見出し画像

民間宇宙開発時代の幕開け。SpaceXのDemo-2打ち上げで世界は変わる、の話

皆さんおはようございます。あきまるです。ついにSpaceXから世界初の商用有人飛行が行われます【打上予定時刻:2020/5/28 5:33(JST)→2020/5/31 4:22(JST)に延期】。

今回は、SpaceXって何なのか?Demo-2って何?について記事にしたいと思います。

見出し画像出典:TIMESNOWNEW.COM

世界初の「商用」有人宇宙飛行

実は米国は、スペースシャトルが退役した2011年以降は、有人宇宙飛行を実施していませんでした。宇宙飛行士はすべてロシアのソユーズを利用してISS(国際宇宙ステーション)と地球を往復していたわけです。

そんなわけで今回のDemo-2は米国にとっては実に9年ぶり、そして世界にとては初の「商用」の有人宇宙飛行ということで注目を集めています。

SpaceXって何?

SpaceXは民間のロケット会社です。テスラでも有名なイーロン・マスク氏がCEOを務めています。おそらく世界で最も有名な民間の宇宙関連会社でしょう。

2010年に商用ロケットのFalcon 9(ファルコン9)の初打ち上げに成功し、現在までに80回以上の打ち上げに成功しています。また、より多くの物資を運べるFalcon Heavy(ファルコンヘビー)も2018年に初打ち上げに成功し、現在までに3回の打ち上げに成功しています。

画像1

画像出典:SpaceX

Falcon9と同規模のロケットの打ち上げコストが100億円を優に超えるのに対し、Falcon9は約66億円です。また、Falcon Heavyと同規模のロケットが500億円程度と言われるのに対し、Falcon Heavyは約90億円です。従来の基準からすると考えられない価格ですよね。価格破壊です。

そして何がすごいって、このロケット、第一段部分と呼ばれるロケット下側部分が再利用できるんですよ!従来の打ち上げではその部分は制御落下させて海に廃棄していたわけですが、それが地球に帰ってきて射場に垂直に着陸するのです。ビルのような大きさの物体が空から舞い戻ってきて、しかもそれが垂直に着陸するのだから、すごい技術力ですよね。

動画出典:SpaceX公式YouTube


そんなSpaceXは、2022年には独自の火星への物資輸送ミッションを、2024年には火星への有人探査ミッションを目標として掲げています。昔からビックマウスで有名なイーロン・マスク氏でしたが、着実に宇宙開発を進めており、ついに今回、世界初の商用としての有人宇宙飛行実施にこぎつけました。

2回ほど、彼の講演を生で聴く機会がありました。そのとき「火星植民計画」の具体案を発表していたのですが、冷静な話しぶりながらも、とてもエネルギッシュでカリスマ性のある方だな、という印象を受けました。

Demo-2の位置づけ

Demo-2というだけあって、実はDemo-1というものが2019年にありました。Demo-1は、無人のCrew Dragonというカプセルが、ISSとわずかな時間ドッキングして地球へと戻ってくる、というものでした。

これだけでも十分すごいのですが、今回はついに有人での宇宙飛行になります。NASAの宇宙飛行士のBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏の2名が、SpaceX社のCrew Dragonに搭乗し、Falcon 9でISS(国際宇宙ステーション)を目指します。そして、その後ISSから離脱し、地球に無事に帰還するまで、がDemo-2のミッションになります。ミッション期間は最短30日、最長119日と言われています。(図のミッションの流れの中に平然とロケットの着陸が描かれているのがすごい…)

画像2

画像出典:SpaceX

実はDemo-2はCrew Dragonカプセルが正規ミッションとして飛行を開始することが認可される前に必要な最後のデモミッションにあたります。これで成功すれば、晴れてSpaceXの輸送システムがNASAの商業有人宇宙飛行の輸送システムとして認められ、今後の輸送手段の主流になっていくわけです。

次はCrew-1

Demo-2が成功すれば次はいよいよ正式運用になります。正式運用の1号機ミッションはCrew-1と呼ばれ、このミッションではNASA、JAXAからの4名を宇宙に運ぶ予定となっています。JAXAからは野口聡一氏が搭乗することが決まっています。これまでと同様に打ち上げは、JAXAやNASA、SpaceX社等によってライブ中継されるはずですので必見です!

まとめ

今回はSpaceXのDemo-2打ち上げについてまとめてみました。

今まで宇宙機関主導だった宇宙開発が、ついに民間主導でここまで来ました。今後数年で宇宙開発市場は大きく変わります。その時代の立役者がおそらくSpaceXであり、今回のDemo-2の打ち上げ成功が果たす役割は非常に大きいでしょう。

2020/5/28 5:33(JST)の打ち上げは悪天候のため延期となってしまいましたが、次回2020/5/31  4:22(JST)も必見ですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

この記事が参加している募集

スキしてみて

よろしければサポートいただけると励みになります。いただいたサポートで何か記事にできるような面白いことができればと思っています。よろしくお願いいたします。