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司祭の夢

「……あなたがフランネル輔祭?」
 シャルティーは密かに驚いた。女性の聖職者は非常に珍しく、それゆえに中央で重用されることが多い。まさかこんな地方に派遣されてくるとは考えもしなかったのである。
「はい。カーター地方の教区より参りました。フランネル・マリーローズと申します。司祭のシャルティー様とお見受けいたします……あの、なにか私に問題がございますでしょうか。もし力不足ということであれば、代わりの者を手配いたしますが、こう見えて私は頑丈でして、僭越ながら体力面でご迷惑をおかけすることはないかと……」
 これまでに指摘されたことがあるのか、彼女は不安そうに言い募る。その表情を見て、自分が誤解させてしまったことに気付き、慌ててそれを否定する。女性聖職者の手助けがあって、助かることはあっても困ることなど無いのである。
「いえ、そうではないのです。あなたの名前を聞いて、男性だと思い込んでいたものですから……申し訳ない。もしかしたら女性を迎えるにはいささか部屋の準備が足りなかったのではないかと思いまして……」
 シャルティーの説明を聞いてほっとしたのか、フランネル輔祭は俯きがちだった頭をあげ、柔らかく微笑んだ。
「それでしたら、御心配には及びません。私自身に必要なものは、全て持ち歩いておりますので」
「そうですか。それなら良いのですが……なにか不都合があったら遠慮なく言ってくださいね」
「はい。お気遣いいただきありがとうございます」
 彼女の荷物は小型のトランク一つ。それに身の回りのもの全てが詰まっているのだとしたら、慎ましく質素に努めているのだろう。そんな人物からしたら、ここでの生活がどれほど恵まれて映るのだろうかと、シャルティーは己が置かれた状況を少し恥じた。
「立ち話で失礼しました、ミス・マリーローズ。あなたの部屋に案内しましょう。こちらへ……」
「ありがとうございます、シャルティー司祭。よろしければ、私のことはネルとお呼びくださいませ」
「では、ネル。私のことはシャルで構いませんよ。これからよろしくお願いしますね」
 新設教区に配置されたばかりのシャルティーは、司祭としても一介の労働者としても新米だった。他の教区で何年も勤めた経験のあるネルの方が、余程現場の対応には詳しいだろう。おまけにシャルティーは他人には言えない特殊な過去を持っている。それもあって輔祭を頼りにしていたのだが……果たして自分は彼女の上司に相応しいのかとの疑念が浮かぶ。希少な女性聖職者をこんな地方に留めて良いものか、なにかの手違いではないのか、彼女には他にもっと相応しい場所があるのではないかと、シャルティーはしばし思案した。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。ですが、シャルティー様のことは司祭様とお呼びしますね。でなければ信徒に示しがつきませんもの」
「そうですか? 親しげで良いと思いますが……」
「親しき仲にも礼儀あり、ですから」
「ネルは意外と堅いのですね。フランネルという名前なのに」
「柔らかくともフランネルは頑丈な布ですわ」
二人はくすくすと笑い合った。

 

 ヒストリカルな映画を観ているような夢でした。

 このあと二人は建物内を改築(模様替え?)したり、子供たちを引き受ける(学び舎のような)場所を作ったり、準備が終わってからも毎日お仕事で大変そうでした。
 おまけに二人はそれぞれ特殊な過去の持ち主で、それに罪悪感を抱いて暮らしているのですが、妙なところ認識がすれ違って、それが面白かったのですが……なかなか、言葉にするのは難しいですね。。というか正確に思い出せないです( ̄▽ ̄;)

 そもそも、自分は宗教関係の組織や役割?について全くの無知なのです。なのに、こうやって夢に設定が出てくるから不思議です……どこ情報でしょうか。そもそも合ってるの?

 まぁ、夢物語もフィクションだと思えば正確でなくても良いのですが。。

 今回の夢はそこそこ長かったけど、自分が主人公(物語の登場人物)ではなかったせいか、疲れを感じることなくスッキリと目覚められました(笑)


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