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マツエクのお姉さん

今日は久しぶりにマツエクをしに行った。
頻繁にしていたら目頭の辺りが薄くなったので去年はマツ育期間だった。
久しぶりに来た行きつけは、推しが退職していて悲しくなった。

1年もあれば色々あるよね~。

とりあえず指名せず予約した。
入口でゴリッゴリのギャル姉さんが出迎えた。

コートを受付で渡す時に爪を見た、10センチくらいあるスカルプネイルがするどく光っている。
えぐいピンクのドットが散りばめられ、そのうち一本に糞でかいキティちゃんがいた。

バレンタイン仕様だ……

これが街中とかで見たならまだ怖くないんだけど、これからデリケートなお目元をまさぐられるので少し恐怖が生まれた。
先端恐怖症ってこんな感じなんだろうな…

促されて椅子にかける、長い爪で器用にブランケットをかけられた。彼女が怪物だったら確実に破ってるするどさ。

背もたれを倒されながら恐怖はピークだった。
注射の前の針とかジェットコースターの緊急点検直後に順番とかそういう類いの、とにかくあの爪への不安が脳裏をよぎる。

エクステはまず下まつ毛を全てテープで押さえる。
これが難関で、たとえ爪を短くしていようがなかなか手こずる人もいる。
普通だったらあっかんべーをさせるように片方の手で皮膚を引っ張り素早く貼るが、何か固い、プラスチックのようなものに皮膚を引っ張られた。

これ、、、爪で皮膚引っ張ってる!?!?!?
しかも引っ張りかたが独特で、2点を各方向に引っ張ることで圧を分散させてる…
あんまり…痛くない…
あと…ヤニの匂いすごい…

この時点で私の恐怖は安らぎ、ギャルへの畏怖の念が生まれた。

私も施術経験者なので思うが、顧客のなかには揚げ足取りというか、粗を探してから何かと理由をつけて気に入らない!を言ってくる人も多い。
爪の長さとか若さとかそういう隙があるとガンガン突っ込まれる。

ので、ネイルが可能だろうがこんな呪いのスカルプネイルを好んで着ける人はほぼいない。
でもこのギャルは自分の可愛いのために独自の技術を進化させ、客の皮膚をスカルプネイル(スクエア)で傷つけること無く圧をかける技法を生んだ。
呪いの装備を着けるため、独自の進化を果たしたのだ。

そして初見の客たちが恐らく受けている不安をクレームにさせない強さと、隙の無さを強ギャルパワーでカバーしており、なかなか並大抵の覚悟では出来ない。

そうして受けた施術はめちゃくちゃ早く、予定時間より15分くらい前だった。仕上がりも綺麗だ。

めっちゃ凄いなと思い感動したけど、まだちょっとあの爪が怖いので、指名はしないと思う。

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