私の人生を変えた出会い⑦
初めてお金をいただいて写真を撮るようになるのです。でも実は『お金をいただいて撮影する』中で大きな失敗をするのです。
それは、SDカードから早くデータを渡したいと、携帯にデータをつないだ途端、データがふっとんだ!!!!
その時のパニックはすさまじいものでした。
「わぁーどうしよう」と顔面蒼白になりました。
しかも取り直そうとしたら、突然の大雨で撮れず結果的にデータ損傷リカバリーを買って取り戻すという苦い経験をしております
その後
「あきなちゃんの写真が好き」「表情が自然」と褒められるようになるものの、次第に違和感を感じるようになりました。
私が撮っている写真と、他の方が撮っている写真って似ているなぁと。
私らしさが出ているってどこだろうって。2年目でスランプになるらしいですが、私はカメラをもって半年でスランプになりました。
この写真は私が撮りたい写真じゃない気がする
でもどうしたらいいのかよくわからない
私じゃなきゃ撮れない写真じゃない
私はそれが嫌だったのです。。。
そんな時にまた奇跡的な出会いがあるのです。
昨年私は『DRESSCHANGE』という企画に参加していました。
その本番後のアフターパーティでの出来事
私の隣には、ある方が座っていました。
ぶっちゃけ初対面で近づきにくい印象で
「私、この人苦手かも」って思っていました。
でも、偶然でも隣になったのだからしゃべってみようと思い私から話しかけてみました
その方はずっとカメラで撮っていて、フォトグラファーでした。投稿で見かけていましたが、そこまで私は興味なかった
どうせ、カメラ10年以上やっている大ベテランなんでしょ
くらいに思っていた。
その方に「カメラもって、どのくらいなんですか??」って聞いたところ衝撃的な答えが返ってきたのだ
「ふん??1年かなぁあああ」
「え、1年なんですか」と私がびっくり仰天!!
「そうだよぉおおおお」
「それでこの写真が撮れるんですか」
「そうだねぇー」
そう答えたのが山本貴之さんでした。画家さんでもあります。
その話を聞いてから、興味を持ってしまい、アフターパーティどころの騒ぎじゃなくなってしまいました
試しに撮ってくれ、それを手持ちのiPadで編集した写真があまりにも衝撃的すぎて、私の頭の中には何も音が入ってこなくなりました。
1年でこれ!!
私は自分がカメラ歴を言うのを躊躇していました。だってまだカメラ持ってからすぐだと、まだまだだねって思われそうで怖かったから。
でもたかさんは違った。何も臆することなく「1年だよー」って答えたし、「カメラ歴=写真のクオリティ」という陳腐な発想を私がしていたことに気づかされた
残像にも残る写真をたかさんは、その場で作り上げたのだ
帰りの新幹線の中で、ポカーンとしてしまった
写真の世界観っていうものの概念を全部覆された瞬間だった。。。
私もこんな世界が作れるのだろうか。。。。途端に自信がなくなったのだ。。。
私は3度ほどたかさんから編集を教えてもらった。私が編集を教わったのはたかさんだけだ。
「こうやってね、こうやってね、こうやるとね、ほらね、こんなんができるよね。こっちが好きかな、こっちが好きかなって、俺はこっちが好きかな」って
たかさんに撮ってもらった私の写真が、たかさんの手によってもっと生きてくるのだ。魂を感じるようになるのだ。そこに命が吹き込まれたように今でも動き出しそうな絵になる。
目の前で繰り広げられていく変化の仕方に、私の脳は全くついていけなくなった。
「自分の好きを貫いたらいいんだよ」とたかさんは教えてくれた。
「私が自分の好きな世界を貫くのは怖いんだよね」と言うと
「なんで」って。
たかさんには決めつけがないのだ。
人が話したことに対して「なんで??」と聞いてくる、これもまたセッションだと私は思っていた。
「なんでそんなことを思ったのか、理由がやっぱりあるからだ」たかさんは聞くのだ
私の中で、私の世界を切り開くのが怖かったのは
「今私のことを支持してくれているお客様(被写体)の方が、あきなちゃんの写真変わってしまったよね。」
と言われるのが怖かったからだ
「誰からもいいと思われなかったらどうしよう」という気持ちがあったからだ
それに対してたかさんは
「それは絶対にない。それを好きだと言ってくれる人が必ずいる」と。
私はそれまでものすごい枚数を渡していた。目つぶり以外の本当に全データだと。でも正直これをPF写真に使ってほしくないっていう気持ちもありながら渡していた。
それをたかさんに伝えたところ
「なんでそのデータを渡すの??」
とまた「なんで」質問が飛んできた。
たかさんも自分で考えさせるのだ。
そこがいいのだ。自分で「こうしなきゃいけない」っていう勝手な思い込みに気づかせてもらえるから。
「お客様は、たくさんデータもらった方が嬉しいと思うから」
でも「あきなちゃんは気に入らないんでしょ。渡さなきゃいいじゃん」
「ごもっともだ」
「私が気に入らない写真を渡して、気に入って欲しいってどんだけおこがましい行為をしてきたのだろうか」
それ以来私は気に入ったデータしか渡さない。
枚数も撮っている数よりだいぶん少ないかわりに
1枚1枚の編集時間はものすごく長い。
今までデータを送るだけだったところから、1枚を調節して世界を作り出すためにものすごく長い時間かけて作っている。
それを半年続けた。毎日5枚は編集するって決めて(たかさんがやる量だよって教えてくれたから)やり続けたら、最近では写真を見ただけで、どこの何を触ってこの写真を作ったんだろうという事が、他の方の写真をみてわかるようになった。
私自身が私自身の写真が大好きで、大好きだからそれが伝わるということを初めて知ったのだった。
おわり
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