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女性リーダーのロールモデル、キラキラ強そうに見えちゃう問題

「◯◯さんみたいになれません」

「◯◯さんだからできると思います」

女性リーダーであれば、誰もが言われたことがある一言ではないだろうか。

何か力になれることはないかと自分の経験や考え方を共有しているつもりなのだが、こう片付けられてしまっては、なんとも言えない気持ちになる。

いったい何が起きているのだろう。


キャリアのロールモデルが少ないと

20代後半で会社を設立した頃、あるメンバーに「あとは結婚して子どもを産むだけですね」と言われたことがある。女性役員は私だけだった。上手く反応できなかった気がするが、期待されても無理なものは無理だなあと思った。

そして、このままではダメだ。女性社員が見る景色が貧しい会社にはしたくないと思った。

他社の女性役員からは、「あまりメディアに露出したくない」という声も聞く。自分では普通だと思うことを話しても、どうしてもキラキラに、あるいはギラギラに映し出されてしまう。メディアに出るほど、メンバーと距離が生まれてしまうと言う。

キャリアのロールモデルが少ないと、「うちの会社には女性リーダーがいないから不安」となるし、女性リーダーがいたらいたで「◯◯さんみたいになれない」となる。

「私にはできない」と結論づける理由

先日、他社の女性リーダーに、私のメンバーに会ってもらった。私にはない経験をメンバーに話してくれた。

帰り道に、メンバーとこんな話になった。もちろん会社に先輩のロールモデルがいればいいが、メンバーからすると比べてしまうらしい。話は分かるけど、◯◯さんの働きぶりや成果が前提になっているのではないかと。◯◯さんと比較すると、自分は足りてないからその選択は出来ないと結論づけてしまうと。

今回は他社の先輩だった。その方の働く姿を知らないから、話してくれた内容をそのまま受け取れたのかもしれない、と話してくれた。

このケースも、ときと場合によるだろう。今回は、世代や価値観といった複数の要素が違和感なく重なったから、比較せずにすんだのだろう。

キャリアのロールモデルは社外にも見つけよう

社内外の女性から、「管理職に打診されたが迷っている」という相談をもらうことがある。当然、会社の状況や個人の事情は人それぞれだ。

どういうケースであれ、「挑戦したい気持ちが1ミリでもあるなら、やってみようよ」と背中を押すことにしている。

これまで見てきたリーダーと同じことをする必要はない。

自分なりのスタイルを見つければいい。

決して簡単なことではないし、そうしないとやっていけない世界でもあるが、それ以上に得られることがあると思うからだ。

女性のロールモデルという観点では、どの会社も、その景色は乏しいだろう。

女性メンバーには、見える範囲だけで「◯◯さんみたいになれない」と静かに引くのではなく、社内外で、いろいろな選択肢や考え方があることを知ってもらいたいし、私は、そういう機会をつくっていきたい。


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