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シリーズ「パラグライダーで墜落。そして入院」

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パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
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記事一覧

入院時の心得 ~3ヶ月の入院で学んだこと、気付いた大切なこと~

今回書く内容は是非皆さんに読んでほしい投稿です。 題して「入院時の心得」です。 パラグライダーの墜落で大怪我をし、3ヶ月入院しました。3ヶ月も入院をすると、いろんなことがあります。そういった出来事から学んだこと、気付いたことの中でも自分が「入院する前から知ってたらよかったな」と思うことをまとめました。 先に言うと、今回の投稿はかなり長いです。Noteの特性上、何回かに分けて書いたほうがいいんだろうなと思っています。でも読んでくれた人にとって役に立つ投稿にすることを優先する

入院して看護師について思ったこと (事故と入院を振り返って6) ~第48話 パラグライダーで墜落 そして入院~

入院中にスタッフの皆さんを見ていて思ったことシリーズ。 今回は「看護師」についてです。 看護師さんについて思うこと。一言で言うと、 「こんな大変な仕事を日々、当たり前にやってくれてたんだ、、。すごい。マジで頭が下がる思いです。」 というのが率直な思いです。 大変さで一番わかり易いのが夜勤の話です。 夕方頃に出勤し、翌日の朝日9〜10時くらい、つまり実質15時間前後と、かなり長時間労働になります。さらに。。。 歩数が2万歩くらいになるらしいです。 やばいですよね。。。聞いた

入院して医師について思ったこと (事故と入院を振り返って5) ~第47話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回から入院しているからこそ、気付いた事、思ったことのお話をしていきます。医師、看護師、療法士のお話をしていこうと思います。 今回は医師の話をしていきます。 後半、結構ネガティブな話も入ってきます。 まず、自分には手術をして頂いた担当医が二人います。骨盤と踵を担当してくれたA先生と腰を担当してくれたB先生です。二人とも、比較的若い先生でしたが、めちゃめちゃ腕のいい先生なんだと思います。 なぜそう思うかというと、 ・骨盤輪損傷(仙腸関節離開、左恥骨結合離開) ・左踵粉砕骨

みんな!運動して!! (事故と入院を振り返って4) ~第46話 パラグライダーで墜落 そして入院~

もしかしたら、勘がいい人はタイトルと写真を見て私の言いたいことを察した人がいるかも知れません(笑) 前回の投稿で、一ヶ月寝たきりになると、人間は恐ろしいほど体力、筋力がなくなるという話をしました。 詳しくはこちらから↓ そんな体験をした私だから言えること。 運動はめっっっっっちゃめちゃ大事!! みんな!もつと積極的に運動して!!! ってことです。 いや別に、「明日からジムに行け!」とかそんな事が言いたいわけではないです。 実は一度動けなくなった自分はもう一つの事に

寝たきり1ヶ月で奪われる体力がマジでやばいって話 (事故と入院を振り返って3) ~第45話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回はちょっと汚い話も入ってきます。 パラグライダーの故事で墜落してしまい、踵、骨盤、腰椎のかなり酷い骨折をしました。3回の手術が1ヶ月かけておこなわれました。その間はずっと寝たきり状態だったんです。 医者や療法士に言われました。 「寝たきり1ヶ月で全身の筋力がめちゃくちゃ落ちています。」 「ですよね。」って思いました。 でも俺はこの言葉の意味をちゃんと理解していませんでした。。。 驚くほど落ちます。そして、 「まさか、、、そこの筋肉も・・・!?マジか。。。」 って状

グライダーの選択について、もう一度深く考えてほしい。 (事故と入院を振り返って2) ~第44話 パラグライダーで墜落 そして入院~

今回の記事は今パラグライダーをやっている人に向けた内容です。パラグライダーをやっている人にしか分からない専門用語も沢山出てきます。その点はご了承ください。 パラグライダーで飛んでいる人、特に今、2ライナーの機体に乗っている人、もしくは乗ろうか検討しているに一度読んでほしい内容です。そしてゆっくり考えてみてほしいと思っている内容です。 〜グライダーの選択について~ 死にかけた自分だからこそ、言えることがあると思っています。 「あなたのグライダーの選択、力量にあっていますか

これからのパラグライダーとの関わり方を考える(事故と入院を振り返って1) ~第43話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの墜落をきっかけとして、Noteにパラグライダーの事、入院のこと、治療のことを綴ってきて、退院までの日記は終わりました。 気がついたら40話を越えました笑 さて、今後は今回の事故をきっかけに思ったことや気づいたこと、そして学んだ事などを総集編としてテーマ別にまとめたことを綴って行こうと思います。 その第一回目となる今回のテーマは 「事故を振り返りつつ、パラグライダーのことと、これからの自分のパラグライダーとの関わり方」 を話していきたいと思います。 ~また

退院。そして新たな旅へ ~第42話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから3ヶ月と3日。  この日、ついに退院することになりました。 パラグライダーでの墜落事故。大事故でした。 ランディング直前、地上約30mで乱気流により翼が大潰れ。翼をリカバリーしたり、緊急パラシュートを開くにはあまりに高度が低すぎました。 その後の分析で翼が潰れた後、自分の操作技術が足りていない部分も判明しました。ただ、仮にそれがうまく出来ていたとしても、ほぼ確実に墜落していたのではないかと思います。30mという高さはパラグライダーにとってそれくらいどうにもなら

不安と向き合った、その先に。~第41話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と25日程が経った日の出来事です。 看護師さんに「この辺の日程で退院になると思います」となんとなくの日程は言われていましたが、ついに具体的な日程も決まった頃のお話です。 いよいよ、数日後に退院が見えてきました。体としてもお陰様でかなり歩けるようになってきました。リハビリでは病室のある8階まで1階から一段とばしで階段をのぼらされるというスーパーハードな内容になってきています笑 入院初期は半身不随に近い状態だったことを考えると、驚くほど回復してきています。

くだらないことが頭に浮かぶくらいに回復 ~第40話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と25日程が経った日の出来事です。 昼食のあと、次のリハビリまで時間があるので、病室でぼーっとしていました。ちなみに入院してから意識的にぼーっとする時間を作るようになりました。入院中は比較的時間があるので、You Tubeを見たり、いろんな記事を読んだりしています。そんな中で特に印象に残った情報が2つあります。 ざっくり言うと、 ・1つ目は睡眠の大切さ。日本人は睡眠時間が少なすぎる問題。多くの人がかなりパフォーマンスが落ちているらしいという話。 ・2つ目

レベルアップしたリハビリとシャワー問題 ~第38話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と20日程が経った日の出来事です。 免荷重の制限が外れて10日以上が経ちました。 この頃には療法士さんと行うリハビリでは歩行器なしであるく練習もどんどん進んでいました。もちろんまだまだぎこちなさはあるものの、歩くこと自体はかなりできるようになってきています。 それでも一ヶ月寝たきりだったこと。起き上がれるようになってからも、免荷重であまり負荷がかけられなかった左足。筋力は驚くほど低下しています。5分歩くと足首の中が痛くなってきます。荷重をかける負担に足首

死と向き合うということ ~第37話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と20日程が経った日の出来事です。 パソコンが壊れてしまい、代わりのパソコンは確保できたものの、処理能力が遅い。フォトショップをはじめとする写真の作業をするのは厳しくなってしまいました。 そんな状況の中、開き直って始めてみたことがあります。それは映画を積極的に見るというものでした。そしてこの日見た映画は邦画の「余命十年」でした。 私的な感想は「素直で良い映画」でした。この言葉がこんなにも当てはまる映画はなかなかないと思います。演出、セリフなど、様々な点

見てくれている ~第36話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と20日程が経った日の出来事です。 もうちょっとすれば入院して3ヶ月になってしまいます。入院生活にもかなりなれてきました。 ↑でも綴っているのですが、私の入院しているリハビリ病棟で治療をしている人の多くは高齢の方です。みんなリハビリをしながら治療をしている人たちです。それなのに、、悲しい現実がそこにはありました。 「頑張ってリハビリをして、また元の生活に戻るんだ」といった意思をリハビリする姿から感じられる人はほんの一握りしかいません。60人いる病棟で、

ふとしたことで心が走り出す ~第35話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と15日程が経った日の出来事です。 入院をしてから「ふとしたこと」をきっかけとして色んなことが起きることが増えました。その内容は様々ですが、今の自分の現実を突きつけられたり、心の奥底に秘めていたはずの思いが急に溢れ出てきてしまったりと、多くの場合は涙してしまうようなことがおおいですね。 この日も「ふとしたこと」がきっかけで感情が走ってしまいました。 夕方頃のことです。お手洗いから戻るとき、夕日がすごくきれいなのが廊下の先の大きな窓から見えたんです。思わず