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推しの5年、私の5年

節分の日、私はちょっとドキドキしながら外に出かけた。
自宅から歩いて行ける距離にある「成田山不動尊」の節分祭を見に行くためだ。
節分祭には毎年、NHKの朝ドラの出演者がやってくる。今年は「ブギウギ」から愛助役の水上恒司くんと、秋山役の伊原六花さんが参加するという。

ドキドキしていたのは、水上くんが来るからだ。

遡ること5年前。
当時はまだ「推し活」という言葉はなかったけど、私はかなり水上くんを「推し」ていた。水上くんは「中学聖日記」という有村架純さん主演のドラマで、有村さんの相手役「黒岩くん」を演じていたのだ。

鮮烈なデビューであった。
相当な美少年であった。
おばさんは、おばさんということを忘れて黒岩くんにハマり、ドラマを毎週楽しみにしていた。番組が始まる22時までにいかに子ども2人を寝かしつけ、食器洗いなどの家事を終えるか、真剣に考え行動した。

そして、こんなことも考えた。
「成田山の豆まきに、この子がいつか来てくれたら、嬉しいなあ〜」。

* * * * *

そして5年後、本当に来たのだ。「いつか」が来て、水上くんが本当に豆まきに現れたのだ。
同時に、デビューからたった5年でNHKの朝ドラで役を得て、印象に残る演技をし、国民的な認知度を得たことに、「水上くんってすごいな」と素直に感動した。

ぶっちゃけ、5年間ずっと「推し活」していたわけではない。子どものことで手一杯だったし、出演作が好みじゃないとわざわざ見ることはしなかった。
だけど、『望み』や『青天を衝け』を見るにつけ「俳優業が楽しくて仕方がないんだな」と心の中で応援していたし、何より事務所とのゴダゴタには胸が痛んだ。
心のどこかで、水上くんのことを応援していた。

私自身の5年はどうだっただろう。
下の子どもがようやく7歳になった。水上くんの5年と私自身の5年は、全く比べ物にならない。
私の再出発は、今がスタートラインだと思っている。5年でこんなに飛躍できるという、水上くんは私のお手本になった。

誠実な人なんだろう。
豆(成田山では落花生をまく)を遠くの人まで届けたかったらしく、めちゃくちゃ頑張って投げていた。裃(かみしも)の肩衣(かたぎぬ・上衣のこと)が何度かはだけて、担当の人がその度に着付け直していた。(トップ写真は、はだけたところ)
一緒にいた夫(元野球少年)は「さすが、いい投げっぷり」と褒めていた。(私の夫に褒められても、、、ですが)

そういえば、祈祷を終えて「さあ、いざ、豆まきへ!」という時、右手の拳を握ったり開いたり、右肩をぐるぐる回してほぐしたり、やる気にみなぎっていたなあ。
好青年、というマスコミの評価は事実のようです。

それにしたって、肌が美しかったですよ!水上くん!

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