんです。他にも友人とキャンピングカーでアメリカを横断したり、チェンマイで暮らしてみたり、インドでインターンをしたりと、充実した1年でした。

ーーそして大学3年生で復学するんですね。

あす:はい。大学3年生からはイベント制作会社でインターンをしました。そのまま就職したので、今も同じ会社で働いています。小さな会社だからすぐに1人でイベントを任せてもらえて、コンテスト運営や地域のプロジェクトを担当しました。会場を押さえたり、実現に必要なスタッフを集めたり、必要なものを揃えていく仕事です。

ーーほぼクリエイティブディレクターの仕事ですね!!

仕事の裏側

パートナーを追って秋田へ 「あったらいいな」を叶えるドーナツ屋とマルシェの挑戦

大学と就職は都内だったという あすさんですが、社会人を1年半ほど経て、パートナーが暮らす秋田へ移住されました。

ーー盛り沢山の大学生活のようでしたが、パートナーの方とはいつ、どのように出会ったんですか?

あす:きっかけはドーナツです。ピースボートのビラ配り中のおやつとしてドーナツにハマり、コンビニのものを食べくらべたり、おいしいドーナツ屋さん巡りをしていました。そのままドーナツ愛が冷めず、インターンと並行して、ドーナツ屋 でアルバイトを始めました。そこで出会ったのが、今の旦那さんです。

ーー出会いのエピソードが、かわいすぎます…!それで秋田に行くことなったのは、どういう経緯なんでしょう?

あす:私が大学4年生のときに、彼が地域おこし協力隊として秋田の東成瀬村に移住したんです。なかなか東京に戻ってくる気配がないし、何より毎日の生活が本当に楽しそうだったので、1年半の遠距離を経て私も移住しました。フルリモート勤務OKの会社なので、仕事も変わらず続けています。

ドーナツの結婚指輪(仮)

ーー東成瀬村はどんな場所ですか?

あす:家の目の前が川、後ろにはスキー場があり、夏はウェーダー(川釣りなどで着る、足から胸まである胴長の防水スーツ)を履いたまま国道を歩いて釣りに行けるし、冬はウェアを着たまま車で10分でスノボができる環境です。アウトドア好きとしては最高の環境。都内にいたときは、一大イベントだった釣りやスノーボードが日常の中でできちゃうんです!

ご夫婦でアウトドアを楽しめる暮らし

ーーそれは最高ですね。うらやましい!イベント制作会社のお仕事は今も続けられているとのことですが、秋田に移住して、ほかに生活の変化はありましたか?

あす:パートナーがドーナツ屋さんを始めたことですかね。友人に「秋田でワークショップをするから、ドーナツを出してほしい」と頼まれたのがきっかけです。そのときは元バイト先の冷凍ドーナツを取り寄せたんですけど、そのドーナツの評判がすごく良くて。

私の暮らしている村には、コンビニが1軒と商店が数軒。ふらっと呑める場所やカフェもありません。それで私のパートナーが「釣りに行く前にふらっと寄れるドーナツ屋さんがほしいよね」と、村を拠点にドーナツ屋を始めました。私も土日はお手伝いしています。

旦那さんが試作を重ねて生まれたドーナツ

UCHINO DOUGHNUTS
東北産小麦100%で作るイーストドーナツ
秋田を中心にイベント出店中
https://www.instagram.com/uchino_doughnuts/

ーー村においしいドーナツ屋さん、うれしいニュースですね。秋田に行ったらぜひ食べてみたいです。

あす:あとは友人がマルシェをやりたいと言っていて、5月から毎月開催できるように、ほかの移住者や地元の人たちも巻き込んで準備しています。今まで村の行事というと毎年恒例のもので、新しい何かを始めようとする人がいなかったようです。だから本当に初めての試みですけど、有志のみんなで頑張って準備しています。

ーー今まで何かやりたいと思っても、実現の方法がわからなかったのかもしれないですよね。企画運営をしてきた、あすさんだから出来ることがありそうです!

NEON ACADMYで見えてきた自分の強み

ーーあらためて、なぜNEON ACADEMYに入ったんですか?

あす:イベントの企画・広報を行う中で、最近はSNSの運用やWEBサイトのディレクションなどに携わる機会が増えたので、改めて勉強し、スキルアップしたいと思い入会しました。講義を受けていると、これまでの仕事でやってきたことに当てはめて「こういうことだったのか〜」と思うことが多いです。

ーーたしかに、あすさんはすでに実践の場でディレクションの経験を積んいますよね。その中でもクリエイティブの要素が増えてきたということですね。

あす:クリエイティブに興味はありつつも、きらきらおしゃれな世界だろうなと思い、飛び込むのは少し勇気がいりました。でも上司が「学んでおいで」と背中を押してくれたんです。

ーー受講してみて、どんな学びがありましたか?

あす:クリエイティブディレクションにも自分のタイプに合ったやり方があるということを知りました。

たとえば私は目標が決まっているものを、どう実現していくか考えるのが好きです。計画を立てて、リサーチして、タスクを整理し、コツコツとアクションを実行していくことが得意です。

逆にゼロイチで新しいアイディアを生み出すことや、人前でプレゼンをするようなことは苦手です。でも、苦手なことは必ずしも自分がやる必要はないと講義で知り、すごく気持ちが楽になりました。

ーーあすさんのように確実にプロジェクトを進めてくれるタイプの人が舵をとってくれたら、チームメンバーも安心して動けますね。今後どんなクリエイティブディレクターになりたいですか?

村の仲間たちと「こんなものがあったら嬉しい」を一緒に叶えていける、ひとりひとりの想いに寄り添える、頼れる クリエイティブディレクターを目指したいと思います!

ーードーナツ屋さんとマルシェが、大きな一歩ですね!これからが楽しみです。

冬季限定のスキー場での営業。かわいい…!

あすさんのSNSはこちら
Instagram: https://www.instagram.com/asuka.i014/
X: https://twitter.com/asu1014ike
note: https://note.com/asukaikeda_


おっとりした雰囲気とは裏腹に、あすさんは超がつく行動派。
でもご本人は「大きな目標とか、とくにないです。毎日を楽しく幸せに生きていられたらいい。」と言っていたのが印象的でした。
あすさんにとっては、目の前にある「裏方」という仕事を、純粋に全力で楽しんできただけ。その延長線上にすてきな今の暮らしがあるのだと思いました。

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〈取材・文=Akiko(@akikography)/写真=ご本人より提供〉

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