【第1話】時間を戻せるのなら今すぐ戻してほしい
こんにちは、堀北晃生です。
今日はプライベートな話をさせて頂きます。
少しずつ私自身についても知ってほしいと思っています。
大変恥ずかしい内容もありますが、ぜひあなたには知って頂きたいと思います。
・・・・・・・
「なぜこんなことになってしまったのか?」
「時間を戻せるのなら今すぐ戻してほしい・・・」
私は、雪が降る小さな田舎町に生まれ育ちました。
幼少の頃より、勉強が苦手で、周りの空気が読めない子供。
さらに、体が標準より小さかったため、友達からも笑いの対象になったり、いじめも受けてきました。
目が悪かったため、大好きだった野球も結果を出すことができず、将来に対して不安でいっぱいでした。
そんな時に、人生が一変するほどの衝撃的なものに出会いました。
それは・・・、
友人が持ってきたカセットテープから流れる、ハードロックのサウンド。
全身に電流が流れるほどの衝撃を受け、ギターを弾くことに一生をかけてもいいと思うほどのめり込みました。
しかし、それと同時に両親との関係性は悪化。
勉強ができない自分を責める両親と、やりたいことをしたい自分の意見が
真っ向から対立。
毎日のように怒鳴り合う日々が続きました。
でも心の中では、寂しさと不安でいっぱい。
「いったい、いつまでこの不安は続くんだろう?」
そう思いながらも、両親との関係は、日を追うごとに悪化。
高校に進学したものの悶々とした日々を過ごしていました。
結局、「大学に行かせたい」という両親の夢と自分の意見を尊重してほしいという気持ちがぶつかり合い平行線のまま。
結局、親の夢を踏みにじる思いで、逃げるように東京へ上京しました。
カネなし、コネなし、学歴なし。
18歳たった一人で上京してきたが、何をすればいいのかわからない。
「こんな僕が出来ることは、人が嫌がる仕事しかない・・・。」
まずは自分が生活できるようにするため、なんでもいいので働けるところを探しました。
まともに就職できなかったため、普通の人がやらないような仕事しか選択肢はありませんでした。
・飲食店の排水口の掃除
・ビルやマンションのトイレ掃除
・ティッシュ配り
・ネコの死体を片付ける仕事
・引っ越し屋の手伝い
・雨の日の交通誘導警備員
など。
約20種類ほどのアルバイトを転々としながら、その日暮らしを続けていました。
「自分の将来はどうなってしまうのか・・・?」
「いつまでこの苦しみを続けなければいけないのか?」
19歳の誕生日を迎えた日は本当にお金がなく、鏡に映るげっそりとやせ細った自分の体を見て、自分の無力さに悲しくなりました。
誕生日の日、ポストには一通の手紙が入っていました。
中を開けてみると・・・、
「誕生日おめでとう、頑張ってる?/母より」
手書きの手紙と1万円が入っていました。
両親との、不仲は未だに続いていたため、素直に「ありがとう」すら、言えなかった。
この1万円がどれだけ大金に見えたか・・・。
そんな中、ある求人広告を見つけました。
「独立起業家募集。年齢性別関係なし。」
「学歴、経験一切関係なし、月収100万円も!」
トイレットペーパーさえ買えなかった自分には、「これしかない」と直感しました。
19歳の誕生日を迎えた一ヶ月後。
私は、清掃委託会社として独立起業しました。
車を一台リース契約し、ひたすら飛び込み営業をして、売上を作るという仕事。
固定給というものは一切なく、売れた分が給料。
もし売上をあげられなかったら・・・、
給料はゼロ、車のリース台の支払い、そこから生活費である家賃や食費。
売上をあげないと、生きていけない状況でした。
しかし、嫌だと言って帰る場所はないため死に物狂いで飛び込み営業を続けました。
訪問先では、罵倒され、塩をかけられ、笑いものにされたり、八つ当たりされ。
人間としての扱いをされなかったことも、たくさんありました。
何度も何度も、悔し涙を流しましたが、仕事の選択肢がない自分にはこれしかありませんでした。
そんなある日、お昼の休憩時間に立ち寄った本屋さんで衝撃的な本との出会いがありました。
当時、書店に売っていたセールスに関する書籍。
ピンク色の怪しそうな本でしたが、タイトルに惹かれてつい買ってみました。
半分怪しいと思ったそのセールスの本の内容を見て衝撃が走りました。
「今の自分が求めていたことはこれだ!」
私はこのセールスの本に出会ってから、まるで人生が変わったような錯覚を覚えました。
何も結果が出ていないのに、「売れるセールスマン」のような気分になりました。
しかし、田舎訛りとどもった話し方のため、どうしても人が買ってくれると思えませんでした。
そこで、ある決意をしました。
このセールスのやり方を上司や先輩に見てもらってアドバイスをもらおう。
「セールスの実績がある先輩に聞けば、さらに上達して売れるのではないか?」
と思ったのです。
そこで、早速上司と先輩にお願いをして、私のセールスのやり方を見てもらいました。
私は、懇切丁寧にセールスを教えてもらえると思っていましたが、意外な言葉が返ってきました。
「そんなもんで、売れるわけないだろ!」
と吐き捨てるように言われました。
セールストークの紙は投げ捨てられ、上司と先輩はそのまま立ち去りました。
まるで、「無駄な時間を使った」と背中から感じ取れるようでした。
そんなある日・・・
夜遅くに営業所に戻ってきたところ、奥の喫煙所で盛り上がっていました。
時間は夜の21:30頃。
こんな遅くになぜ喫煙所でたくさんの人がいるのか?
残業なのか?
それとも、なにか違うことなのか?
営業ツールを営業所に運び、喫煙所の遠くのほうで作業をしていると、何やら大盛り上がりでした。
狭い喫煙所の中に何人かの社員がいるようで、そこでは楽しい話で盛り上がっているようでした。
その喫煙所でどんな人がいるのか、どんな話をしているのかを、遠くから見てみました。
そうすると・・・
その喫煙所の中では、私のセールスのやり方を真似していました。
上司と先輩は私の真似をして、みんなは大爆笑していたのです。
信じていた上司や先輩が、影でこんなふうにあざ笑っているとは・・・。
全身の力は抜け、胃の奥のあたりがけいれんし、目頭が熱くなるのを覚えました。
すぐさまその場を離れ、外に出たときにはバカにされていた事実を知って、涙が溢れてきました。
全身の血が逆流するほど「悔しい」と感じたのは人生で初めてかもしれません。
私は、孤独の極限を感じました。
友達もいない、信じられる上司もいない。
慕ってくれる先輩は影で馬鹿にしている張本人だった。
誰を信じればいいのか?
誰を頼ればいいのか?
このまま何を信じて生きて行けばいいのか?
不安と孤独でいっぱいになりました。
しかし、私にはもうこの仕事しかありません。
資格もない、学歴もない、コネもない。
こんなドブネズミのような人間を、他で雇ってくれるところはありませんでした。
「悔しくて悔しくて仕方がないが、この仕事を続けるしかない」
何も力がない自分のだらしなさに、情けない思いでいっぱいになりました。
涙があふれる状態でしたが、前を向いていくしかありません。
飛び出てきた営業所に再度戻り、さっきの会話は聞いていなかったようなふりをしました。
それから、人生を変える奇跡が始まるとは、この時は1ミリも感じていませんでした。
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次回予告
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私の恥ずかしい過去に関する、さらに深いところを暴露します。
あまり書きたくないのですが、私の失敗事例がなにかのヒントになるのであれば、喜んで公開します。
追伸:
書いているだけで、当時を思い出し涙が溢れてきました。
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投資コンサルタント堀北晃生(ほりきたあきお)。群集心理学と金融工学を組み合わせた独自の投資メソッド「堀北式株価デトックス理論」の考案者。作家、コミュニティ、通信講座を通じて次世代の投資家を増やして社会貢献を目指す活動を行っています。