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フランスへの旅6 ロマンと、ファニー

アストゥリアスを出たのが土曜日で、フランスの友達の家に着いたのが金曜日。
高速道路は一度も走らずに、景色を見ながら、数多くの村々を走り抜けて、到着したのは、友達家族が住む、この村。

2018年くらいに、知り合った、フランス人カップルの、ロマンとファニー。
当時、彼らは私が勤める大学の図書館前で、サンドイッチを売っていた。明らかにチリ人じゃなく、スペイン語も下手くそだったので、どこから来たの?と聞くと、フランスだと言う。
明らかに美味しそうなサンドイッチは、やっぱり美味しかったし、チリではじめて食べたエクレアも最高だった。エクレアって作れるんだと感動した。
全て手作りなのにお手頃価格なので、自分と似た物を感じ、仲良くなりたいなーと思っていたら、フェリア仲間の友達クロケテンから、「最近仲良くなったフランス人のカップルも交えてご飯食べよう」言われ、行ったら彼らがいた!

食いしん坊なのと、「チリ人に、オリジナルの味を低価格で提供する」という哲学が同じで、私たちは仲良くなった。さらに、ロマンはチュースに似ておおらかで酒飲み。大工仕事も好きだというので、彼らは意気投合。
ファニーは旅好きで一番好きな食べ物は、ラオスで食べたラープだという、アジアメシが好きというので私たちは意気投合。

当時、ピザ屋を始めたフェリア仲間のクロケテンのお店が、立地も大きさも気に入って、クロケテンには、「もしお店を変えるなら、私そのお店を引き継ぎたい」と言っていたのだが、「ファニーとロマンも同じことを言っていた」とクロケテンが言うので、じゃあいっそうのこと、一緒に食べ物屋さんをやろうか、という話になり、一緒に説明を聞きに行ったりもした。
私たちは2020年のアジア旅を控えていたので、それから帰ってきたらやりたいなーと言っていた。

クロケテンのピザ屋が斜向かいの大きい店に移り、彼らがそこに、お店を出したのを知ったのは、アジア旅行中の2020年の2月で、その数週間後にチリでもパンデミックが始まってしまった。
彼らはお店はサンドイッチがメインで、デリバリーだった為、パンデミックでも問題なく営業できたけど、問題だった?のは、ファニーの予期せぬ妊娠で、発覚したのが、お店の開店準備をしていた時だったらしい。
8月に私がアジア旅行及び日本滞在を終えてパンデミック下のチリに帰ってきた時には、彼女のお腹は大きくて、その2ヶ月後には長男が誕生した。

なんという忙しさ!ファニーは当時35才くらいで、子供が欲しいと言っていたし、ファニーがロマンと付き合うことにした理由の一つが、ロマンが「ぼくは専業主夫になりたい」と言っていたくらい子供好きだったので、忙しい中でも、彼らはとても幸せそうだった。
パンデミック下でいろんな制約があったとはとはいえ、お店はうまく行ってたけど、問題は、長男が生まれた数ヶ月後に、次男の妊娠がわかったことだった!

強気のファニーも、「これは無理だ」と思ったらしい。うまく行っていたお店を畳むのはとても残念だけど、もし人を雇ったら経費がかさむし、乳飲み子をあやしながら、1日中働き、生まれてくる子供の心配を、しかも、見通しがつかないパンデミックの中するのは、どう考えても大変過ぎる。というわけで、勇気ある帰国を決断した。
2021年の6月に、彼女が長男を連れてまず帰国し、その後、ロマンが畳んだ店の片付けをすることになったのだけど、そのとき、チュースが手伝って、私は7月にロマンが愛犬を連れて帰国する時に、マルセロの運転でサンティアゴまで送っていった(というか、愛犬のケージが大きすぎて、普通の車では乗れなくて、私の車は普通より少し大きいので、断れなくて、そういう羽目になった)

(続く)

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